『天才たちの日課』

天才って言われてとっさに頭に思い浮かぶのは誰だろう。
ぼくの頭に真っ先に浮かんだのはレオナルド・ダ・ヴィンチ。
あいにく、本書にはダ・ヴィンチの日課は紹介されていなかったものの、161人の文筆や芸術で偉大な実績を残した天才たちの日課が紹介されている。

それはさておき、仕事の昼休みにふらっとスターバックスに行って手軽な本を読む一時は心がずいぶんと安らぐもんだ。

読んでみての感想。
天才って奇想天外なのでは?との先入観を打ち破るほど、思いのほか普通の人が多い。
規則正しく朝起きて、作業を3時間ほどしてから昼食を摂り、午後も作業をして散歩(人によっては2,3時間も!)をし、夕食を家族揃って摂ったあとは、読書なりして就寝。
こういう人が多い。
朝型と夜型のどちらが多いという傾向もなければ、独身と妻帯者のどちらが天才なのかという傾向もない。
ただ、現代社会を基準に考えると、家に下人がいるように裕福な人が多い印象(道楽の延長で天才的な作品が誕生する土壌が整っていたと解釈することはできなくもない)。

個人的にこの本を読んだからといって自分の内面に何か変化が生じたわけではない。
せいぜい、少々インテリなタブロイドのような位置づけにすぎない(他人のプライバシーを覗いているのだから)。
けれども、それを超越した面白さがこの本にはある。

ちなみに、紹介されている全161エピソードの中で読んで欲しいのがフランスが生んだ哲学者ルネ・デカルト。
彼のエピソードを読んで、考えさせられるところがあるが、それをここで明かしてしまうとエピソードの面白さも半減するので割愛しておく。

天才たちの日課  クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々
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