サッカーをもはや体で楽しめなくなったあなたにこそオススメな一冊

昔のような体力に任せてボールを追いかけるのではなく、省エネしつつおいしい場面だけヒョッと出現するプレイに徹しているぼく。
サッカー、もしくはフットサルの話。
あまり身体能力が優れていないぼくは、どちらかというと昔から頭を使ってスポーツを楽しむことが多かった(高校時代のアメフトはまったく貢献できなかったけど・・・)。
そんなぼくが大いに楽しむことができた本が『4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書 343)』。
サッカーのシステムにまつわる話がこれでもかと書かれている。
ジダンやロナウジーニョをいったスーパースターを擁したチームが敗れてしまう理由をシステムをベースに解明している。
もちろん、サッカーとは長方形のフィールドの中を22人の選手が戦い、身体能力・サッカースキルがモノを言うスポーツであるものの、システムが勝敗を左右する場合があることもある。
だから、システムありきでサッカーを語る気はない。
ただ、どんなにスーパースターを揃えたところで、システムに欠陥があれば敗れてしまうことだってある(野球で例えるならば、いつもFAで巨額の投資を行う某チームをイメージすれば判り易い)はわかってもらえると思う。
トルシエ、ジーコ、オシムのサッカーを解剖し、どこに欠点があるがために日本のサッカーが成長できないでいるのかもシステムという切り口から切り込んでいる。
もちろん、著者の提唱するシステムこそが日本の採るべきものではないと思う。
タレントがいないのであれば、理想のシステムを導入しても機能しないのは明らかだし、
ならば現有のタレントを活かし、敵のゴールにボールを突き刺すことができるシステムは何か?を考えることが必要で、システムとタレントは両輪として互いに成長していかなければならないとぼくは思う。
相手の強みも打ち消すシステムも必要なわけで、柔軟なシステム変更に対応できるタレントを揃えることは、確かに求められるだろう。
こういった点ではオシムの掲げた「ポリバレント」はそれまでの前任者にない発想に映ったわけだが、その発想も新たな監督となって停止しそうな印象を受けずにはいられない。
今月末にはヨーロッパ組も交えてキリンカップに臨む日本代表。
日本代表の試合に向け、ぜひこの本を読んでおいて損はないはず。
これまでと違う試合観戦の楽しみを持てるはずだし、体力に自信がなくなったオジサンサッカーファンにとっては話が盛り上がること間違いなし!
早速、フットサルの仲間に遅ればせながらオススメしておくか。

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