昨日、京王百貨店新宿店の
『寺門ジモンのフードパーク マジ! ウマすぎ!! 夢の特選グルメ大集合』に行ってきた。
休日ということもあり、催し物会場は熱い熱気に包まれていた。
展示会や工場見学などで流行るブースとそうでないものの違いを日々観察している者として、
熱気に包まれた会場の中でも行列のできる店とそうでない店の存在は大いに興味がそそられた。
会場の中で、とある都内の有名肉レストランが気になった。
ジモンがテレビで頻繁に紹介する店で肉好きには名の通った店だ。
にもかかわらず、ぼくが会場にいた間は一度も行列ができず、
目玉商品が売れる様子は見られなかった。
目玉商品よりもサイドメニューのビールのほうが
たくさん売れたのではというほど。
では、なぜこの名店に行列ができなかったのだろうか。
マーケティングの4Pの中でも、
とりわけProduct(商品)に大きな見込み違いがあったのが
原因だったとぼくは推測している。
Productの中でマズイと思った点を以下3つ。
1.珍しくない!
フードショーへ足を運ぶ人は食に対する関心が世間一般よりは高い。
そうした人たちがわざわざ足を運んででも食べたいものか。
たとえば、「東京初進出」であればその希少性から高い注目をあつめることができる。
けれども、件の店の目玉商品に限ってはイベントで食べるほどの目新しさはなく、
来場者が限られた胃袋に真っ先に入れたくなるようなものではなかった。
店舗で食べるものと何がどう違うのかがさっぱりわからなかった。
2.立って食べるには向かない!
催し物会場の中には、座って食べるスペースが極めて限られていた。
したがって、商品を購入したものの立って食べる不安が来場者の頭に霞む。
こうした来場者の不安をかき消すような商品。
すなわち、立ってでも気軽に食べられる商品は人気が高い。
けれども、件の店の商品は上等な肉を使用したハンバーグ弁当。
さすがに立って食べるにはしんどい。
これも敬遠された原因の1つだろうう。
せめてハンバーガーであれば…。
3.色々食べたい!
フードショーにやってくる人は、複数の店の商品を少しずつ味わいたい人が多い。
にもかかわらず、この店のお弁当だけで満腹になってしまい、
他店の商品を味わう余力は残らない。
来場者の胃袋を独り占めしようとするのでなく、
とっておきの品物を少し味わってもらって、
店舗に足を運んでもらう余裕が欲しい。
ウリのハンバーグ以外のご飯や付け合せの存在が、
来場者の心のシャッターを閉めてしまったのか。
ハンバーグだけをお弁当の半額で提供するほうが良かったのかもしれない。
オマケ
フードショーへの出店目的は何か。
出店して儲けることはもちろん大切。
ただ、出店がゴールでなく、店舗への誘導を実現した長期的な売上確保がゴールであるはず。
フードショーとは、
「普段実店舗に足を運べないような人にアピールする合同出張ショールーム」と捉えたい。
であれば、ショップカードを手渡したり、
会計時には「お店で待っています」という一声が欲しい。
ショップカードをレジ脇に置いている店があったものの、
「お店で待っています」という声は聞けなかったのはちょっと残念だった。
夏の工場見学などに向けて企画を練りたい人からの相談受付中