三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社とヤフーバリューインサイト株式会社が提供する生活者情報マーケティングデータサービス「C-NEWS」が、10/4に「2007年スポーツマーケティング基礎調査」結果を発表した。
その調査結果の中でネーミングライツの認知度に関するアンケート結果も紹介されていたので早速、契約金額に見合った認知結果を生み出しているのかについてみてみよう。
まずは、「2007年スポーツマーケティング基礎調査」を参考に図1の通り各球場・スタジアムの認知度をグラフでまとめてみた。
野球場は茶色、サッカー場は緑で表示しており、結果を見ると野球場のほうがネーミングライツの浸透が進んでいると把握できる。
【図1】
では次に、各球場・スタジアムの認知度と観客動員数の関係はどうなのかをまとめたのが図2。
なお、各観客動員数は球団やJリーグが発表しているものを参考にしているが、コンサートなどの興行のデータは含まれていないのであしからず。
図2から、観客動員数と認知度の間にはある程度の相関関係があることがわかり実際に計算しても0.83と実に高い相関係数がはじき出された。
したがって、年間試合回数の多いJリーグは認知度の面でやや不利な状況にあるということもできるでしょう。
【図2】
図3では、契約金額と認知度の関係をまとめてみた。
この図からは、契約金額に対してどの球場・スタジアムが投資に見合う効果が出せているかや一方で投資効果を充分に発揮できていないのはどこかを導き出すことができる。
契約金額4.7億円の日産スタジアムは認知度が40%程度であり、図3を参考にすると契約金額としてはおよそ2.5億円程度の効果しか発揮できておらず、少々お高い契約だと評価できる。
【図3】
以上のように、ざっとネーミングライツの認知度と金額などの妥当性などを数字を使ってみてみた。
ネーミングライツの契約金額の妥当性については、導入を検討している施設および契約を検討するスポンサー双方で曖昧でどことなくエイヤァ!でやっている部分がなきにしもあらずだけど、データを活用すればだいたいどれくらいの金額が妥当なのかがわかるはずだと思う。
ネーミングライツの金額算定にあたっての認知度・観客動員数という一側面からの評価ではあるけれども、施設運営者にとっては数字を使いスポンサーを納得させられる金額を提示できるかが今後の導入にあたってのカギだと言うまでもない。
Good Luck!