メディアからの取材のあり方について再考

今日、仕事に絡む取材依頼が来た。
ビジネスマンであれば誰でも知ってるビジネス誌からだ。
「○○について取材させていただきたく、お願い可能な日時をご教示ちょうだいね」という内容のメールが届いた。
で、早速取材対応可能な日時を記載し、「協力するけどフィーは貰うよ」と記して返信。
すると、「謝礼は払わないことになっているのでなかったことにしてね」と返ってきた。
ラジオ、テレビは取材について謝礼を払うのに、なんで新聞、雑誌って取材の謝礼を払わないんだろう。
これっていつも。
納得できる理由があるなら教えて欲しい。
そもそも別にこちらは取材されなくてもいいし、
無料でコメントを提供する筋合いはないと思ってる。
謝礼を払うラジオ・テレビからすれば不公平だ。
ところで、ぼくの好きなエピソードにこんなのがある。

“カフェで“ピカソ”を見つけた婦人が、私をスケッチしてくださる?と頼んでみた。
“ピカソは快諾し、サラサラと絵を描き上げた。婦人はピカソ”に、いくらで絵を譲ってくれるか聞いた。
5000フラン、と“ピカソ”は答えた。「5000フラン! …たった3分かかっただけで?」という婦人に向かって、
“「いいえ」“ピカソ”は言った。「私はここまで来るのに一生を費やしたのです」”

ま、これとおんなじ感じのが取材にも当てはまるわけで、
こっちはそれなりの知見を得るためにそれ相応の時間を割いたわけであって、
それに対して無料でハナシを聴いて、
さらにそのハナシを元に(読者から)金を取ろうというのは都合がいい。
著作権だのと権利を主張するのであれば、
同様に他社の権利への尊重はするのが筋というもの。
「新聞・雑誌は名前が出て宣伝してやるんだ」という姿勢であれば、
それは大きな勘違いだ。
だって、新聞・雑誌に載ったところで、
取材に協力したこちらには宣伝効果はほぼ皆無というこれまでの経験が蓄積されているんだから
(よっぽどマイナーなウェブでリンクを貼ってもらうほうがマシ)。
あまり「金、金」と言うのも窮屈だけど、一方で仕事である以上けじめも必要と思うわけで、
取材や相談に対するあり方については引き続き大切に考えていきたいし、社会にも考えてもらいたい。

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