効率よく広告宣伝費を使っている会社はどこ?

企業などが広告を出す目的はなにか。
新商品の告知(売上up)、企業イメージの向上、社員のプライドの高揚などいろいろ。
広告効果なるものもそれぞれの目的が果たせたかどうかの観点から測定されてしかるべきだと思う。
マーケティング分野のAIDMAの法則に当てはめると上記に挙げた目的は最後の”A”に該当するものだろう。
そしてその過程にある”A””I””D””M”は、広告で当てはめると「広告を見たことがある」とか「広告に好感が持てた」「広告を見て商品が欲しいと思った」などに該当するのでは。
そこで、データを拾ってきて広告の効果の前段階までで一般消費者から反応がよいのはどの会社なのかを調べてみた。
分析に活用したのは『日経企業イメージ調査』と『有力企業の広告宣伝費』で発表されているデータ。
分析対象は、『有力企業の広告宣伝費』で広告宣伝費上位10社(単体)に入る企業。
まずは広告宣伝費をたくさんかけたら、多くの人の目に留まり印象に残っているかという観点からまとめたグラフ。

広告宣伝費を最もかけているのが、トヨタ自動車。
にもかかわらず、広告接触度が最も高いのが松下電器産業(現パナソニック)。
ということは、トヨタはお金をかけているわりに、露出が効果的には行われていない(※極めて劣っているわけではない)ともパナソニックが支出のわりにうまく露出が図れているとも言える。
トヨタの同業である日産のパフォーマンスが良い点は決して見逃せないのでは?
次が、広告宣伝費をかければ、広告好感度があがるかという観点からのグラフ。
※イトーヨーカ堂は「広告好感度」のデータなし。

先のパナソニックは、露出が図れているものの好感度という観点からはさほど評価できない結果に。
そして、広告宣伝費と好感度の関係からこのましいパフォーマンスを見せているのが、吉永小百合をメインキャラクターにも使っているシャープ(個人的にシャープと吉永小百合のイメージに親和性があるとは思えないが一般消費者が認めているのであればそれでOK)。
そして、最後が、広告の露出と印象の関係を示したグラフ。

広告接触度(横軸)”250″と”200″にそれぞれデータが集まっていて、その中で印象の良し悪しがわかりやすくて大変助かる。
このグラフを見てみると、トヨタの広告は露出も印象も良いということが判明し、最初のグラフで示された広告露出のコストパフォーマンスの多少の見劣りをカバーできていると評価ができる。
意外だったのが、消費財メーカー大手の花王の広告評価が高くないこと。
また、KDDIも評価が高くない(以前はもっと評価高かった?)。
企業の広告宣伝に対する姿勢がシビアになる中、自社の広告宣伝費が有効活用されているのかを公知資料から簡単に評価してみるのはどうだろう。
高いお金を使って専門家の評価を仰ぐのはその後でも良いはず。
同業他社とどのように異なっているのか、自社は広告宣伝費を増やすべきなのか、また増やすのであってもどのようなコミュニケーションを広告で図っていくのかなどの観点を社内で話し合ってみると、新たなコミュニケーションの道筋が見えてくるはずでしょう。

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