新国立競技場の建設を巡って紛糾している。
「なんで今さら」という感じでみっともない。
そもそも、オリンピックやワールドカップを開催することにどれだけのメリットがあるのか。
オリンピックとかワールドカップのような大会を取り仕切るような団体を立ち上げて、自らはライセンスフィーなどで儲けるほうがよっぽど美味しいし、それこそがハードよりソフトが儲かるを地で行ってると思うんだが。
さて、建設費が試算に比べて増大することがかなりの確率で見込まれる新国立競技場。
埋め合わせはネーミングライツでというこれまた安易な意見が湧いているそうだ。
新聞の記事によると、数100億円をネーミングライツで埋め合わせようと目論んでいるようだけど、だれがそんな大金を払うんだろうか。
日本で導入されているネーミングライツは国内企業に限られていて、外資系企業の名乗りには施設利用者や近隣住民からの激しい反対が起こるという現実、
そして、そんな大金を払える企業は国内に何社いるんだろうか。
せいぜい、後継者に100億円以上もの報酬を払ったソフトバンクくらいしか思い浮かばない(だいたい、このくらいの規模の金額をポンと払えるのはオーナー系企業くらい)。
世界で最も高額なネーミングライツの契約額を調べてみると良い。
100億円のラインすら超えていないのだから。
フリーで仕事をしていたとき、ぼくはネーミングライツの専門家というポジションでいくつか仕事をさせてもらった。
そしてその時に何度も言い続けてきたこと。
「スポンサーが金を払いたくなるようなメリットを施設は死ぬ気で考えて用意すること。」
どうも多くの募集する側は大した努力せずともなんとなくスポンサーが付いてくれるのでは?という淡い・甘い期待を抱いて受け身の立場に陥ってしまう。
少しでも魅力を付けて、少しでも多くの金額を得ようとする努力は見られない。
役人にそんなことを期待することは難しいと言っていられる時代は既に過去のものだ。
新国立競技場へのネーミングライツ導入を検討するのであれば、誰のどのようなメリットを訴求してお金を得るかを死ぬ気になって考えて欲しい。
中途半端に導入して、泥を塗るようなことはくれぐれもないよう。
@国立競技場跡地