遅ればせながら移民の暴動に気づく ミュンヘン 【11/4~11/7】

ミュンヘン 11/4~11/7
Munchenは来年開催されるワールドカップの初戦が開催されるAllianz Arenaがある街で、サッカースタジアムなどに関するビジネスに興味があるぼくとしては外せない場所だ。
また、日本でBenzと並び高級車の地位を築いているBMWの本社がある街でもある。
BenzよりもBMWが好きなぼくにとっては、これまた外せない街だ。
そして、ぼくたちは上記2箇所とFrankfurtの宿においてあったフライヤーでその存在に気づいたLego land Deutschlandへ足を運んだ。
【至ってシンプルなAllianz Arena】
日本でも人気のあるGK、Oliver Kahn率いるBayern Munchenがホームグラウンドとして利用し、また来年のワールドカップでは初戦が繰り広げられるスタジアムとして注目を集めているAllianz Arenaへ見学に行った。
Allianz Arenaはドイツの保険会社Allianzがネーミングライツを購入してその名がつけられたスタジアムであり、今後15年間その名称はファンの間で呼び続けられる。
Munchenの中心街から地下鉄に揺られて30分ほどの場所にあり、地下鉄を降りるとまさにスタジアム以外に何もないという辺鄙な場所という特徴では、横浜にあるNissan Stadiumに似ていると言えなくもない。
あいにくぼくたちがスタジアムに着いたときは英語のツアーが開催されておらず、なんだかわからないままドイツ語ツアーに参加してしまった。
これが大失敗。
ガイドが何を言っているのかさっぱりわからず、寒い中をツアーメンバーと一緒に75分もスタジアムの内外を見学した。
どの客席からも高い満足度でプレイを観戦できるスタジアムであることについては非常に高く評価できると思う。
まだ利用されて間がないからか汚れが目立たず、またAllianz以外の広告がなくけばけばしさがない点は、ピッチ上のプレイヤーをさらに引き立てることだろう。
淡いグレーで全体が塗装されているという点(床、ベンチなどすべて)がスタジアム内の落ち着きというものを保っていると思う。
スタジアム内ではワールドカップ関連ショップのほかに、Bayern Munchenのファンショップ、そしてaudiのショールームまでもが設置されていた。
audiがスタジアムにショールームを設置するというのは、実にうまい宣伝手法なのではないだろうか。
audiがスポーティというキーワードを前面に押し出そうとするのであればこれほど格好の宣伝プレースはないと思う。
でも、どうして地元のBMWではなくaudiなんだろうか?と思ってしまうのはぼくだけか。
来年のワールドカップが楽しみ。
ネーミングライツに関するレポートを発表しているのでそちらもご参考に(『日本にネーミングライツを浸透させるために』)
Allianz Arena
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昼間のAllianz Arna
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闇夜に浮かぶAllianz Arena
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Allianz Arena内部
【LEGO Land】
プライベートファンドへの売却が取りざたされているLego Landへ行ってきた。
Legoのブロックは子供のころ随分遊んだ記憶がある。
きっとぼくと同じような世代(30歳前後)の人も同様だろう。
場所はMunchenとStuttgartの間にあGunzburgという小さな町というか村。
Munchenから列車に1時間強揺られて、そこからさらに10分ほどバスに揺られたところにある。
ぼくたちは行った日はラッキーなことに、今シーズンの最終日だった(冬の間は休業)。
最終日だったからか多くの親子連れで賑わっていた。
Lego Landの入り口
lego0
園内はジェットコースターやウォータースライダーのようなアトラクションが多くを占めていたけれども、中でもぼくの目を引いたのは次の3つのアトラクション。
1つ目。
ゴーカート。
これは日本の遊園地にあるようなゴーカートではない。
自動車大国ドイツだからこそ思いつくアトラクションなのかもしれない。
小中学生がaudiのエンブレムをつけたゴーカートに乗って所定のコースを運転するもので、単に子供たちが思い思いに運転するのではなく、教習のお姉さんがマイクで「はい、曲がりましょう」や「はい、車線変更するので左手を挙げましょう」と言って、交通ルール・マナーをゴーカートに乗りながら学ぶというもの。
このような教習を小中学生のレベルで学ばせることにより、彼らが運転者の気持ちを理解し交通事故の減少に貢献するかもしれないし、またさらに彼らが免許を取る段階でもスムーズにことが進むものかと思う。
audiはおいしいマーケティングを展開しているなと痛感させられる(上記Allianz Arenaでも同様)。
ゴーカートにaudiのエンブレムをつけて、子供のロイヤルティを植え付け(子供への効果は少ないかも?)、さらにはゴーカート場の周りで我が子のドライビングを見守る親たちへaudiというものを存分にアピールしている。
「audiって社会貢献に積極的なんだな」などの評価を得、そこからaudiへのロイヤルティを高める効果を生んでいるのかもしれない(筆者の勝手な想像)。
ドイツ滞在中、audiのプロモーションはライバル企業であるBenzやBMWと比較して積極的だという印象をすごく受けた。
audiのゴーカート
lego2
2つ目。
言わずもがな、Legoはブロックであり、ブロックを組み立てる楽しさ伝えない以上は売り上げを伸ばすことはできない。
園内にはブロックで思い思いの作品を組み立てるコーナーが設置されていて、親子でブロックを組み立てたり、子供たちは組み立てたブロックの車でタイムを競い合うなどブロックを組み立てる楽しさを少しでも増して帰ってもらおうという工夫がなされていた。
ブロックは組み立ててなんぼ。
あまり知られていないけれども、Legoという企業はアナログなイメージが強いけれども、実際はネットとの融合が進歩していたりする。
ネットで作品を募って、優秀作品は商品化したりしているのだ。
ネットを通じても組み立てる楽しさを体感してもらおうという努力をしているわけだ。
3つ目。
子供や大人が組み立てて遊ぶLegoのブロックがどのような工程を経て商品化されるのかを学ぶエリアも用意されていた。
ぼくにとってはこのエリアが一番のお気に入りだった。
人形の形をしたブロックがどのような順序で人形としての形を成していくのかなどが描写されている。
ブロックに印刷されていく工程も紹介されていた。
このアトラクション、子供よりも大人に受けていた。
そしてLegoの楽しさを思い出した大人たちは、アトラクションの最後に用意された量り売りのブロック売り場を懸命に物色していたのが印象的だ(うまいところに、量り売りコーナーを設置しているなぁ)。
Legoの製造工程
lego1
Lego Landが今後誰によってどのように運営されていくのかについてはわからない。
現状ではプライベートファンドが買収し再建に乗り出すようで、個人的にはLegoの生み出す楽しさをもっと引き出すテーマパーク作りをしてもらいたいと思う。
ぼくが訪れたLego Landでは、単におもちゃ(=ブロック)を売るだけでなくブロックを通じて何かを学ぶということもスパイスとして加えられていたことが商業臭くなくそして実に心地よく、これこそがまさにテーマパークだと思わせる作りだった(商業臭くないからこそ経営に行き詰った?)。
Lego Land内のトイレの看板
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【イマイチディスプレイに魅力が欠けるBMWミュージアム】
冒頭でも記したとおり、MunchenはBMWなくして語れない街だ。
ぼくの記憶が正しければだけれども、BMWはBayerische Motoren Werkeの略だ。
日本語に訳すと、「バイエルン州の自動車工場」といったところ。
実になんのひねりもない。
ちなみに、Volks Wagenとは和訳(直訳)すると「人民の車」といったところ。
ぼくが生まれる前に開催されたMunchen Olympic会場近くにBMWの本社はあり、そのビルはエンジンのシリンダーの形をしている。
BMW本社
bmw2
あいにくBMWミュージアムは改装中であり、臨時に設置されたものをぼくたちは見学。
入り口でまずびっくり。
Benz、Porscheでは無料で見学できたミュージアムなのに、BMWでは2ユーロも徴収されたこと。
意外と渋ちんだなあという印象。
中の展示についても臨時だからなのかどこか物足りない様子。
既に見学した2社と同様、BMWの歴史をずっと辿る内容の展示だった。
他の2社と異なる点はというと、エコカーについての紹介があったこと。
ほかの2社は最新技術に関する紹介がかけていたのに対し、BMWでは辛うじて水素をエネルギー源とした車両の紹介がなされていた。
全体的には2ユーロ徴収するような内容ではないし、たとえ無料であってもファンを新たに生み出すほどの展示内容ではなかった。
BMWファンのぼくとしては、少々残念なミュージアムだ。
新しく作っているミュージアムで名誉挽回してもらいたいところだ。
なお、Munchenの繁華街近くにあるショールームは充実している。
BMW Group
bmw1
人気の車
bmw4
歴代のBMWカーの中で来館者の心を最も捉えていた車
次世代車へのアピールも
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【Paris is burning】
安宿を転々としているぼくたちは、危険なことに時として世間の情報に疎いことが多々ある。
今回もそのことを思い知らされた。
Munchenに泊まっている間に、Parisを中心としたFrance各地でイスラム系移民の暴動が繰り広げられているということを朝食中に知ったのだ。
時間にして1週間ほどの遅れ。
かつて、暴動が激しいJerusalemにバックパッカーのカップルがのこのこと乗り込んで、世界の嘲笑を買っていたけれども、インターネットが発達しておらずニュースがなかなか届かなかったのだろうかと思うと、ある種同情してしまわなくもない。
それほど、日々世界はめまぐるしく変化し、そしてその情報を瞬時にキャッチできていないと途端に危険な目に遭うかもしれないのだ。
ぼくは今回の暴動については一部の情報にしか目を通していないのでなんとも言えない。
Frankfurtでも書いたように、移民問題についてはぼくたち日本人にとっては決して他人事ではない。
Tom Clancyの小説のタイトルじゃないけど「今、そこにある危機(原題:Clear and present danger)」なのかもしれない。
今回の暴動に関しては大きく2つの立場の意見が取り上げられている。
移住先で満足に生活できない移民、移民を受け入れている国民。
個人的にはもう2つの立場の人々の意見を聞いてみたい。
移民の出身国(中近東、北アフリカ)の人たち、移住先で成功している人たち。
去年、新婚旅行で行ったキューバの現地ツアーで出会ったParis在住のケバブ屋のおやじ(彼は大成功者!)はどのように考えているんだろうと妻とつい話題にしてしまった。
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