MicrosoftのBill Gatesが12/6~12/9の4日間、インドを訪問している。
そしてその模様は連日テレビ、新聞にてヘッドラインで報道されており、インドのIT事業に対する関心の高さをうかがわせる一幕でもある。
今ぼくはBangaloreに滞在しており、この原稿を12/9に書いている。
Bill Gatesのインド滞在最終日にあたる日だ。
昼頃にテレビのスイッチをつけると、Bill GatesがChennaiを訪問している様子が映されていた。
まだBangaloreを訪れていない。
ぼくはBangaloreを訪れるに違いないと踏んでいた(新聞を後で読み返してみるとBill GatesがBangaloreを訪れることが明記されていた…)。
なぜなら、ここBangaloreでは12/9~12/11の3日間にかけて、”DIGITAL Lifestyle 2005“が開催されるからだ。Microsoftのプレゼンスをアピールするには絶好の場所であり、Bill Gatesが講演するとなれば多くの人が会場を訪れ、各種マスコミを通じてMicrosoftのビジョンが伝わることが期待できる。
オートリキシャーに乗り、”DIGITAL Lifestyle 2005″が開催されているPalace Groundへ向かった。
Bangalore Palaceの側にあるグラウンド(空き地)であり砂埃が舞うインドらしさ漂う場所でもあった。
Palace Groundの門には”Welcome Bill Gates”の垂れ幕がたなびいており、これを目にしてBill Gatesが会場にやってくることを理解できた。
敷地の中に体育館程度の大きさの建物があり、その中で”DIGITAL Lifestyle 2005″が開催されていた。
“DIGITAL Lifestyle 2005″の会場入り口
入場料は49Rs(約130円)。
Webを通じて事前申し込みをしていたのなら無料だったかもしれないが、有料でも130円程度とはさすがインド、物価が安い!
日本で同じようなテーマの展示会が開催されるのであれば少なくとも入場料は1,000円かかってしまうだろう。
スタッフにはこの展示会のために作ったであろうTシャツが用意され、運営は滞りなく行われていた。
さて、会場に足を運んでみると、会場のサイズが小さいことから参加企業の数も限られている。
せいぜい20社程度だろうか。
参加している企業の大半が外資系企業(アメリカ、日本、台湾)であり、彼らが会場の大半の場所を占めておりインド企業のプレゼンスは驚くほど小さかった。
なお、参加している主な企業は、
Microsoft、HCL、Sony、Canon、NEC、Epson、Lenovo、Acer、Intel、Sansuiなど。
金曜日の午後だったこともあり来場者数は決して多くなくどこか盛り上がりに欠けるところがあったことは事実だ。
来場者のほとんどすべてがインド人の業界人であり、黄色人種のぼくは異色だった(白人はゼロ)。
幕張メッセで同様の展示会を開催すれば自社のマーチャンを配ったりイベントコンパニオンが来場者に声をかけてアンケート協力を依頼するシーンを目にするものの、こちらBangaloreにおいてはマーチャンを配るわけでもなくイベントコンパニオンでなく各社の営業担当者自身控えめに来場者へ声をかける程度だった。
街中を歩いていると押しの強いインド人に面食らうことが多いのに、この会場にいる営業マンは至って静かでありインドらしくない点でもあった。
展示内容に目新しさがなかったのが何よりも残念だった。
各社、薄型ディスプレイやノートPC、デジカメの展示にとどまっており、”DIGITAL Lifestyle””のテーマに魅力を感じて訪れたぼくにとっては少々物足りなさを感じずにはいられなかった。
それでも来場したインド人の間ではデジカメが人気らしく、Sonyのブースに用意されたCyber shotへは人だかりができていた。
Braviaへは人だかりはできていなかったが。
Sonyのブース
他に人の入りがよかったのはComputre Kitchenという会社の展示。
手書き入力のソフトを紹介しており、インド人が書く癖のあるアルファベットにも対応できることをアピールしていた。
ただし、この会社の商品もぼくが期待した、”DIGITAL Lifestyle”にはほど遠い内容であったことは間違いない。
“DIGITAL Lifestyle”というテーマに対して、もっとも正面から応えようとしたのが展示会のメインスポンサー企業でもあるMicrosoft。
メインスポンサーというポジションを活かし、自社だけ特別にブースを囲い他社との差別化に努めていた。
そして、ブース内にはベッドを置くなど「生活」とITとの融合に向けて努めていくという姿勢が感じられたが、具体的なソリューションについては紹介されていなかった。
そして最も目を引いたのが、彼らの、”DIGITAL Lifestyle”に対する認識を示すキーワード。
“Have more fun”、”Get more done”、”Stay in touch”。
他社では残念ながらキーワードによるコミュニケーションにインパクトがなかったので、Microsoftのこのキーワードが目立ってしまった格好だ。
Microsoftブース内のキーワード
手ブレが激しくてスミマセン。
インドでの所得レベルが各社の提供できるソリューションレベルに対応できていないのか、展示全体を通じて”DIGITAL Lifestyle”によって何が実現できるのかという踏み込んだ部分への提案に欠けていたように思える。
幕張メッセで5年ほど前に開催された展示会のほうが先を進んでいた。
まだデジカメ、薄型テレビなど「モノ」を売るというレベルにあるのがインドという市場が持つレベルなのかもしれない。
そして「ソリューション」を売る時代はいつ訪れるのか。
このポイントこそ各社の戦略転換点であり、今後のインドでプレゼンスを保つためのスタートポイントでもあるのかもしれない。
Bill Gates
講演が終了すると拍手が鳴り止むまもなく車に乗り込んだ。
出待ちをしているユーザーに手を振るというシンプルなサービスでもすればMicrosoftへの評価も随分変わると思うんだけど。
Steve Jobsとの大きな違い。
Bill Gates来印に関する連日の報道内容(”The Times of India”)
※各日付は新聞発売日でありイベントが起こった日ではない。
12/7
2006年1月、Bangaloreにイノベーションセンターを開設することを発表。
12/8
Infosysの会長とテレビで対談
インドに17億ドル投資することを発表
x-boxを18ヶ月以内にインドで発売することを発表
12/9
ChennaiにあるTB Sanatorium(AIDS ワクチン研究所)訪問
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