Is GREED still being GOOD?

映画「ウォール街」で、マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーが投資先の株主総会で行う演説での1フレーズが”Greed is good(欲は善なり)”。  

そんなフレーズも、昨今のサブプライムローンの影響もあって過去のものと葬られ、欲を追求し資本主義という舞台でスポットライトを浴び続けた一部のGreedy(欲深い)な金融マンは舞台の袖に追いやられてしまった(もしくは、舞台から足を踏み外して奈落に落ちてしまった)。
前置きはこんなところで本題。 
ウォール街で働く著者が過去20年ほどの自身の経験を元に、ウォール街の歴史の変遷(投資銀行の歴史など)や”Greed is good”を体現する金融マンの姿、サブプライムローンに陥った背景などを描いた作品。 
新書という限られた分量の中で客観的な情報と自身の経験が程よくミックスされながらも、決して物足りなさを感じさせない充実した内容。 
サブプライムローン関連の書籍をぼくが読んだのはこの本が初めてなため他とは比較ができないけど、実際の現場に立っている人の視点から書かれたこの作品はどんな評論家が書くものよりも説得力に富むものだと思うし、それがためにオススメできる。 
個人的には、6章までが資料的価値を持つものとすれば、7章・あとがきこそが著者のもっとも伝えたいメッセージ部分であり、この部分を読んで各人が考えてみるのが本書の正しい読み方なんじゃないかとの印象を持った。
この部分だけでも立ち読みしてみるべし。
本書を読んで、タイトルに挙げているように”Is GREED still being GOOD?“なのかどうか問うてみてはどうでしょうか。
個人的には”GREED is GOOD but keep your FAITH!”ってのが解でしょうか。
    

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