「CSR活動に積極的かつ中身の濃い活動を行っている⇒いい会社でありよい投資対象」というロジックへの一考

昨日、SRIについての勉強会に参加してきた。
ゲストスピーカーは醤油などで有名なキッコーマンのCSR活動リーダーの方。
CSR活動に全社的に取り組むようになった背景や具体的な取り組み内容などについて、お話をしてもらった。
勉強会に先立ち、CSRについての勉強を少々していったものの、勉強会に参加して改めてCSRがもたらす効果についての考えがまとまりつつある。
一般的にCSR(Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任))はその字のごとく「社会」に向けた活動と理解され、たとえば環境対策や地域貢献などが具体的な活動内容として認知されている。
そしてSRIとはCSR活動に積極的な企業に対し積極的に投資する手法である。
で、ここからようやく本題。
ぼくは勉強会に参加する前から、「CSR活動に積極的かつ中身の濃い活動を行っている⇒いい会社でありよい投資対象」というロジックには少々違和感を持たずにはいられなかった。
企業とは、営利目的の元に成り立っている組織である以上、経営状況というものが絶えず評価される存在で、さもすればボランティア的な意味合いの強いCSR活動はむしろ経営上無駄な存在なのでは?と突っ込みたくなったからだ。
でも、昨日の勉強会で「CSR活動に積極的かつ中身の濃い活動を行っている⇒いい会社でありよい投資対象」がしっくりくるロジックがなんとなく見つかった気がする。
CSR活動をそもそも誰が主導で行うのかというのは、事前勉強で読んだ『CSR入門―「企業の社会的責任」とは何か』によると重要らしい。
CSR活動がイマイチ効果的に行えていないところは経営トップのリーダーシップが働かず、担当レベルに放り投げられて業務として取り組む傾向が強いらしい。
一方で、効果的に行われている企業はと言うと、経営トップ自らが、全社員を巻き込んでCSR活動の推進に取り組むのだとか。
要は、経営トップのリーダーシップがいかんなく発揮されるかという点が、CSR活動が効果的に行われているかどうかで判断できる。
また、昨日の勉強会で触れられていたのが、CSR活動(たとえば、小学校に出向いての食育についての情報提供)が組織横断的に(経営企画部、IR部のほか営業や製造などを巻き込む)行われるかも重要な点だろう。
同じ会社で働いていても、部署が違ったりしてなかなか互いの仕事内容を理解することは難しい今、CSR活動を通じて社内の横のつながりが強化され、業務でのコミュニケーションが円滑に行えるようになるのはなによりも貴重な財産だと思う。
仕事は人がいなければ成り立たないもので、コミュニケーションの円滑化が促進されるCSR活動というものは、企業の競争力強化においては重要な活動だと評価したい。
また、昨日の勉強会の中で、CSR活動を通じて社員が認識したメリットとして「自分の仕事に誇りが持てるようになった」という意見が紹介されていて、こうした意見が自然と出てくることも、CSR活動のまた大きな効果なんだと思う。
そして、自分の仕事に誇りを持った社員が前向きにかつ長期にわたって仕事に取り組むことは、(特に若者の)離職に悩む経営者にとっては大いに参考にすべきケースじゃないだろうか。
長々と書いたけど、「CSR活動に積極的かつ中身の濃い活動を行っている⇒いい会社でありよい投資対象」というロジックをより納得のできるように書き直すなら、「CSR活動に積極的かつ中身の濃い活動を行っている(=経営者のリーダーシップが確立されている&社員のコミュニケーションが活発)⇒いい会社でありよい投資対象」というように「CSR活動に積極的かつ中身の濃い活動を行っている」についての具体的な内容を書き添えてあげるとよい。
そうすると、「あぁ、CSR活動への取り組みを通じて、企業の姿勢や競争力が理解できるのね」と本質をついた理解ができ投資スクリーニングを行う上で有益なのではと、昨日の勉強会に参加してみて改めて考えてみた。
各社のCSR活動について報告書以外の部分で触れてみたいのなら、ぜひ「ilmil いるみる」を。
◆「ilmil いるみる」で紹介されているキッコーマンの見学施設◆
  キッコーマン もの知りしょうゆ館
  キッコーマン 高砂工場
  北海道キッコーマン㈱

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  1. 企業専門館『キッコーマン』

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