ボリビアという国は元気なのか死んでいるのか? ラ・パス、コチャバンバ、サンタ・クルス 【10/4~10/11】


正直なところ、La PazとCochabamba、Santa Cruzは訪れてみて大して面白くなかった(だから投稿が遅れたわけではない)。
Cochabamba、Santa Cruzは初めて訪れる場所だったので大いに期待していたけれども、町には見所がほとんどないばかりか(”Lonely Planet”にもはっきりと明記されている!)、町自体が死んでいるような印象だった。
大して面白くなかったからか、撮影した写真の枚数は少ないし記録に残せるような出来事もそれほどなかった。
町には魅力がなかったものの、それでも新たな発見に出会えるというのは「旅」が持つ素晴らしさというもの。
イマイチ面白みにかける滞在の中で見つけた幾つかのエピソードをご紹介。
【La Pazの活気はすり鉢からあふれんばかり】
Uyuniを25:40に発つ列車に乗り、ぼくたちはOruroへ。
早朝に車掌に起こされ、促されるように食堂車へ。
車窓からは湿原が。
この風景を楽しみながら朝食を旅行者にとってもらうためにダイヤを組んでいるのかと、VillazonからUyuniへの移動で感じたのと同じ印象を抱いた。
もしも、綿密に計算されてダイヤが組まれているのであれば、ボリビアの国鉄が観光客に提供する演出は実にスバラシイ!
Oruroで列車を降り、鉄道駅からバスターミナルへはタクシーで移動(Oruro駅から少し歩いたところにはCordon Bleuのシェフのレストランが!)。
Restaurant Nayjama
coldon
バスターミナルに着くと、熱烈なバスの客引き。
客引きは張り裂けんばかりの声でバスの行き先を叫び続けていた。
「ラパ~ス、ラパ~ス!」。
必死に「ラパ~ス、ラパ~ス!」と声を張り上げていた女性からバスの運賃を確認し、チケットを確保。
出発時間までは30分ほど空いていたので(OruroからLa Pazまでは30分毎にバスが出発)、ターミナル内の売店へ。
売店でプリングルスを買おうとしたら20Bsとの値段を言われてしまった。
一瞬ぼくは耳を疑った。
というのも、OruroからLa Pazへの片道のバス乗車券(乗車時間は3時間強)が10Bs。
プリングルスが2倍もするのはどう考えてもおかしい。
明らかにぼったくられていると感じたぼくは品物を返し、結局何も買わぬままバスに乗り込んだ。
あとでLa Pazに着いてわかったのは、ぼくたちは決してぼったくられたのではなくプリングルスのような輸入菓子は物価がどうであれ先進国並みの価格はするということ。
途上国ではしばしばこんな変な出来事が起こってしまう。
ぼったくったと疑われてしまった売店のおばさん、ごめんなさい。
それにしてもポテトチップスがバスに3時間以上も揺られるのと同じような値段もするなんて…。
舗装された道をLa Pazに向けて走り続けること3時間半。
ようやく道路わきには商店が立ち並び、街中に活気がみなぎる光景が目に入るようになってきた。
7年前にLa Pazを訪れたときは、この活気がLa Paz市内との間で途切れていた。
以前はすり鉢状になったLa Pazの淵と底は「それなり」に活気はあるものの、すり鉢の斜面は寒々しいばかりだった。
けれども、今回の訪問では斜面にも住居が立ち並び、その質も向上していた。
夜中にはすり鉢の住居からは煌々と明かりが照らされ(以前はまばら)、見下ろすことがほとんどの夜景もLa Pazでは見上げるという奇妙でありながらもどこかゴージャスな体験をすることができた。
La Pazは南米の他の都市と比較して安全で、夜間でも安心して出歩ける(あくまでもぼくの主観なので、旅行者は各自の責任のもとに出歩くこと)。
そういったこともあり、ぼくたちも積極的に夜の街の探索に出かけたりした。
夜中でも多くの露天が営業し、そこでの買い物目当てにこれまた多くの人手で賑わっているのには大変おどろいた。
ガラクタか何かわからないものから違法CD(これについては後述)、お菓子までいろいろなものがそれぞれの露天で販売されていた。
夜の11時であの人の多さは南米でもトップクラスの賑わいなのかもしれない。
そして、あの賑わいを構成する人の多くがすり鉢の淵に住むのであれば、それこそこの街の購買力は本物であり、ぼくが感じたすり鉢の淵と底の差は縮小したということは事実なのかもしれない。
La Pazを発って、CocabambaそしてSanta Cruzへ足を運んだ。
これらの街はLa Pazの西に位置し、それぞれ標高もLa Pazほど高くはない。
また、ブラジルに近づくことで、La Pazのようにインディヘナの人々を目にする機会も随分と減った。
これらの街に共通することは、活気がほとんどないということ。
Cochabambaは目を当てられないほどひどかった気がする。
栄えている部分はあるものの、新市街に至っては多くのレストランが既に撤退しており、ぼくたちがその地域を探索していると地元の人がしきりに「かばんを前に抱えて歩くように!」と言ってくるくるほど治安の悪化がひどそうだった。
昼間にもかかわらず人気があまりにも少なく気味が悪かったので、このエリアからはタクシーに乗ってさっさと退散。
Santa Cruzは日曜日に到着したということを贔屓目に見ても、やはり街自体は死んでいた。
街自体には見所はほとんどなく(”Lonely Planet”にも明記!)、むしろ近隣の国立公園へ足を運ぶためのゲートウェイにとどまっている感じだった。
だからか、街中には魅力的なレストランは少なく、多くの観光客はカテドラル前の広場に設置されたベンチでぼーっとしたり、インターネットカフェに入り浸ったりというすごし方をして時間をつぶしていたようだ。
【深刻な違法コピーソフトの流通】
ボリビアに限った話ではないけれども、南米では屋台で堂々と違法コピーされた音楽CDやPCのAPソフトが販売されている(東南アジアや中国でも同じような光景は見られるか)。
そして、違法コピーされたソフトはインターネットカフェの自作PCにインストールされて利用されたり、長距離バスの車内で上映されたりしている。
7年前に南米を旅したときも違法コピーされたソフトが流通していたものの、今回の旅では目にする機会が大幅に増大している。
こうした状況を目の当たりにし、実に複雑な心境に陥った。
というのも、違法コピーを徹底的に取り締まったら南米では失業者がさらに増えるだろうし所得の少ない彼らでは正規に販売されているソフトは購入できないので、音楽などのエンターテインメントに触れる機会が減少したりIT産業の発展を阻害する要因となりかねないからだ。
なお、音楽CDに関して言うならば、La Pazで正規版が90Bs程度で売られているところ、海賊版では10Bsで売られている。
一方では、アーティストなどの権利が侵害されていることも事実。
著作権に関する問題、先進国では「ネット」などハイテクによった話題に集中しがちだけれども、後進国ではまだまだ「ネット」配信は普及しておらず、ハードとしてのソフトウェアの管理が問題となっている。
なお、音楽業界に関する世界市場の動向についてifpiで概要を把握できるのでどうぞ。
街角の違法コピーショップ
cd
軒を連ねて、夜遅くまでソフトが販売されている。
ジャケットはカラーコピーされたもので、ケースはプラスチックでないものも多い。
【町の真ん中に刑務所が】
La Pazで訪れてみたかった場所のひとつに、サン・ペドロ刑務所がある。
刑務所というと街から外れた場所にあるものと想像しがちだけれども、La Pazに関していうと「なぜ、こんな都会のど真ん中に?」と言いたくなるような立地に。
La Pazの大動脈から2ブロックほど奥に入ったところに刑務所がある。
“Lonely Planet”によると、この刑務所ツアーはLa Paz観光の目玉にもなるほどだそうだ。
ここまで書いておきながら、実はぼくは刑務所内には足を運ばなかった。
外から刑務所の中を眺めただけ。
外からでも刑務所の中がわかるということは中から外の様子がわかるのは当然。
中に入らなかったのは、ツアーに参加しそうなのがぼくだけの様子で結構びびってしまったから。
それにしても果たして彼らは「囚人」と言えるのだろうか?とふと思ってもみた。
なお、彼らは相応の刑罰に服している囚人と比較して大変寛大な待遇を受けているらしい。
日本ではPFIにからめた刑務所ビジネスが密かな注目を浴びている。
地方自治体の誘致担当者の皆さん、La Pazまで足を運んで、刑務所の1つのあり方というものを見てはいかがでしょうか。
【ボリビアの愉快なアミーゴ達】
旅をしていると愉快な奴にでくわすことが多い。
ラパスで泊まったHotel Torinoのフロントにいたマテオはその1人。
ぼくらを見るたびに”Japones(日本人)”や”Nakata(中田)”と言ってからんでくる。
どうやら日本人サッカー選手の話がしたくて仕方なかったらしく、いろいろな選手のことを話すと目を輝かせていた。
外国人との会話で、なにをきっかけに話せばいいのかわからない人、サッカーと映画の話題をちょっと抑えておけばある程度は盛り上がるのでは?
コチャバンバのオスカルもいい味を出していた。
日本人の客が珍しいのか、ぼくらの様子が相当奇妙だったのか、ぼくたちを見るたびにぼくたちの名前を連呼していた。
愉快なやつはいるけれども、全体的にはアルゼンチン人と比較するとボリビア人は大人しめといったところか。
もしかしたらラテン系の移民の比率が他の南米諸国と比較して少ないこととも関係しているのかも。
【サッカーには意外とクール?】
ぼくがSanta Cruzに到着した10/9にワールドカップの南米予選(対ブラジル戦)がLa Pazで開催され、テレビで試合の状況が放映されていた。
試合の状況を一目見ようと、テレビのあるカフェに多くの人が群がっていた。
ぼくたちも試合の行方を見守るために、とあるカフェに入った。
試合会場は上記のとおりLa Paz。
標高3,000mを超える場所にスタジアムがあるため、ブラジルの選手にとっては普段以下の力しか発揮できないなんとももどかしい場所。
だからこそ、ボリビアにとってはブラジルに一泡吹かせる絶好のチャンスでもあるわけだ。
ちなみに、ブラジルは選手が高山病にかかるまえに試合を終えるよう、試合開始ギリギリに会場入りするらしい。
試合は1-1の同点(後半にボリビアが追いつく!)で終了したけれども、ボリビアが得点したときはカフェ中大騒ぎするのかと思いきや大した歓声もあがらず実に淡々と。
たしかに街中で子供がサッカーをして遊んでいる光景は見なかったし、実は南米の中では珍しくサッカーに冷めた国なのかもしれない。
10/5にLa PazでボリビアのクラブチームStrongestが他国のクラブチーム(どこのチームだったかは覚えていないけれども南米の他国だということは確か)と対戦していた。
その試合の模様もテレビで放映されていてLa Pazの街頭テレビには人だかりができていたことを考えると、代表の試合には興味はないけれどもクラブチームには愛着があるのかもしれない。
ただ、やっぱり他の南米の国民と比較すると得点したときの熱狂度は低いような気もする…。
これは【ボリビアの愉快なアミーゴ達】で書いたように民族構成にも関係するのだろうか。
【TOYOSA?】
ボリビアに入ると、アルゼンチンと異なって日本車が非常に多く走っていた。
一番多くみかけたのはTOYOTA車。
ボリビアで走っているタクシーの大半はTOYOTAの中古車。
中古車といえども改造はしっかりされている。
ハンドルは左側に(南米のほとんどの国は左ハンドル)設置。
ただ、その改造の仕方が半端じゃない。
日本の車検では絶対通らない!
というのも、ハンドルを左側につけただけでスピードメーターをはじめとしたダッシュボードにまでは全く手がつけられていない。
スピードメーターは右に残されたままハンドルだけが左に移動し、「スピードはまったく気にしないぜ」というタクシードライバーの姿勢がうかがえる改造のされかただ。
ダッシュボードだけが右側に
taxi
Santa Cruzのタクシーで気づいたのは、改造はエンジンにまで施されていること。
エンジン音を聞くと、どうもバイクのエンジンを使っているような軽い音が。
La Pazでは坂道を走るためバイクのエンジンでは耐えられないものの、平地の多いSanta Cruzであれば燃料費がかからないバイクのエンジンで十分ということか。
La Pazで奇妙なものを見つけた。
“TOYOTA”ではなく”TOYOSA”。
TOYOTAのSUVのリア部分にTOYOSAというエンブレムがついていたのを発見して気づいた。
TOYOSAについて調査してみるとれっきとした会社であることが判明。
21年間もボリビアでTOYOTAの車を販売し続けているらしい。
それにしてもなぜTOYO”SA”なんだろうか。
TOYOSAのディーラーショップ
toyosa
【ボリビアは成長が期待できるか?】
ボリビアを旅してみて、前回のたびと比較してそれほど成長していない印象を得た。
確かに、La Pazはすり鉢の全体が光の洪水であふれていて、夜中でも露店で大賑わいだった。
けれども、全体的には「サービス」というものに対する理解度はまだまだ低い様子だ。
南米全体にいえることなのだけれども、どうもランチタイムになると完全に店を閉めてしまうことが当たり前のようだ。
それは薬局でも同様。
店頭に客が並んでいようと、「今、休憩時間だからもう少し待ってろ!」と平気で言っている光景も目にした。
Uyuniの旅行代理店の自己中心的なツアーの説明もまずいと思う。
もう少しホスピタリティというものを学ぶべきだろう。
あいにく、この国は地形的に農業や工業に向いていない。
流通させるにも低い舗装率がそれを邪魔しているのが現状だ。
だからこそ、観光などサービス産業に力を入れてはどうだろう。
高地の空港La Pazにいきなり降り立って旅行者が苦しまないようにと配慮してかは不明だけれども、低地に位置するSanta Cruzの空港へ国際便が多く乗り入れるよう努めているようだ。
近隣諸国への観光へのゲートウェイ(ボリビアからペルー、チリ、チリ、ブラジル)としてボリビアをアピールしていくのも面白いのではないだろうか。
観光産業の充実のための課題には、現在の舗装状況を改善することも含まれる。
舗装状況の改善は近隣諸国との貿易の活性化にも繋がるので。
なお、ボリビアと日本の舗装状況をCIAのデータに基づいてまとめておいたのでご参考までに。
paved rate
【その他写真】
La Pazの風景1
la paz1
La Pazの風景2
la paz2
靴磨き
shoe
彼らが磨く靴そして彼ら自身も輝いていた。


ボリビアという国は元気なのか死んでいるのか? ラ・パス、コチャバンバ、サンタ・クルス 【10/4~10/11】」への1件のフィードバック

  1. コチャバンバ

    コチャバンバコチャバンバ(Cochabamba)は、ボリビアのほぼ中心にある県。また、その中心都市の名前でもある。北側がベニ県、南側がポトシ県とチュキサカ県、東側がサンタクルス県、西側がラパス県とオルロ県に接している。アンデス山脈|アンデス地域とアマゾン川|アマゾ

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