セ・リーグの野球場に初めてネーミングライツが導入

来シーズンからオープンする新しい広島球場にネーミングライツが導入され、そのスポンサーが発表された。
大方の予想通りスポンサーはマツダ。
球場名は「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」で、年額3億円の5年契約。
出来レース感が拭えないものの、対抗馬がいたことは色々な意味から救われた気分でもある(マツダ以外に1社がコンペに参加)。
さて弊社の調査によると、国内でのネーミングライツの導入件数はバス停なども含めると100件前後にまで膨らみ、もはや自治体をはじめとした施設運営者が新たな財源を確保するためのスキームとしての目新しさはなくなった。
ではあるものの、この度の締結は「セ・リーグ初」と、新設スタジアムへの名称付与ができるという点は大きなオマケだろう。
新設スタジアムかどうかという点はネーミングライツの契約金額を設定する上でも重視される指標であることは、ネーミングライツ先進国のアメリカの論文でも指摘されているところ(ただし、広島ファンが「市民球場」と呼び続ける場合にはそのメリットを享受できない可能性あり)。
新広島市民球場(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)へのネーミングライツ導入可能性は随分前から発表され、これまでに確認しているだけもで地元の造船所などマツダ以外の企業も関心を示していた。
案件としての魅力があったことと同時に、検討に向けた十分な時間と球場を利用するチームとファンの結びつきの強さから訴求力が期待されたなど様々な要因が今回の契約に至ったのだと思う。
このところ、急にネーミングライツの募集を行い、人知れず締め切るというケースもいくつか現れてきており(施設としては早急に財源を確保したいから?)、応募する側との呼吸が合わずに失敗しているケースもチラホラ伺えるので、募集する側としては好条件のスポンサーを確保するためにも周到なPRの準備をすると良いでしょう。
オマケとして、プロ野球とJ1の本拠地へのネーミングライツ導入状況を示したグラフを。
プロ野球・J1本拠地ネーミングライツ導入状況

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