日経平均が16,000円を超えて、昨年の取引は終了した。
ライブドアによるニッポン放送の買収事件をきっかけに、国民の株式に関する関心は非常に高くなった。
経済教育でアメリカに比べて遅れているといわれる日本だけれども、去年1年で多少なりともその差を縮めることができたと評価できる。
でも、それと併せて国民全体にあまりにも「金、かね、カネ」という思想が蔓延してしまった。
テレビをつければ株式番組が放映され、個人投資家が特集を組まれて紹介され「いくら儲かったか」を競っている。
昔は、「株なんてバクチ」だという解釈がまかり通り、お金の話を人前ですることは決して美しくないという価値観が存在していた。
なのに、去年1年間で日本を覆う「金」に対する国民の価値観はがらっと変わってしまった。
今後、日本は金持ちが偉く、貧乏人は愚かという社会に進んでいくのだろうか。
2005年の金に対する国民意識の変化を通じ、日本の未来が心配になってしまった。
マスコミをはじめとした情報の発信源が「右だ!」と言ったら、国民のほぼ全員が右を向くという日本の文化、大いに見直すべきなのではないだろうか。
少しでも「右と言っているけど、本当かな。左じゃないかな?」と個人で考え判断する能力・癖が必要なのではないだろうか。
でないと、一部ではバブルとささやかれている株式市場は修復不可能なほどのダメージを被る可能性だって否めない。
「金、かね、カネ」主義の蔓延から、2つのことを憂いてみた。