福島原発事故の長期化が招く「強制的鎖国時代」

日本はかつて鎖国していた。
それは、日本が自ら選択して外国からの交流を避けるという「任意の鎖国」だった。
先日の大地震に端を発した福島原発の長期的な放射性物質の放出は近隣諸国にも多大な被害をもたらし、既に日本からの食物などの輸出物について禁輸措置を講じている国もある(時事通信の記事)。
福島原発の事故により、かつての「任意の鎖国」が、「強制的な鎖国」という形に変化するかもしれないという極めて悲観的なシナリオがふと頭に浮かんだ。
食物のみならず、日本国内で生産されたあらゆる製品(自動車、家電など)も同様の措置がとられるかもしれない。
また、輸出同様、輸入も大きな被害を受ける可能性も予想に難くない。
日本のパスポートを持っていることで入国拒否をされたり、楽観的なシナリオでも検知に合格しないと入国を許可されないというケースも想定できる。
チェルノブイリのように大陸で起きた事故であれば、住民は近隣諸国への逃亡が日本と比較して容易ではあるものの、四方を海に囲まれた日本では他国への脱出もままならない。
どの国にいってもほぼフリーパスだった日本のパスポートはジャンク同然のものになってしまうのだ。
海外からのエネルギーを確保し、商品を輸出して利益を生み出すというこれまでの日本の経済を構成していた循環が機能不全に陥る上、国民は放射性物質による汚染で痩せた土地に閉じ込められるという「強制的な鎖国」においやられる時代がやってくるのかもしれない。
上記のような「強制的な鎖国」を避けるために、東電には死ぬ気で対処して欲しい。
今、日本の将来を担っているのは政府ではなく、東電であり、国民は彼らの奮闘にしか望みを託すことはできない。

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