確信犯的な放送禁止CMが注目を集める矛盾 Super Bowl CMから


アメリカでSuper Bowlが開催された。
例年通りテレビで放映されるCMには試合前から高い注目が集まり、YouTubeでも多くが公開されていて、もはやSuper Bowlの放送時間というものに価値があるのではなく、「Super Bowlで放映されること」自体によりいっそう価値が生じる事態に移りつつある。
そして、早速放映されたCMはネット(http://www.iFilm.com)でも大々的に紹介され、Web2.0色を打ち出して評価・コメントが自由にユーザーが行える仕組みが提供されるなど、どのCMの人気があるのかが一目でわかる。
じゃ、どの作品に人気が集まったのか。
閲覧数を元に評価してみると、実は刺激的などの理由から放映されなかった「裏」作品(http://www.ifilm.com/superbowl/18546)が大人気なのだ。
ぶっちぎりの閲覧数。
テレビで公開されなかったからという理由が、視聴者のスケベ心をぐっと掴んでいる。
確か去年も「裏」で注目を集めたGoDaddy.comが今年も「裏」に分類されて知名度向上に拍車をかけるという皮肉な結果に。
また、Miller Liteのように「裏」と「表」でうまく作品をつなげて話題を集めようというこれまた確信犯的な作品もチラホラ。
「裏」のほうが注目度が集まるということで失うものが少ない新興企業は確信犯的に「裏」へ進出し、一方でそれがために「表」の注目度が相対的に低下してSuper Bowlに出稿する意義が薄れるようだとお堅いイメージを保ちたいエスタブリッシュな企業が「表」から退出し、CM枠そのものに対する価値がゆがんでしまう可能性は今後生じるかもしれない。
インターネット・ブロードバンドが普及するまではビデオ録画したもの(当然「裏」の存在を知る由もナシ)が狭い範囲で広がっていたものに対し、近年の社会で「裏」をも含めた作品が不特定多数にまるで伝染病にかかったように一気に伝播するのである。
また、範囲以外でも時間軸での広がり(サーバーから削除されない限りなどは伝播が容易)も大きいことは忘れられない。
マーケターにとって、「裏」というのが時として大きな効果(評判を落とすリスクはあるが…)を生むという良い事例なのではないだろうか。
なお、CM作品としての質はカンヌに出展されるものどうよう低下傾向にあり、おもしろい脚本のものはますます少なくなってきた(映画のパロディ(「氷の微笑」、「キリング・ゾーイ」、「マトリックス」など)をされても…)。
やや飛躍しているかもしれないけどハリウッドの映画がつまらないと感じるのもこんなところから感じることができる(スパイク・ジョーンズ、ターセムなど一時期CMクリエイターがハリウッドに進出してた)。


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