本多静六流「的確に人を動かす」10ヵ条


本多静六という人物を知っているだろうか?

日比谷公園の設計などを手がけ、投資家としても莫大な財産を築いた人物である。
彼が著した370冊の中の1冊『本多静六 成功するために必要なシンプルな話をしよう (知的生きかた文庫)』を読んだ。

色々と示唆に富むパートがあったが、個人的に関心が高かったのが「的確に人を動かす」10ヵ条。

1.指導:「相手の性格」を的確に知る
=>長所だけ利用して活用する
2.評価:「努力の結果」を見る
3.約束:「小さなこと」も忘れない
4.相談:まず「聞く態度」を見せる
=>部下の顔を見、用件を聞きとる用意があることを示す
5.忠告:「本人が反省した後」にする
6.声掛け:「子供は元気かね」という一言
7.指示:「的確に動く部下」の育て方
=>仕事を言いつけるときは、必ずその名を呼ぶ
8.規則:些細なことほど「公私のケジメ」を
9.社風:「いい雰囲気」は部下に作らせる
10.責任:部下が一気に伸びる「二対八の法則」
=>人を使い、人を操る方法は、ふつうのことの八を譲り、もっとも肝要なことの二を守る程度がよい

フリーランスでの勤務経験が8年に及び、今は組織で働いている身として大いに参考になる。
とりわけ、個人的には「6.声掛け:「子供は元気かね」という一言」が侮れない。
子供にかかわらず、リーダーたるものメンバーの家族などに関心を持っていることは大切だと思う。
家族あってこそ、従業員が安心して働けるわけで、今は混乱状態にあるマクドナルドをかつて率いていた藤田田は従業員の奥さんの誕生日に花を贈るなど、従業員の家族を大切にすることで従業員との信頼感構築に役立てていたというエピソードもある(今のマクドナルドにこの文化は残っているかは不明)。

チームマネジメントに悩んだら、この10ヵ条は読み返したい。


いよいよ30代もあと僅か


この週末は30代で過ごす最後。
来週には40代に突入する。

大学生でバックパッカーデビューを果たして20年も経ったのかと思うと、この20年とはどれだけ人間的に成長したのかいささか怪しい。

30代の多くの時間はフリーランサーと過ごし、企業人に戻った、そして何よりも家族のメンバーが増えたことが大きな出来事だ。
40代に入って家族のメンバーが増えるのかはたまた考えたくないが減るのか、ということも頭の片隅に置いて毎日を送らなければならない時期にやってきた。

30代でやり残したことは?
40代に突入する前に読んでおかないととふと本棚から取り出したのが、本田健の『30代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)』。

目次を見るだけで、「あ、これやってなかった」「これはやった」とこの10年をふと振り返る自分。

最後の30代で過ごす週末、大切にしたい。

30代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)
本田 健
大和書房
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『なぜ「地雷専門店」は成功したのか?』


鶯谷にあるマニアックすぎる風俗店(デッドボール)が成功した秘訣について赤裸々に触れた作品。

小難しい経営のフレームワークなんてクソっ喰らえなくらい、単純明快にストーリーは進む(著者が小難しい理論をぶつコンサルタントでないのが良い)。

風俗に行くなら可愛い子、若い子、ナイスボディな子がいるところを選ぶのが世間の客のお決まりだけど、デッドボールは世間の客のお決まりとは全く逆の「デブ、ブス、ババア」を売りに急成長し、驚くことに支店を出すほどまでに成長している(それだけ、マニア!がいるということ)。

ZAKZAKで紹介されていた記事を読んで、ぼくはこの店の存在を知った。
だから、この本を手に取る前に、店については多少なりとも知っていた。
とはいえ、立ち上が当初のメディアへのFAX攻撃から、予約してきた電話に対する正直な対応、お店の女の子への接し方(常に公平を保つなど)など、日常のビジネスを展開する上でもヒントになる部分はいくつもある。

VIDEOが普及した、インターネットが普及した、そのどれもがエロの欲望を満たすためというのはよく知られた話だ。
エロはイノベーションのブレークスルーを起こすには避けて通れないリトマス試験紙であり、この試験紙の反応がその後のマーケットサイズのポテンシャルを決めると言っても過言でない。
エロだからといって馬鹿にせず、エロに傾倒しろとまでは言わないけれど、時としてエロから大いに学ぶ姿勢がビジネスに携わる者として大切だということをこの本を読んで再認識させられた。

罰ゲームでデッドボールに送り込まれるようなチョンボは避けたい。

なぜ「地雷専門店」は成功したのか? 業界未経験の経営者が超人気風俗店を作り上げるまで
デッドボール総監督 ハラ・ショー
東邦出版
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『ウォール街の「超」大富豪に学ぶ非常識なほどお金を稼ぐ人の法則』


ひところ、バラエティで大活躍していた国際弁護士・湯浅卓が2004年に書いた作品。

この本が出たころだったどうか、彼がバラエティで大活躍していたのは?
そして、テレビでめっきり目にしなくなった彼は今、何をしているのだろうか。

さて、彼の本を手にとったきっかけは、彼が最近出版した本(ウォール街が教えたくない日本大逆転のチャンス)が本屋で平積みされているのを目にし、新作を読む前に古い本を読んでおきたいと思ったから。

バラエティの彼同様、残念ながら本の中身はさほど面白くなかった。
彼の話に出てくるウォール街が平民のぼくには遠く、現実と大げさに盛りつけられた虚構のどちらなのかが判断つかないから。
バラエティの彼のイメージで読んでしまうからこそ、残念だった。

とはいえ、中には傾聴に値する金言がばらまかれていることは確か。
たとえば、「世の中に自慢ということばはない。自慢と思って自慢したら自信のなさの証拠にすぎない」、
「知識をひけらかすのは、無知である」など、はっとさせられるものも。

さて、彼の新作はどんなものだろうか。
楽しみだ。

非常識なほどお金を稼ぐ人の法則―ウォール街の「超」大富豪に学ぶ
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『アメリカ最強の特殊戦闘部隊が「国家の敵」を倒すまで』


2011年9月11日、ワールドトレードセンタービルへ2機の飛行機が激突したことをきっかけに緊張に包まれた世界。
当時、ぼくは働いていたコンサルティング会社で、翌日に控えた報告会に向け、メンバーと作業を報告書の仕上げにとりかかっていた。
チームリーダーの携帯電話に、奥さんから「今すごいことが起こってるから、テレビを観て!」というメールが届いたのを受けて、会議室に置いてあるテレビを付けて、初めてことの深刻さに気づいた。
首謀者が誰なのかなど情報は錯綜し、ウサマ・ビン・ラディンという名を知ったのは、事件発生から数日経った頃だったのでは?

さて、本書は特殊戦闘部隊に入隊した筆者が、アメリカの敵であるオサマ・ビン・ラディンを殺害、オバマからヒーローとしてホワイトハウスに招待されるという内容のもの。
まえがきにあるように、一部の登場人物は仮名としたり、秘密情報に配慮した記述がされているものの、可能な限り詳細にストーリーが記されている。

特殊戦闘部隊に入るまでのSEALでの訓練内容など詳しく、軍隊の内実について知りたいのであれば読んでみる価値は高いだろう。

ただ、この本を読んで日本人だからこそ違和感を抱いた点も。

アメリカでは軍隊を題材とした映画、ドラマが多く作られ、多くの視聴者の心を捉えて離さない。
平和を維持するための戦闘は時として必要だが、どこか美化しているところが強すぎるきらいが強く感じられ、さすが軍事を通じて国が繁栄しているだけあるものだ感じさせられる内容だ。

果たして自衛隊隊員が集団的自衛権の行使に伴い海外で戦闘活動に加わり当時の経験談を本に記した場合、この本のようにベストセラーとして売れるのだろうか(本書の帯によるとアメリカでは200万部が売れたのだとか)。

家族の生命が脅かされるのであれば自分を犠牲にしてでも戦闘地に赴く気概はあるものの、とはいえ、戦闘行為が美化される価値観はぼくたちが暮らす日本では根付かないことこそが、日本を平和主義の国として世界にアピールする1つのカタチだろう。

アメリカ最強の特殊戦闘部隊が「国家の敵」を倒すまで NO EASY DAY
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『「立入禁止」をゆく 都市の足下・頭上に広がる未開地』


多くの人が暮らす都市。
多くとはどのくらいなのかというと、世界銀行の統計(2013年)によれば世界の人口の53%が都市に住んでいる(世界人口70億人とすれば35億人以上が都市に住む)。
日本は92%が住んでいる。

都市に暮らす人口の割合は、今後ますます高まっていく。
都市に人口が集中することに伴い、地方の過疎化が進展すると同時に都市開発も加速する。
そして都市開発が進むことは、新たに建てられる建造物もあれば、誰にも使われることなく廃墟となるものがあることを意味している。

都市の新たな建造物、廃墟を探検する者のことを「都市探検家」と呼び、それが本書のメインテーマだ。
本書に登場する人物は、ロンドンの地下鉄(含む廃線)、パリのカタコンベ、ラスベガスの高層ホテルなど、好奇心が赴くままに探検をする。
しかし、その裏には入念な準備や決まり事などがある。
もちろん、彼らの行為は建造物不法侵入などの罪に問われる違法行為だ。
だから、当局との間のトラブルは絶えず、当然逮捕されることだってある。
にもかかわらず、彼らは探検に値するところがあるかぎり、逮捕そして時として命の危険を犯してでも(実際にビルから落下して死亡した例など)探検に挑む。

東京に都市探検家がいるかはぼくは知らない。
皆無でないものの、限りなく少ないはずだ。

都市探検に興味がなくても本書を読むと、東京の入り組んだ地下鉄や下水道網はどうなっているのだろうかと思いが浮かんでくる。
とりわけ、皇居の下がどうなっているのか、とある検察官僚OBがテレビで話していたように緊急時の避難ルートは整備されているのかなど大いに気になるところだ。

ちなみに本書では著者・訳者がどのような人物なのかは一切裏表紙などで紹介されていなかった(訳者あとがきで著者の紹介は少々)。
amazonの洋書版をチェックすると、著者の紹介とともに彼のサイトURLが紹介されていたので、気になる人はぜひチェックを。
www.bradleygarrett.com

「立入禁止」をゆく -都市の足下・頭上に広がる未開地-
ブラッドリー・L・ギャレット
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『デザイナーとして起業した(い)君へ。成功するためのアドバイス』


デザイナーというポジションというか響きに憧れるぼくが、ずっと気になっていた本。
ようやく読んだ。

デザイナー向けに書かれているものの、内容によってはその他の仕事に携わるフリーランサーにも応用できるので、これから独立する人も、既に独立しているもののナニかを変えたい人などはぜひ手にとってみて良い1冊。
例えば、ドメインの名称(実はぼくはこのブログのドメインを何にするかで1ヶ月悩んだ)、ネットでの知名度の高め方、クライアントへの対処方法など、フリーランスを実際に経験したぼくの立場として、独立を計画している人には読んでおいてもらいたい。

さて、本書の最後の方に、ロンドンを拠点とするデザイン事務所の経営に携わっていたマイク・デンプシーの12のアドバイスはシンプルながらも大変貴重だ。
全部紹介してしまうと、本を手に取らないかもしれないので、5つだけぼくがピックアップしておく。

1.親友と一緒に事業を始めてはならない
⇒ここは判断の分かれるところ。ビジネスが上手く行けば問題は起きないかといえばそういうわけでもなさそう(分前をどうするかなど)なので慎重になりたい。

2.スタッフを増やし過ぎないように気をつける
⇒組織はコントロールできる規模にしておきたい。ぼくはせいぜい10-20人規模の組織が心地よい。

3.スタッフは慎重に選ぶ
⇒一緒に食事をして楽しいか、仕事に取り組む姿勢はどうか、単なるイエスマンでないかなど、評価ポイントは明確にしておきたい。

4.毎晩遅くまで仕事をする悪癖に陥らないこと
⇒万全な体調があっての頭脳。

5.今就いている仕事が好きでないなら、辞めること
⇒そらそうでしょ。なんのために独立したのかさっぱりわからない。

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『世界基準の交渉術』


日本のサッカー選手代理人として、有名選手のマネージメントを手掛けるスポーツコンサルティングジャパンのロベルト・佃氏が2012年に出した著書。

彼の元には長友、岡崎ら海外で活躍する日本代表選手が所属するなど、選手のマネジメント実績において国内トップクラスの実績を持っている。

選手としての価値を高めて、選手のキャリア形成などで大きな位置づけを占めるのが移籍をめぐる様々な交渉。
佃氏はこれまでの移籍交渉の経験から、交渉にあたってのアドバイスを挙げている。
特に奇をてらったようなアドバイスはないが、どれも「確かに」と納得させられるもの。
佃氏が日系アルゼンチン人として客観的でありながらも日本人の立場に立ちながら日本人の交渉のスタイルを評価している点は、日本人の感覚を併せ持たない外国人による一方的な評価に比べて説得力が高い。

ところで、岡崎は結局レスターに移籍するのか、マインツに残留するのか。
冬の移籍市場の期限はあと僅か。

世界基準の交渉術 ~一流サッカー代理人が明かす「0か100か」のビジネスルール~
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『国家の盛衰』


ぼくは歴史についてはめっきり弱い。
社会という教科が、地理、歴史、公民に分類される中でぼくが唯一得意なのは地理だけで、それ以外はめっきりだ(にもかかわらず、大学は国際政治学を専攻していたのだから、今、ぼくが高校生のぼくに声をかけるのであれば「政治学は専攻するな苦労するぞ」、もっと言うならば「苦手な文系はやめておけ」だろう)。

さて、本書、書店で平積みされているのを見て手にとった。
ギリシャ時代、ローマ時代から現代の日本、アメリカ、中国など、国家の盛衰を左右する要因について歴史の権威である著者2名がそれぞれの見解を展開している。

個人的に関心を持ったトピックが移民の扱いで、これは多くの日本人も同様なのでは?
移民の扱い方によってギリシャとローマの反映に大きな違いがあったという記述は興味深い。
これは近代・現代において、ユダヤ人の扱い方によりイギリスとスペインの繁栄に大きな影響を及ぼしたとも記述されている。

少子化に伴い人口減少が予想される日本。
移民を受け入れて人口を保ち経済規模を維持するか、それとも移民に頼らず純血でやっていくのか(純血はすでに無理だが今よりは移民は受け入れない)など、移民を巡る見解は人それぞれ。
しかし、移民を受け入れること・受け入れないことが国家、そしてぼくたちの生活・未来にどのような利益・弊害が生まれるかを理解せず感情論に陥ってしまうことは避けなければならない。
なぜなら本書で書かれているように、移民の扱いが国家の盛衰を左右する1つの要因であるからだ。

国家の盛衰 3000年の歴史に学ぶ(祥伝社新書)
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