Penetrated Microsoft 侵食されるマイクロソフト

MicrosoftがYahoo!に買収を仕掛けるという話が上がっていくつかの記事やコメントを読んでみたところ、どちらかというとMicrosoftの戦略に対して否定的な意見が多かった印象がある。
かくいうぼくも「?」と思わずにはいられない。
すでに(グローバル規模で)検索エンジンのシェアの大半を奪っているGoogleに対抗するためにYahoo!を買収するのは遅すぎる(以前も買収の動きはあったが…)し、ネット広告ビジネスの強化といっても説得力に乏しすぎる。
Vistaはパッとしないし、iPodに対抗すべく投入したZuneも発売されたのかどうかすらわからない状態。
XBOXはアメリカではそこそこ売れているらしいけれども、グローバルな規模ではあまりピンとする売り上げを記録していない(アメリカではHALOがあたったお陰!)。
近年、これといった爆発的なヒットに恵まれないながらも、ビジネスシーンではデファクトスタンダードとしての地位を築いたMicrosoftだが、じわりとMicrosoftの圧倒的な牙城が崩れつつあるのはまだ一部の人しか気づいていないはず。
かなり「じわり」感があるけれども、近年のMicrosoftが侵食される(Penetrated)様子をオペレーティングシステム(OS)、インターネットブラウザー、そしてYahoo!との合併で盛り返そうとしている検索エンジンの分野で見てみよう。
なお、データの出所はすべてMarket Share
【オペレーティングシステム(OS)】
OSの世界シェア推移
2007年3月に93.4%シェアが2008年1月には91.46%まで下落。
OSのシェアは安泰ではあるけども、Windows XPなどで止まっていてVistaに買い換えようとしないユーザーが多いことは、ビジネス的な観点からしてMicrosoftにとってはおいしくないはず。
【インターネットブラウザー】
インターネットブラウザーの世界シェア推移
2007年3月に78.8%シェアが2008年1月には75.47%まで下落。
まだまだ、余裕は十分あるけれども、下落している事実は見逃せない。
【検索エンジン】
検索エンジンの世界シェア推移
Googleを追いかけるにも遠すぎる。
Google以外の会社が束になってもかなわないわけで、違う土俵をMicrosoft自らが作って勝負を仕掛けるべきで、Yahoo!と一緒になったところで所詮Yahoo!の救済でしかなく、Microsoftにとってのメリットが見えにくい。
OSの買換え需要が弱く、インターネットブラウザーではお金にならない点から、検索エンジンを通じて広告収入を増やしたいMicrosftの気持ちはわかるけれども、ネット広告ビジネスだっていつまで続くかわからないと予測するぼくからすると、Microsoftはもやはイノベーティブではなく、季節外れの果物を追いかけるパックマンでしかないのかも。
どうせならSonyを買収するほうがMicrosoftにとっては合理的な印象を持つのはぼくだけだろうか。

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