『アメリカ最強の特殊戦闘部隊が「国家の敵」を倒すまで』


2011年9月11日、ワールドトレードセンタービルへ2機の飛行機が激突したことをきっかけに緊張に包まれた世界。
当時、ぼくは働いていたコンサルティング会社で、翌日に控えた報告会に向け、メンバーと作業を報告書の仕上げにとりかかっていた。
チームリーダーの携帯電話に、奥さんから「今すごいことが起こってるから、テレビを観て!」というメールが届いたのを受けて、会議室に置いてあるテレビを付けて、初めてことの深刻さに気づいた。
首謀者が誰なのかなど情報は錯綜し、ウサマ・ビン・ラディンという名を知ったのは、事件発生から数日経った頃だったのでは?

さて、本書は特殊戦闘部隊に入隊した筆者が、アメリカの敵であるオサマ・ビン・ラディンを殺害、オバマからヒーローとしてホワイトハウスに招待されるという内容のもの。
まえがきにあるように、一部の登場人物は仮名としたり、秘密情報に配慮した記述がされているものの、可能な限り詳細にストーリーが記されている。

特殊戦闘部隊に入るまでのSEALでの訓練内容など詳しく、軍隊の内実について知りたいのであれば読んでみる価値は高いだろう。

ただ、この本を読んで日本人だからこそ違和感を抱いた点も。

アメリカでは軍隊を題材とした映画、ドラマが多く作られ、多くの視聴者の心を捉えて離さない。
平和を維持するための戦闘は時として必要だが、どこか美化しているところが強すぎるきらいが強く感じられ、さすが軍事を通じて国が繁栄しているだけあるものだ感じさせられる内容だ。

果たして自衛隊隊員が集団的自衛権の行使に伴い海外で戦闘活動に加わり当時の経験談を本に記した場合、この本のようにベストセラーとして売れるのだろうか(本書の帯によるとアメリカでは200万部が売れたのだとか)。

家族の生命が脅かされるのであれば自分を犠牲にしてでも戦闘地に赴く気概はあるものの、とはいえ、戦闘行為が美化される価値観はぼくたちが暮らす日本では根付かないことこそが、日本を平和主義の国として世界にアピールする1つのカタチだろう。

アメリカ最強の特殊戦闘部隊が「国家の敵」を倒すまで NO EASY DAY
マーク・オーウェン ケヴィン・マウラー
講談社
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