諸国漫遊記 in 2005 とりあえず終了


今日、ようやく諸国漫遊記 in 2005のシリーズを書き終えた。
旅行にパソコンを持って行っていたので原稿は寝る前にちょこちょこ書いていたのだけども、事実確認が必要な部分が多少あったため原稿のアップはリアルタイムで行えなかった。
気軽にアップできなおかつリアルタイム性に富むいうblogが持つ強みを活かせていなかったと反省している一方、せっかく海外まで行ったのにネットカフェに閉じこもって原稿作成に勤しむのももったいないと思っていたのでそれほそれで仕方ないか。
今回、12ヶ国を旅し、旅行中、31のエントリーを投稿した。
110日前後の旅だったので3日強に1つの割合で投稿していたことであり、質はともあれ量は決して悪くないと満足している。
あえて難点を挙げるなら、思うままに書いたので各エントリの分量は冗長すぎまとまりに欠けているということ。
読者思いに欠けてたかなあ。
トピックごとにエントリを分けたほうがよいかという迷いは常々あったけれども、結局最後までサンフランシスコ編でアップしたスタイルを貫いた。
blogでは書いていない部分も多々あるので、もしも詳しい話が聞きたいのであれば連絡をいただけるとうれしい(ちょっとした営業?)。
旅を通じて今後のビジネスの方向性がなんとなく定まってきたので、具体的に準備を進めていこうと思う。
最後に、今回の旅を通じてさらに詳しく知りたいと思ったテーマなどに関する主な本の紹介。



いやあ、自分の目で見て感じることで本当にスバラシイですね!
インド株、中国株に投資している人、大型連休を利用して自分の投資している国がどのような状況にあるのかを見ることをぜひおすすめします。


里帰り シンガポール 【12/14~12/17】


シンガポール。
ぼくが父の仕事の都合により幼少時代をすごした国だ。
いうなれば第2の故郷。
今振り返ると、ぼくの人生で最大の転機だった。
もしもシンガポールに行っていなかったら今のぼくはなかったかも。
シンガポールを訪れるのは4、5年ぶり。
前回は単身赴任している父を訪ねたときで、ビジネスという視点でシンガポールを見つめていなかった。
今回は、格安航空、Casinoといったトピックを詳しく知るということと、20代最後の旅を転機を迎えた場所で締めくくり新たな30代のスタートを切るべく訪れた。
US$1=S$1.64(12/14現在)
【シンガポールに新たな目玉ビジネスCasino】
ごみ捨て罰金、チューイングガム販売禁止というお堅い国で有名な国シンガポール、お堅いくせに観光収入増大を目的にCasinoを誘致することは有名な話。
Casinoビジネスを旅の間追いかけてきたぼくにとって、シンガポールのCasino事情を把握することはボスキャラを退治するようなものだ。
シンガポール滞在間中、現地大手英字新聞”Straits Times”がCasinoの新たな進展について報じていた。
今回開催される入札には現在のところ5つのグループが参加するらしい。

Noカジノ運営者デベロッパー
社名社名
1MGM GrandアメリカCapitaLandシンガポール
2Genting INternationalマレーシアStar Cruises香港
3Publishing & BroadcastingオーストラリアMelco International香港
4Harrah’s EntertainmentアメリカKeppel Landシンガポール
5Las Vegas SandsアメリカCity Developments Limitedシンガポール

どこも甲乙つけがたい。
そこで、Casinoビジネスを追っている身、シンガポールに住んでいた経験がある身として想像の範囲内で強みをまとめてみた。
グループ名強み
MGM Grandグループラスベガスでの豊富なコンベンション開催経験によってCasinoにとどまらずさまざまな点でシンガポールの観光誘致に大きく貢献することが期待できる。
Genting INternationalグループ隣接するマレーシアの市場特性を十分に把握していることからシンガポールでの運営を任せてもリスクは少なく、なおかつGenting Highland(Genting Internationalが持つKuala Lumpur近郊のCasino)との相乗効果も期待できる。
Publishing & Broadcastingグループシンガポールに多く住むオーストラリア人への訴求効果、またオーストラリアからの観光誘致に大きな貢献が期待できる。
Harrah’s EntertainmentグループCeasar’s(Harrah’sが買収済み)が持つ富裕顧客層をシンガポールに誘致でき、積極的な海外進出を果たしている同社が他の国から新たな観光客を誘致することが期待できる。
※2005年11月下旬、Harrah’sはスペインとスロバキアに新たにCasinoを建設することを発表済み
Las Vegas Sandsグループマカオでの豊富な経験を持っており、華僑の多いシンガポールでユーザーのニーズにあったサービスを提供することが期待できる。

果たしてシンガポールでのCasino運営を担うのはどの国か。
東京都で一時期盛り上がったCasino誘致にも、シンガポールが下す決断、シンガポールが辿る道が大きな影響をもたらすことは間違いない。
今後も継続的にシンガポールのCasino事情については追いかけていく予定。
なお、当blogの過去エントリではLas VegasのCasino事情についてまとめているのでご参考までに読んでいただけるとウレシイ(『カジノサバイバル(Las Vegasを中心にカジノM&A状況を整理)』)
【東南アジアのハブを目指すシンガポール】
Casino誘致とともにシンガポール国家挙げて積極的に取り組むのが航空事情の整備。
シンガポールの空の玄関であるChangi Airportは世界でも有数の多忙を極める空港として有名だ。
Airports Council InternationalによるとChangiはHeathrow(London)、Charles do Gaul(Paris)、Frankfurt INTL(Frankfurt)、Skipole(Amsterdam)、Hong Kong INTL(Hong Kong)についで国際旅客取り扱い数が多いことから理解できる。
この取り扱い数をさらに増やそうと現在2つあるターミナルをもう1つ建造する計画が挙がっており、先日詳細なプランが発表された。
第3ターミナルは東南アジアで競争が激化する格安航空会社だけを対象としたもので、格安航空会社が乗り入れやすいよう空港使用料を削減することに力点が置かれていることに特徴がある。
今使われているターミナルの空港使用税はS$21だけど、新しい格安航空向けのターミナルはS$13。
両ターミナルともセキュリティにS$6がかかるので、セキュリティ以外にかかるサービス面で金額差が生じているわけだ。
そこでどういった理由からサービス費が安く済んでいるのだろう。
チェックインカウンターのレンタルコストは安い。
ボーディングブリッジがないらしい。
乗客は搭乗するのに自分で飛行機の前まで歩いてタラップをあがらないといけないらしい。
コスト削減という魅力を追求したばかりに、問題点があることも確か。
既存のターミナルとの間で荷物を転送し合うサービスがないらしく、格安航空でChangiに降りて他の航空会社を利用する乗客は一度自分の荷物を受け取って、別のターミナルまで自分で荷物を運ばないといけないらしい(随分面倒!)。
問題点があるためかコスト削減が図れると見込まれても、今のところどの航空会社も具体的な関心は示していないらしい。
余談だけど、Changiに到着して受けた入国審査のカウンターでは、入国者にキャンディー(飴ちゃん)をサービスしてくれる。
入国のときから観光客の心をぐっと掴む。
シンガポールの観光誘致に対する取り組みは本物だ。
【欧米人の数が驚くほど増大!】
シンガポールを訪れてみて驚いたのが、欧米人(含むオーストラリア人)が随分と多いこと。
ぼくが滞在していた頃と比較するとその多さは目を見張るほど。
欧米人が多いのはビジネス街を歩いていると一目でわかる。
欧米系の企業が多く進出しているのだ。
金融機関、コンサルティングファーム、IT企業などがビジネス街の超高層ビルに入居している。
Cityの風景
city3
temasek
シンガポールで代表的な地位を占める投資企業Temasekのビル。
development
積極的にシンガポールへ進出
ホワイトカラーで、それなりに高いポストで赴任してくるものだから、彼らは非常によい暮らしをしている。
ナイトスポットには欧米人が多く繰り出し、シンガポールでの滞在を楽しんでいる。
駐在員以外にも多いのがオーストラリアおよびニュージーランドからの旅行者。
オーストラリアやニュージーランドから見て、都会でありながら物価が高いわけでもなく距離が決して遠くないのはシンガポールにあたる。
他のアジアからの観光客よりもオーストラリアからの観光客のほうが多いのかもしれない(データは参照していないのであしからず)。
オーストラリアからの観光誘致に今後もいっそう力を入れるのであれば、Casinoの入札ではPublishing & Broadcasting連合に分があるのかもしれない。
が、実際のところはフタを空けてみないとわからない。
オーストラリアは2010年開催のワールドカップ地区予選をアジア地区で戦うなど、アジアへの接近を図ってもいる(オーストラリアがアジアへシフトしたのは単に出場を求めてのもの)。
資源が豊富で所得水準も高く、人口も多いオーストラリアを巡って日本、中国、韓国、マレーシア、インドネシア、シンガポールあたりが今後観光誘致で火花を散らす可能性は高いだろう。
そのとき、日本はオーストラリアに何を訴求するか。
なかなか面白いテーマだ。
※オーストラリアで最も多く履修されている第二外国語は日本語(知ってた?)。
シンガポール駐在員の生活を垣間見るならこの本を。
ルイス・ピーノルト『コンサルティングの悪魔』

【グルメ、ファッションではシンガポール!】
ホリエモンの宣伝効果があってか、六本木のシンガポール料理店(海南鶏飯食堂)は繁盛しているらしいが、シンガポールに住んでいたぼくからすればこの店の味と本場の味との間にまだまだ乖離があると思う。
そこで、シンガポールでぼくたちが食べた食事の一部をご紹介。
バクテー
bakkuteh
豚肉を胡椒のきいたスープで煮込んだもの。
Mandalin Hotelのチキンライス
chicken rice
正直言って以前と比べて味は落ちたものの、未だにシンガポールを代表する地位を維持している。
Mee Soup
mee soup
Changi Airportの第一ターミナル3階にあるフードコートのPrawn Mee Soup(えび入りらーめん)。
誰かの帰国見送りの帰りには必ずここで食べていた。
Durian Ice Kachan
durian ice kachan
DurianのアイスがかけられたIce Kachan。
言うまでもなく臭い。
ぼくはDurianが嫌い。
上記は比較的気軽に入れるレストランのもの。
一流ホテルで食べても、日本ほどの値段はしないのでグルメ好きはホテルのレストランをチャレンジしてみるのも悪くないチョイス。
中でもGrandHyattに入っているMezza9は質・値段ともにオススメ。
ファッション面ではまだまだやぼったいシンガポール(ジーンズのパターンがダサい)だけれども、さすが国際都市ということもあり海外ブランドも多く進出している。
妻はMarc Jacobsの洋服が日本の1/5以下の値段で購入できる店を発見して狂喜乱舞(場所は秘密!)。
常夏のシンガポールにシーズンで余った夏物が大量に出回るのかもしれないが、妻に言わせるとデザイン上の質は決して悪くないとのこと。
件の店は現地のオフィスレディの間では注目度が高いらしく、昼休みともなれば行列ができ入荷したばかりの服でも即売却されてしまうほどの勢いだそう。
韓国や中国もブランドを買うには魅力的らしいが、シンガポールもまだまだ捨てたものではない。
【シンガポールでは予想外に日本への注目が高い】
今回の旅で訪れた国の中で、最も日本への関心が高いと思われた国がシンガポール。
テレビをつけると、日本について紹介する”Japan Hour”の番組コマーシャルが盛んに流れ、Orchard Rd(シンガポール最大のショッピングストリート)を歩いていても日本企業の広告を数多く目にした。
Orchard Rdのクリスマスイルミネーションに積極的なHitachi
hitachi singapore
今回の旅で訪れた東南アジア、東アジアの国はシンガポールだけのため純粋な比較はできないが、ここシンガポールでは確かに日本への注目は高い。
そういえば、ぼくが接したインド人の多くはシンガポールに憧れ、シンガポールは日本に憧れていた。
日本はどちらかというとアメリカ寄りだということを考えると、もしかして「東向きの法則(東に位置する国へあこがれる傾向が強いというもの)」というものが導き出せるのかもしれない。
かつて、マルコ・ポーロがシルクロードを渡り中国へ渡ったことや、ヨーロッパの列強がインドの胡椒を求めて航海したことにも通じるというと大袈裟か。
もしも「東向きの法則」というものが当てはまるのであれば、日本への憧れをもってくれる国民は自然と絞られる。
これらの国の人々からターゲットをさらに絞って観光誘致するのはあながち悪くないのでは。
【シンガポールの安宿事情】
Peony Mansion Traveller’s Lodge
No 46-52 Bencoolen st
Tel: 6338-5638
宿泊費:S$35(ダブル、エアコン・テレビ付、シャワー・トイレ共同)
シャワー・トイレが2部屋で1つ共有。
いろいろと問題の多い宿らしいのであまりおすすめはできない。
宿の1階にはHawker Centreがある。
bencoolen
Lloyd’s Inn
No 2 Lloyd Rd
Tel: 6737-7309
宿泊費:S$80(ダブル、エアコン・テレビ・シャワー・トイレ付)
Peony Mansion Traveller’s Lodgeの雰囲気があまりにも良くなかったので移動して泊まった宿。
住宅街の中にありながらもOrchard Rdにもすぐ出られるのでオススメ。
lloyd inn
【展覧会の写真】
Raffles Hotel
raffles
外資系ファンドに買収されてしまったRaffles Hotel(詳細はこちら)。
買収されてもなおもその伝統は引き継がれている。
Visit Malaysia
malaysia
隣国Malaysiaも積極的に観光誘致。
シンガポールでもimodeがスタート
imode singapore
賑わいを見せるSQのオフィス
SQ
Singapore Airline(SQ)のオフィス。
名物の制服を着たフライトアテンダントの人形が出迎えてくれる。
Singapore Visitors Centre
観光客が足を運ぶ観光案内所。
観光誘致に励む国らしく案内所は魅力的に建てられている(所内には両替所も併設)。
Nippon Paintの広告
nippon pqint
盛んに宣伝されていたけど、ぼくはあまり好きじゃないなあ。
Cup Noodleの味は現地にあわせて
cup noodle
日本では手に入らないシンガポールらしい味が揃っている。
そして最後はまたもやSamsung
samsung singapore
旅を通じてもっとも多く目にした広告といえばSamsung


大洪水の被害のせいか歓迎ムードに欠ける街 チェンナイ(マドラス) 【12/10~12/13】


ChennaiはぼくたちがBangaloreにいた頃に大洪水に見舞われたため、訪問するかどうかという判断には非常に困った場所だ。
同じ時期にChennaiでクリケットの試合が開催されるとのことだったが大洪水のために延期され、その件に関しテレビで必死に「延期するべきか強行開催するべきか」を討論していたのはいささか奇妙に映ってしまった。
けれども、注目を集めているインドという国を知るためには少しでも多くの都市を見ておきたい、Kingfisher Airlines(インドを訪れた目的の1つ)を利用したいという気持ちがあったことから結果的にChennaiを訪れることとした。
幸いにもぼくたちは雨に降られることはあっても洪水になるほどの被害を受けるまでにはならなかった(妻は体調不良というインドの洗礼を受けていたが)。
なお、インドのいくつかの都市は改名しており、ChennaiもかつてはMadras(こちらのほうがなじみがある)と呼ばれていたことを付け加えておこう。
【なぜ”I’m sorry”と言えないのか?】
Chennaiの宿探しでは随分といやな思いをさせられてしまった。
旅しているといろいろな出来事に遭遇しそれがまた楽しかったりもするのだけれど、Chennaiで出会った出来事は後味が悪すぎる出来事だったことは否定できない。
Chennaiの空港に降り立ったぼくたちは、タクシーに乗り込み目星をつけたホテル(相変わらず予約なし)を目指した。
ホテルに到着して宿泊したい旨を伝えるとあいにく満室だとの回答が返ってきた。
親切にも系列のホテルがあるのでそちらを紹介してくれるとのこと。
ぼくたちは重い荷物をオートリキシャーに積み込み(Chennaiのオートリキシャーはメーターではなく交渉を通じて値段が決まる)、紹介されたホテルを目指した。
部屋を見せてもらったところそれほどぴんとこなかったものの、重い荷物を持ってまたオートリキシャーに乗り込み運賃交渉をするのが億劫だったことからしぶしぶ泊まることにして宿泊費を支払った。
が、この決断は大きな間違いだった。
フロントでチェックインの手続きを済ませ、とりあえずの2泊分の宿泊費を払ったぼくたちは、ポーターが運ぶぼくたちの荷物の後をついて部屋へ向かった。
部屋に着きゆっくりしようとしても、荷物を背負ってきたポーターは部屋から出ようとしない。
ましてや部屋の中に閉じこもり外から様子が見えないよう扉を閉める。
ホテルの壁には「ポーターにはチップを払わないでください」と大きく張り紙がしてある。
なのに、彼らはチップを貰うまで部屋を出ようとはしない。
埒が明かないので心ばかりのチップを渡したところ、「もっと寄こせ」と調子に乗る。
「サルが餌をねだるんじゃないんだからとっとと出ろ」という気分で追い出すが、あまりにも不愉快なのでフロントに「ポーターの行儀が悪すぎるので、あんたの宿には泊まりたくない。だからさっさとさっき払った宿泊費を払い戻してほしい」と言うものの、フロントはフロントで「うちのスタッフがお客様に不快な思いをさせて申し訳ございません。わたくしめから指導しておきますので、どうかお許しください」というわけでもない。
「ノープロブレム、ノープロブレム」を繰り返すだけで、返金には応じようとしない。
「領収書を起こしたんだから返金はできない」と自己都合のことしか言わない。
とうとう、こちらの堪忍袋が切れそうなのを察したのか返金には応じるとのことで事態は収束に。
返金してもらって宿を替えるという結果は覆らなかっただろうけど、一言フロントのマネージャーの「申し訳ありません」という一言でもあればまだ後味は悪くなかっただろうに。
もしChennaiに行く機会があったとしても件のホテルには泊まらないし、ましてや紹介してくれた系列のホテルに泊まることもないだろう(系列のホテルは期待度が高かったけど…)。
企業が不祥事を起こしたときにいかに消費者の怒りを増大させず最小限に抑えることが重要か。
1つの企業で複数ブランドを持っているときは特に被害が飛び火するのをいかに抑えるかということは直接的な被害を抑えるのと同様に重要な取り組みでもある。
【うんざりお土産屋】
Chennaiのオートリキシャーの運賃は、いやなことにメーター制でなく交渉制。
乗車前にオートリキシャーのドライバーに行き先を言い、行き先に基づいて運賃を交渉するという仕組み。
この仕組み、急いでいる人にはわずらわしいことこのうえないし、ぼくたち外国人旅行者にとっては格好のボラれポイントでもある。
距離感がないとすぐにボラれてしまうから、標準的なオートリキシャーの運賃は早めに把握しておいたほうがよい。
ここChennaiのオートリキシャーは運賃が交渉制というだけでもわずらわしいのに、さらに乗車前のわずらわしいイベントが待ち構えている。
それは「運賃はいらないからお土産屋に寄ってくれ」というドライバーからのお願い。
ドライバーは外国人観光客をお土産屋に連れて行くごとに、店からマージンを貰う仕組みで運賃を貰うよりもお土産屋からマージンを貰うほうが割はよいためこのような交渉を臨んでくる。
観光客が店で買い物をする必要はなく、とにかく店に行けばドライバーの懐が暖まる仕組みらしい。
オートリキシャーに無料で乗れるという特典があるものの、彼らドライバーは少しでも多くのお土産屋へ観光客を連れて行ってマージンを稼ごうとするため「3軒回ってほしい」と言ってくる。
もちろん交渉不成立にして他のドライバーと交渉することはできる。
ただ、ぼくのときは周りに他のオートリキシャーがいなかったので交渉は対等の関係で行われた。
交渉の末、1軒だけ周って運賃はタダにしてもらうことにした(勝負でいうと「引き分け」か)。
しぶしぶ行くものだから当然お土産屋では心ここにあらずという有様。
ドライバーが「買わなくてもいい。とにかく5分だけいてくれればいい」というものだから、ぼくは5分だけ言い寄ってくる店員を横目に店内で商品に関心がある「フリ」を一所懸命にした。
そして、商品に関心がある「フリ」をしながらも、こんなことを思ってしまった。
「買う気のない人を無理やりこさせてスタッフが相手にし、さらにオートリキシャーのドライバーにマージンを払うなんてなんて無駄が多いビジネスの仕方しているのだろう」。
こんな商売の仕方をしていたら商品の価格は高いに決まっているし、買いたい気持ちになんてなれない。
こういうお土産屋のビジネスの仕方はアジアを旅行しているとよく目にする。
ぼくはまったく関心できないし、たとえぼくが買い物好きだとしても、そして店によい品物がおいてあったとしてもそこで買うことはないだろうな。
1軒目を見終わった後ドライバーが「2軒目も行こう」と言うので、「話が違う」と怒って(怒ってばかりだなぁ)降りるとぼくを必死に追いかけてきて「1軒見てもらったので宿へ送る」と言った。
一応、格好つけておくと、1軒だけみて無料にしてもらうのはドライバーに気の毒だったので心ばかしのお代を払っておいた(ドライバーがこの件から何かを学んでくれればいいのだが…)。
【波打つように激しくなまるインド人の英語】
インドはイギリスの植民地だったということもあり大概は英語が通じる。
オートリキシャーのドライバーだって最低限の英語は話せる。
英語を話す人が多いこともあり、インドには欧米企業のコールセンターが積極的に進出していることは有名な話。
ぼくはコールセンター誘致に関する仕事に携わったことがある。
コールセンター誘致にあたって重視する点の1つに「なまりがないこと」というのが進出企業側のリクエストとして多く挙がっているという調査結果を導いた記憶がある(なまりがなく人件費の高くない北海道にはコールセンターが多い!)。
インドは確かに人件費が安い。
それに英語力はかなりのもの。
でも、なまりがひどいというかなんというか。
ラテン系とはまた異なる巻き舌アクセント。
ニュースなどのテレビ番組でもインドなまりの英語で話しているのだから、なまりが直るのはそう簡単ではない(日本ではNHKが標準語で話していることもあり方言のなまりが次第に消えつつある)。
このなまりの存在は、もしかしたらインド経済にとっての障害になるかもしれないし、なまりなんて関係なくインドは引き続き高成長を続けるのかもしれない。
確か、インドにコールセンターを設置している企業の顧客満足度が軒並み落ちているというデータをいつしか見たような記憶がある(不確か)。
この満足度の低下は「サービスマインドの低さ」によるのか「なまりによるコミュニケーション障害」なのかまではわからないものの、今後インドが世界のアウトソーシング先として競争していくのであるなら改善すべき大きな課題なのかもしれない。
コールセンターはバックオフィスと位置づけられているけれども、ときとして強力な営業部隊にもなりうるとぼくは思っている。
苦情で電話したのに、オペレーターの印象がよかったために却ってファンになってしまうことがあるというエピソードは有名なくらいなだから。
企業がコールセンターはフロントオフィスとみなし、コストセンターとみなさなくなったとき、インドはエンドユーザー向けのアウトソーシング先として生き残っていけるのか、これは注目したい今後のテーマの1つだ。
【No Indian!!!】
上記の通り宿探しには苦労した。
インド人にうんざりしていたぼくたちは、”No Indian”というポリシーを貫き、それが旅行者に受けているBroadlands Lodgeに泊まることとした。
宿泊費が高くないのがよい。
ダブル(トイレ・シャワー付き)でも1000円しない。
あいにくシャワーはお湯が出ないけれども、インドに10日以上滞在すれば割り切れるというもの。
共同トイレ・シャワーもきれいにされている。
インド人と同じ宿に泊まってイヤだと思ったことは、トイレがすぐに汚されてしまうこと。
彼らは早くからウォッシュレット(機械ではなく手によるもの)を導入しており、お尻を洗った水がトイレのあちこちに飛び散ることが多い。
その水がどうも心地よくなかった。
”No Indian!!!”というポリシーの宿なら共同トイレは汚れずに清潔に保たれているから快適そのもの。
宿の中ではインドの旅に疲れた欧米人がのんびりと疲れを癒していた。
Broad Lands
18, Vallaha Agraharam Street, Tripricane, Chennai-600 005
Tel: 0091-044-28545573
Fax: 0091-044-28548133
Mail: broadlandshostel@yahoo.com
キッチンなし
インターネットなし
大型テレビが共用スペースに設置
宿泊費:300Rs(ダブル、トイレ・シャワー共同) 350Rs(ダブル、トイレ・シャワー付き)
※ヨガ教室あり(スタッフに要問い合わせ)。
Broad Landsの中庭
broadlands
Broad Landsの部屋からの眺め
broadlands1
インドなのにモスクが近くにある(実はイスラム教信者もインドには多い)
【インドはイギリスの植民地だったからな】
安宿に泊まって楽しいのは、海外から来た旅行者の意見が聞けるということ。
Chennaiで泊まった宿には欧米人がたくさんおり、彼らの会話の中で面白い本音を聞きだすことができた。
それは、あるイギリス人男性が堂々と「インドは植民地だったからな」と公言していたこと。
日本人がこんな発言を東南アジアや東アジアでしようものなら大きな問題となるのに、インドでは特に気にされるわけでもなく、むしろインド人は英語を話そうと一所懸命になっている。
もちろん、周りには英語のわかるインド人がいたのに問題にならなかった。
イギリスの植民地だったことがインドの財産の1つだと解釈すれば、インド人が怒らないのもあながち不思議でない(内心、ふつふつとイギリス人め、今に見てろとでも思っているのだろうか)。
【学力レベル・向学心は侮れない】
書店めぐりが好きなぼくは、数学のテキストにも目を通した。
日本とは異なる独特な教え方が印象的であり、そのレベルの高さは文系出身のぼくでも容易に想像がつく。
露店の店主であっても、暗算は早い。
計算機というコストの発生するものには頼っている場合でないため、必然的に暗算に頼るしかない。
一般的な計算能力に関していうなら、日本人よりもインド人のほうが優れているだろう。
アメリカ人のようなお釣りの計算(あくまでも足し算で計算する方式)は知恵といえるもののどこか稚拙な印象を抱いてしまうのはぼくだけだろうか。
数学は思考力を鍛えるのによいとは昔から言われているけれども、ぼくは数学こそ記憶力を鍛えるのに格好の学問だと思っている。
たとえば「九九」。
これなんかまさに記憶に頼る部分が大きい。
小学生のとき、何度復唱させられたことか。
この「九九」をインド人は2桁まできちんと覚えている。
小学生向けのテキストでは、きちんと覚えるためのシートが準備されている。
基本的な部分はしっかりと体にしみこませて考える部分に時間を費やす。
もちろん、基本的な部分で間違っては考えがいくら正しくても正しい解は導けないので、基本は反復学習を通じてみっちり体にしみこませる。
この姿勢は何をするにしても大切だと思う。
ビジネスだって同じだ。
そして向学心は非常に高い。
空港の書店でもビジネス書が前面に押し出されており、その比率も日本と比べると随分高いのでは。
書店に足を運ぶと、難しそうなビジネス書が山のように積まれているし、カフェで休憩しようものなら隣で大学生がMBA留学を目指しGMATなどのテキストと格闘している。
インド人が基本をみっちりと身につけるという教訓を活かし、向学心を燃やして吸収した知識を存分に活用するときこそ、本当の脅威として立ちはだかるだろう。
【インドという国への印象はかわったか?】
Mumbai編でも書いたとおり、前回のインド訪問では「インドが嫌いで2度と訪れない」という感想だけを持って帰国した。
今回は世界で注目されているBRICsの1つインドを知りたいという気持ちから訪問した(ぼくは現場主義!)。
なお、BRICsのすべてを訪問すべきだという意見もあるだろうけど、自分の中で一定の線引きをしたところブラジルとインドをマークしておくという結論に達したのでBRICsの中ではこの2国しか訪れなかった。
では今回の訪印によってインドへの印象は変わっただろうか。
まず訪れた場所が異なるので純粋な比較にならないだろうけど、当blogで文句ばかり書きたてているものの少なくとも前回よりもインドに対する印象はよくなった。
自己中心的というか日本では考えられない非常識さを持った人がいて戸惑うことは多いものの、インド人が寄ってきてお土産を売りつけようとしてくるといったことはほとんどなかった。
ただ、オートリキシャーに乗っていても感じることだが、とにかく自分が儲ければいいという気持ちが強いというのも事実。
客がどう感じるかというモノの見方、責任感(連帯責任)はいささかまだ不十分な印象を持った。
横の連携に問題があるのは、古くからインド社会に根付いているカースト制度のせいなのかもしれない。
ならば、カースト制度の存在がこの国の今後の経済発展を引っ張る要因とならなければよいと思ってしまうのは安易な考えだろうか。
たとえばChennaiからSingaporeへの移動の時の話。
ぼくたちの利用した飛行機は何らかの理由から出発が数時間遅れた。
理由がなんだかさっぱりわからない。
カウンターで訊いても”I don’t know.”の一点張り。
“I’m sorry. I don’t know”だったらまだマシなのだけど。
説明責任というものがあるだろうし、「私の職務では知るわけないでしょ」という態度は問題が大きいと思う。
そして、飛行機に乗ってもフライトアテンダント、パイロットからも「出発が遅れて申し訳ありません」の一言もなかったのは、3分でも電車が遅延したら「申し訳ありません」としつこいくらい車内アナウンスする日本で暮らすぼくたちにはビックリだった。
能力面では優秀ながらも価値観では日本人と大きく異なるインド人とビジネスする場合には、十分に準備をしておく必要があるポイントだろう。
一方、Broad Landsのスタッフとよい関係が築けたことが今回の旅の収穫であり、インド人への印象をよくしてくれた出来事の1つでもあった。
インドの旅に疲れたのであればこの宿を使うことをおすすめしたい(ぼくの名前を言えば悪くはしないはず)。
【展覧会の写真】
積極的なCM展開をするBA
ba
ba2
外資系航空会社は積極的にインドへの直行便を飛ばしている。
Continental AirlinesもNew Yorkからインドへ直行便を就航させたることを発表。
やはりSamsungがここでも
samsung chennai
シンガポールへいらっしゃい
visit singapore
政府観光局の広告はどこでも多く目にした。
インドにとって身近な都会はシンガポールらしい。
もしかして、シンガポールに建設予定のカジノの客はインドの大富豪となるのか?
インド人の憩いの場 Shopping Mall
shopping mall
インドでは今、大型Shopping Mallがホット
TATA Motor
tata
インドの国産車TATAは街中で多く見かけられる
インドを知るためのオススメ本


ダイジェスト版世界一周の旅を終えて


※Chennai編とSingapore編は後日アップ予定。
旅を終えた今、「あの旅は夢だったのか。それとも今、この瞬間は夢なのか」という錯覚に襲われている。
3ヶ月半という長くも短い時間、世界を1周した。
今回訪れた国はルート順に記すと、アメリカ合衆国、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、イギリス、ドイツ、チェコ、オーストリア、ハンガリー、トルコ、インド、シンガポール。
「ビジネス」として訪れた点を踏まえれば、これ以上の数の国を訪れても消化不良を起こしそうだし、あまり経済的に発展しすぎていない国に訪れて何も収穫を得ないというのを避けたかったので結果的によかったのかもしれない。
初めて訪れた国もあれば何回目かの国もある。
再訪問国については「以前と○○という部分で成長した」といった視点でその国を知ることができたし、初訪問の国に関しては「ふ~ん、初めて△△だということを知ったな」という収穫を得ることができた。
そして、今回の旅の収穫の中で大きなポイントとして挙げられるのが、短い期間であるものの世界を1周したことで「2005年の後半」というある限定されたスパンの間で世界の国々を体感しそれらを比較できたということだ。
日本で生活していると、特定の国へ単発で旅行することは簡単だけれども、大陸をまたいで旅行しそれらを比較することは難しい。
ぼくたち夫婦の間で何度「あの国は○○だけど、この国は□□だなぁ」と言葉を交わしたことか。
各企業が強みを持っている市場、まだまだ開拓できていない市場というものが把握できた。
これまでのエントリの大半にSamsungの写真が紹介されていること、何度か車メーカーのシェアを実地調査したことを見れば、ぼくがそれぞれの市場でどの企業がどのような状態にあるのかを観察してきていたかがわかってもらえると思う。
シンガポールであった泰ちゃんから「まさや、帰ったら何を最初にしたい?」と訊かれた。
彼がどのような回答を期待していたのかはわからない。
でもぼくは「本を読みたい」と即答した。
とにかく今回の旅を通じて、さらに新たな知識を吸収したいと思った。
訪れた国の歴史所、その国の有名な文学、ビジネス書。
これほどまでに好奇心を刺激された旅はない。
「自分が何をしたいかわからない」という人は相変わらず多いと思う。
そういう人こそ、とにかく3ヶ月だけでも必死に働いて、世界を回ればよいと思う。
ちなみに今回の旅でぼくたち夫婦が使ったのは約200万円。
旅の途中から随分と贅沢したこと、航空運賃だけで100万円使ったことを考えると、1人旅で世界一周なんて大した額は使わない。
ドイツで出会った日本人バックパッカーは、2年間の世界旅行の予算が200万円だと言っていた。
今回ぼくが訪れた国は比較的物価の高い国だということを踏まえると、3ヶ月働いて100万円貯め、そのお金で半年間でも世界を自分の目で見て感じるというのは悪くない人生の選択だと思う。
そして、旅から帰ってきたらぼくの会社の門を叩いてくれればよい。
それまでに自分の会社に1人でも多くの仲間を迎え入れられるよう、会社を安定させておくことが旅をして世界を見て感じたぼくが果たすべき役割だと思う。
さぁ、インプットの時間は終わった。
これからはアウトプットだ。


Silicon Valleyと同じく見所分散 バンガロール 【12/4~12/9】


Bangaloreは今回の旅ではずせない訪問地だ。
世界の名だたるIT関連企業がかの地に進出し、安い賃金ながらも優秀なインド人プログラマを雇用してソフトウェアを開発しているのは有名な話。
BangaloreのIT事情はどのようなものなのかを知るべくBangaloreを訪れた。
なお、Bangaloreで開催された”DIGITAL Lifestyle 2005″については既出エントリ(BangaloreにBill Gates参上)を参照。
【インドでも格安航空競争は活発】
MunbaiからBangaloreへは飛行機を利用した。
鉄道だと24時間かかる。
確かに鉄道の運賃は安い(”Lonely Planet”によると1等が935Rs、2等で333Rs)。
だが、飛行機を利用すれば1時間半で済むし、運賃も高いわけでない。
ぼくが利用したAir Deccanは3,000Rs。
Kingfisher Airlinesでも4,000Rsばかり。
インドの物価では高く感じるものの、時間の節約、乗り心地がよいとは言えない列車に24時間も閉じ込められることを考えると飛行機を利用したほうが魅力は高い。
BangaloreからChennaiまでも格安航空を利用。
そのときは今回の旅で絶対利用したかったKingfisher Airを利用。
インドの航空事情については別途まとめようと思う。
【日本の孤立が浮き彫りなMTV】
Bangaloreでは比較的マシなホテルに宿泊した。
理由はMunbaiでの宿がひどかったからだ。
ダニに噛まれ、トイレ・シャワーをインド人が汚しまくり、もちろん水シャワーしか出なかったから。
トイレ・シャワーが部屋についていて、お湯が出て、そしてダニに噛まれる心配のない宿にした。
ぼくたちが泊まったHotel Empireは少々値が張るものの悪くはない。
一点を除いて。
なにが悪いかというと、とにかくうるさいこと。
併設されているレストランが夜中の2時頃まで営業されており、そこを利用する客がイスを引きずる度に壁伝いに音が伝わってきてぼくたちを不快のどん底に引きずり込む。
初日の夜はとにかく音が不快すぎてなかなか寝付けなかった(2日目以降は諦めた…)。
部屋にはテレビがついていた。
BBC、ESPNなどまで観られる。
ぼくたちというかぼくはもっぱらESPNとCNBC、MTVをカチャカチャ換えながら、面白い番組を観ていた。
インドで観たMTVは他のアジア諸国と共同で制作された番組のようで、シンガポール、タイなどいろいろなアジアの国のVJが参加。
共通言語は英語。
共通言語が英語というのが災いしてか、日本人VJはいない。
日本人が参加していたら、日本が紹介される機会ができるのにと少々歯がゆい思いをしてしまった。
外国人と同じようなテレビ番組を観ていると、話題に困る日本人ビジネスマンで会話に苦しまずに済むと思うのだか。
Hotel Empire
78, Central Street, (Off, Infantry Road) Bangalore-560 001.
TEL/FAX: 25592821, 25587253, 25587266
インターネット有料(日本語入力不可)
各部屋にテレビ設置
宿泊費:Rs920(Standard Double A/Cなし) Rs995(Standard Double A/Cあり)
※宿泊費には別途課税
【とにかく広すぎるBangaloreでは地図の入手がおすすめ】
Bangaloreを訪れた理由は、上記の通りITの実態を把握すること。
いろいろな企業を見ようとしていた。
が、IT企業が一箇所に集積しているわけではなく、Bangalore市の中に分散している。
数多くの企業が分散しているものだから、限られた時間の中でどのエリアに足を運ぶべきかはなかなかわかりにくい。
その中で役立ったのが、Bangaloreに到着してから購入した地図。
地図
map1
map2
この地図でもBangaloreに進出している企業を完全に把握することはできないが(外資系企業に関する情報が不十分)、インドの3大IT企業(TATA Consulting、Infosys、Wipro)がどの辺りに構えているかなどは掴める。
IT企業集積する地域は、どうしてこうもみんな集積しているようで分散しているのだろうか。
Silicon Valleyを見学したときも同じ印象を抱いた。
Ebony Restaurantからの眺め
bangalore view
MG RoadにあるEbony RestaurantはBangaloreを一望するのに最適な景色を提供してくれる。
料理の質は悪くなく、連日多くのビジネスマンでにぎわっている。
【ITPL訪問】
IT企業が集積しているInternational Tech Park (ITPL)を見学に訪れた。
ぼくが宿泊したMG Roadエリアからオートリキシャーに乗って約45分(道路の混み具合による)。
インドの道路事情はひどい。
オートリキシャーのドライバーは道路事情のひどさを気にするわけでもなく、車線変更を繰り返し隙間を見つければすぐに割り込む。
魔法のじゅうたんのような乗り心地のオートリキシャーに揺られてITPLへたどり着いた。
周りの環境は決してよくない。
砂埃が舞い、入場門に面した狭い通りは大型トラックで込み合っている。
しかし。
ITPLに入ると環境はガラリと変わる。
周りの砂埃がうそのように芝生が敷地内を埋め尽くし、カジュアルではあるものの身なりを整えたインド人IT技術者が実に幸せそうに敷地内を行き来している。
事前に訪問アポを取っていたぼくではあるものの、訪問先がどのビルに入っているかまではメモしていなかったため入場では随分と手間がかかった(敷地内には”Discoverer”、”Creator”、”Inventor”、”Innovator”、”Explorer”と5棟が建っている)。
敷地内には欧米の有名IT関連企業、インドのIT関連企業のほか、日本企業も事務所を構えている。
圧倒的にインド人が多いものの、ときおり欧米人の投資家らしき一行も目に付いた。
敷地内にはオフィスのほか、住宅や住宅に必要な設備(ATM)なども充実しており、IT開発に集中するには申し分ない環境であることは確かだ。
当然ここでも外資系金融機関がATMを設置し、そのプレゼンスを示している。
ITPLの内部
itpl1
itpl2
【レストラン事情に問題あり】
日本で有名なインド料理と言えば「カレ-」であり、その人気は絶大だ。
けれども、日本で食べるカレーとインドで食べるカレーは随分と異なる。
日本のカレーは熟成させてコクがあるのが美味しいとされるものの、インドのものはサラサラしていて随分と水っぽい割には辛い。
前回の訪問の時にインドのカレーはぼくに合わないことがわかったぼくは、今回の訪問で随分と食べるものに困った。
Bangaloreであればアメリカ系ファーストフードは多少あるものに、毎日そればかり食べるわけにもいかない。
それに、インドの物価で考えるとアメリカ系ファーストフードで食べると随分高くついてしまう。
そんなわけでぼくたちは宿泊したホテルのレストランでなんどか食事を摂る以外は、レストラン探しに随分を時間を費やした。
ちなみに、ぼくたちが宿泊したHotel Empireのタンドリーチキンは名物らしく、多くの人が注文していた。
ぼくたちが何度かお世話になったHotel Empireのタンドリーチキン
chicken
日ごろの食事に困ったぼくたちを救ったのは、Bangaloreでも数少ない日本料理屋。
その中でもぼくたちを救ったのが「播磨」。
値段は高い(日本で考えればまだ安いが)。
でも、衛生面で不安のあるインドのレストランで食事をするよりは、高いお金を出しても「衛生」という安心感を持って食事を楽しむということがいかに大切であるかをこのレストランで痛感させられた。
もちろん、近くで働く日本人駐在員も何人か訪れていた。
播磨
4th Floor, Devatha Plaza, 131 Residency Rd
TEL: 5132-5757
Bangaloreに限らずインドの都市を訪れる人は、レストラン事情についてそれなりの覚悟をしておく必要アリ。


富める者と病める者が共存するムンバイ ムンバイ 【12/1~12/3】


インドには学生最後の旅で訪れて以来だ。
前回はインド全土をじっくり周る予定だったけれども、食が合わなかったなどもろもろの理由から旅半ばで帰国してしまった(はっきり言うと、インドが好きになれなかった)。
だから正直言ってそのときは2度とインドは訪れないだろうと思っていたが、昨今のBRICs熱の高まりから「これは実際に足を運んでみねば」という妙な好奇心を奮い立たされ、かの地に再び降り立つこととなった(レポート『人を知りBRICsを知る』を弊社発表)。
前回の訪問では観光のゴールデンコースであるKolkataからDelhiまでしか周らなかった。
今回はビジネスにおいて高い注目を集めているMumbaiをはじめとした南部の都市を訪れた。
Mumbaiについて記す前に、IstanbulからMumbaiまでの移動についても記しておこうと思う。
US$1=2.3Rs(12/1現在)
【大いに期待を裏切った航空会社】
トルコからインドへは前々から注目していたEmirates航空を利用した。
この航空会社、とにかく勢いがありサービスの質の高さなどから世界でも高い評価を受けている。
が、はっきりいってぼくはこの航空会社のフライトを利用して大きく落胆させられた。
IstanbulからDubaiまでのフライトはとにかくひどすぎた。
何がひどいのかというとフライトアテンダントの質。
自分が何をすればよいのかわからないのか突っ立っているだけのフライトアテンダントがいたし(乗客が荷物をキャビンロッカーに上げようと苦労しているのを眺めているだけで、その乗客が格闘している間その後ろには長い乗客の列が)、食事が離陸してから2時間後に出た(遅すぎ!)と思えば、片付けられるまでに1時間以上もかかる(食後にトイレへ行きたい乗客のイライラは頂点!)。
機内の装飾、アメニティなどが充実していたとしてもあの質のフライトアテンドしか揃えられないのであれば、航空会社としての質は低いと評価されても仕方はない。
「もしも事故に遭ったらこの人たち本当に乗客を誘導できるんだろうか」と不安な気持ちでいっぱいにさせられてしまった。
なぜ、日本ではこんなに評価を上げているのだろうか?
マーケティング戦略のたまものなのだろうか。
DubaiからMumbaiまでのフライトに関してはまだ「マシ」だったけれども、IstanbulからMumbaiまでのフライトで受けた最悪なサービスの経験に引っ張られてぼくのEmirates航空に対する印象はどん底に落とされたまま。
残念。
名誉挽回してほしい。
Emiratesの機内食
emirates
食器は多くの航空会社で採用されている四角形のものでなく個性的。
【使い勝手最悪なDubaiの空港】
Emirates航空をけなし、今度はEmirates航空のハブ空港であるDubai空港についても苦言を。
Dubaiで乗り換えるために夜中の1時すぎに到着した。
さすが中東エリアのハブをめざすだけあって夜中にもかかわらず空港の中には大勢の乗客でにぎわっている。
にぎわっているのは立派なことだけれども、これだけ多くの人が快適にターミナルで過ごすことなんてこれっぽっちも考えていないのでは?というほど使い勝手は悪い。
発着便数、空港利用者に対してターミナルのキャパが狭すぎ。
だから次の便の出発まで待っている乗客の多くはベンチに座ることすらできず、地べたで寝るしかない。
近代的できれいなターミナルであるにもかかわらず、使い勝手が悪いのだから、却ってその印象は悪くて仕方がない。
まだ、古臭くて改善の余地があるのなら「仕方がない」という気がするのだが…。
Istanbulに続き、ここDubaiの空港内にもStarbucksが進出。
Starbucksはいらないから乗客が次の便までくつろげるスペースを提供するべきなのでは?
「ハコ」に力を入れすぎた悪い例を見せられた。
Dubai空港内のStarbucks
starbucks dubai
Dubai空港内で無料インターネットアクセス
samsung dubai
Dubaiの空港では無料でインターネットにアクセスできる。
ここでもSamsungの勢いを見せ付けられる。
【世界で最も残酷な都市】
Mumbaiに到着し、滞在予定のホテルを目指しタクシーに乗り込んだ。
タクシーの窓からぼくの目に飛び込んでくる風景は数年前にぼくが訪れたインドとさして変わらない。
車線がひかれていない道路を乗用車、トラック、オートリキシャーがわれこそはと前を争い割り込みあう。
そして道路わきでは裸足で道路工事をする作業員。
何も身にまとっていない子供がいるし、さらには高速道路であるにもかかわらず象がのっしのっしと歩いている。
信号で停まれば車の周りには本(海賊版!)を売る子供が営業にやってくる。
あいにくぼくたちが乗り込んだタクシーは冷却システムの調子が悪いらしく、ターバンを巻いたドライバーは何度も車を降りてはボンネットを開けて水を注いでいた。
そのたびに子供たちが寄ってきたのは言うまでもない。
ターバンをまいたドライバーを後方座席から激写
driver
ぼくたちが泊まった宿はColabaエリアに。
ビジネスエリアにも比較的近いが、どちらかというと観光客が集まるエリアといったほうが適切。
観光客目当てに夜中でも露店が開いている。
そして、やはりというか観光客からめぐんでもらおうと物乞いも。
インドの物乞いのレベルは違う。
今回の旅で訪れたPrahaなどの都市では五体満足でありながら単に仕事にありつけない物乞いがほとんどを占めていたものの、こちらインドでは身体的な障害を持った人ばかりなのだ。
「どうしてこんなにも身体障害者が多いんだ?」と思ってもおかしくないほど。
盲目の人、片足がない人、手のない人、手足のない人。
乳児のときに十分な栄養が与えられなかったために、発育に障害が生じたのかもしれない。
とにかくひどすぎる。
妻はこの様子を見て何度も「地獄絵図」だと表現していた。
まさにその通りだと思う。
それ以上の表現がぼくには見当たらない。
一方で英語の話せる高所得層たちは、障害を持った人や物乞いなどには目もくれない。
ぼくが過ごした宿の近くにはMumbaiで最も高級とされるTaj Mahal Hotelがある。
このホテル、Mumbaiで最高級に位置するものであり、ホテルのロビーにはMunbaiに住む高所得者をはじめ外国からの観光客で大賑わい。
Mercedes、Lexusでフロントに乗り付ける客が後を絶たない。
Taj MahalのクラブではBollywood俳優にならないかとスカウトされることを夢見る高所得層の子供たちが踊る一方でTaj Mahalのすぐ側ではホームレスは夜が明けるのを待つ。
ほんの数10mという距離の間には、果てしない階級の距離が横たわっている。
この光景こそがインドという国が抱えている現実であり、この現実を目にしてどう思うのか。
Taj Mahalホテルのフロント
tajmahal
高級車が横付け、そして付近では家のない人が夜明けを待つ
Mocha Barという現地の大学生たちの間で流行っているカフェへ足を運んでみた。
インドの金持ち家庭の子息が多くたまっていた。
保守的な社会として知られるインドにもかかわらず、店内では大学生カップルたちが抱き合ったりとまるで欧米のカフェかと思う(欧米のカフェでもしないか…)ほどのいちゃいちゃぶりを発揮していた。
そして英語での教育を受けている彼らは、これみよがしに店員に対して英語で注文をしている。
店員は英語が多少わかるものの、完全ではない。
そして英語が通じないとなれば「英語もわからないの?」というような上からものをみたような態度を取っている。
同じ国民にもかかわらず、そしてカースト制度が薄れているといわれている現代でも、インドでは「階級」意識というものは消えていないのではないだろうか。
「そんなに金を持って英語が話せるやつが偉いのか?!と言ってやりたかったが、言ったところで「金を持っていて、英語での教育を受けたやつこそがこの国と引っ張るのさ」という答えが返ってきそうだったので何も言わずさっさと店を出てきた。
とにかく複雑な気持ちでいっぱいだった。
人口のわずかの富める人がさらに富みこの国を引っ張っていくことがよいのか、富める者よりも貧しい者を救済し国の底上げを図るべきなのか。
今、日本では所得格差が懸念されている。
富める者の言い分、貧しい者の言い分それぞれあるだろう。
自分がいずれの立場に立とうと、インドの現実を目にした経験に基づき常に両者の視点に基づいたバランス感覚を保ち続けたい。
ぼくは資本主義経済という競争社会の中で戦っていくにはヤワなのだろうか…。
【Show me the money!!!】
インドは数学のスキルが高く、だからこそIT技術にも秀でているというのは既に多くのビジネスマンが知っていることだろう。
いくつかの書店を周ってみて、これほど数学コーナーが充実している国というのは確かに類を見ない。
そして、ビジネスへの関心も日本とは比べ物にならないほど高い。
街中の露店ではJack Welchによる”Wininng”などのビジネス書(海賊版)が売られ(マンガなんて置いていない!)ている。
もちろん、普通の書店でもビジネス書はもちろん、IT開発に関係するテキストなども多く発売されている。
Munbai空港の中にある書店でも客がもっとも目にするところにビジネス書を陳列している。
MBAへの関心も高いらしく、街中ではMBAに関する看板広告を目にしたほど。
また、PlanetMという全国チェーンCDショップでは、C.K.Prahadらによる講義を収録したVCDが販売されていた。
VCDによる教材
prahad
経営のテキストVCDのほかに金融取引に関するものも。
とにかく今、インド人の知識欲は高い。
中流階級の人が這い上がるためには教育という投資しかないという意識がこの国を支えているのだろう。
日本でも夜間大学院へ通うなどビジネスマンの知識欲は非常に高いが、インド人も日本人に劣らず大変高いことは確かだ。
教育こそが国の競争力向上の源泉だとぼくは信じている。
だからこそ、教育機関関係者には大いにがんばってもらいたい。
世界で認められる教育機関を日本で揃えられることこそが、世界で日本が勝つための絶対・必要条件!
【マクドナルドが進出】
ぼくが数年前にインドを訪れたとき、確かDelhiにしかマクドナルド(マック)はなかった。
それが今回の訪問では何箇所か目にした。
Mumbaiのマックへ足を運んでみた。
日本のメニューと異なる。
そりゃ当然だ。
ヒンドゥー教国のインドでは牛肉が食べられないのだから、日本で提供しているハンバーガーが食べられるわけない。
その代わりというわけではないが、チキン系のメニューなどが出されている。
正直言ってメニューにレパートリーは少ない。
インドでのマックはまだまだお金持ちのレストランにしか過ぎない。
店内を見渡しても、インドの富裕層か外国人しかいない。
インドではマクドナルドはまだ知名度の拡大を図る時期にあるそうで、もはや日本では行われないであろう「マックでお誕生会」をいうものを積極的に開催して知名度を向上しようとしているみたいだ。
インドの富裕層の子供の誕生会が、ぼくたちがマックを訪れた日に開催されるところで、子供たちは庭に集まっていた(男女が恥ずかしそうにバラバラに陣取っていたのがピュアでかわいらしい!)。
ぼくは日本のメニューにないコーラフロートを注文。
いやぁ、作り方がもったいない。
コーラをなみなみ注いでから(機械の設定による)アイス分のコーラを捨て、それからアイスを上から足しているのだから。
街中では物乞いが多くいるというのに、ここでは平気で無駄に消費されている。
Mcdonald IndiaのHP
Donaldはインド人?
macdonald
牛肉は使われていないインドのマックのメニュー
macdonald1
【欧米系金融機関が鼻息荒く進出】
Mumbaiの街中を歩いていて目に付くのがCiti bankなど欧米系金融機関の進出がとにかく活発だということ。
広告看板のみならず、店舗、ATMも積極的に街中に進出。
Citiのほかに、American Express、Standard Chartered、HSBCなど欧米のメジャーリテイルプレイヤーが積極的に展開している。
日本の一部金融機関が今年Munbaiに事務所をオープンしているものの、欧米系ほどの積極性は感じられなかった。
ここ最近の日本の金融機関はリージョナル指向が強いが、これでは市場の拡大を図りにくい。
日本は人口が減少していくと言われているのだから、なおのこと海外へ積極的に進出して将来のヘビーユーザーを獲得しておくべきだと思うのだが…。
積極的な展開をしているCiti Bank
citibank
Franklin Temlation Investments
ad munbai
煽っているなぁ。
【ぼくたちが泊まった宿】
Hotel Volga II, Rustam Manzil, 1st floor, Nawroji F Rd
Tel: 22824755
キッチンなし
インターネットなし
宿泊費:600Rs(ダブル、シャワー・トイレ共同)
シャワーは「お湯」でなく「水」。
宿の担当者は「24時間お湯でます」と訊いていないのに言っていたが、実際はお湯なんてでなかった。
出ないのなら言わなきゃいいのに…。
1階には欧米人旅行者の溜まり場となっているLeopardという名のレストランがある。
インドの物価で考えると少々割高であるものの、安心して食事がとれるという面を考えると割高なのも致し方なし。
Volga IIの前の通り
volga
Leopard
leopard
この建物の2階にVolga IIが入っている。
【Bollywood】
MumbaiはかつてBombayと呼ばれ、Bombayの映画産業はアメリカのHollywoodにちなんでBollywoodと呼ばれている。
残念ながらMunbaiの撮影所は一般に公開されていないらしいので見学には訪れられなかった。
備忘録として、Londonの古本屋で買った”The Moviegoer’s Companion”を参考にBollywoodについてまとめておこう。

インドで最初に撮影された映画は”Raja Harishchandra”(1913年)。
2001年には1,013本の映画がBollywoodのスタジオで撮影された。
脚本は4億人が理解できるヒンドゥ語かウルドゥ語で書かれる。
典型的なBollywood映画は6曲の歌、2つのダンスシーン、コメディ、恋、アクション、世代ギャップ、歴史的背景、きらびやかな衣装、そしてグラマラスな出演者が揃えられている。
平均上映時間は3時間以上(ドラマ『深夜特急』で主人公があまりにも長い映画の途中で退席すると爆弾犯と間違えられたのは有名)。
2001年現在インド全土で12,000ほどの映画館が存在しており、これは100万人あたり13の映画館があることを示し、人口比に対して世界で最も映画館が少ないことを示している。


【展覧会の写真】
メセナ?
hsbc munbai
「この場所はHSBCがメンテしています」
とにかく露出アップして知名度・高感度向上!
BSE
bse
Bombay Stock Exchangeはインドの中心的証券取引所であり、TSE(東京証券取引所)よりも深い歴史を持っている。
高いBSEのビルの周りには、金融の中心とは言いにくい雑踏が。
Mortgage Loanの看板広告
morgageloan
バスの車体にまで広告。
英語の読める人はMunbai市民の何割なんだろうか…。
iPod in Munbai
apple india
iPodも広告
Kingfisher Beer
kingfisher beer
インドではKingfisher Beerが1人勝ち。
あっさりしていて飲み易い。
辛くないのがなによりも良い。
お酒に強くないぼくでも中瓶を余裕で飲み干せる。
飲み易さが手伝ってか、1人でピッチャーを飲み干す兵も少なくない。


神秘性に欠ける中東の都市 イスタンブール 【11/26~11/30】


当初の今回のワールドツアーの計画ではトルコを訪問する予定ではなかった。
従来の計画であれば中東欧もしくはドイツからDubaiへ飛び、Dubaiの風にあたるはずだった。
けれども、なぜか中東欧諸国からDubaiへ飛ぶ航空運賃が軒並み高かったため(約US$2,000!)、行き先変更の検討を余儀なくされた。
約US$2,000も航空運賃に払うのであれば、改めて日本から訪れたほうがよい。
そして、ぼくたちが目指した行き先はトルコのIstanbul。
BudapestからIstanbulまでの移動は前エントリを参照。
今回、時間の関係でIstanbulしか滞在できなかった。
アジア側のAnkaraやCappadocciaなどへも訪れたかったけれど、いかんせん「時間」という制約がある以上、今回はIstanbulだけに限定して滞在し、そのなかで感じたトルコという国について少しでも整理できたらと思う。
【申し訳ないが神秘性はゼロ】
Istanbulの地を踏んで最初にぼくたちが思ったのは、イスラム教国家が持つ神秘性というものはもはやこの街には存在しないということ。
厳しい戒律によって行動が制限されるわけでもなく、街中では多くの若者が欧米から流れてきた文化にどっぷりと浸り、多くの人にとってEUに入ることこそが何よりも高い優先順位におかれている様子だった。
実際、街中では加盟していないにもかかわらずEUとトルコの旗が並んで高々と掲げられ、旅行代理店の店先などでは航空券の料金がユーロで表示されていたりする。
バザールにもトルコとEUの旗
flags
イスラム教国家で観光立国であるモロッコと比較すると、個人的にはモロッコのほうがよりイスラムの匂いを多く吸えるだろう。
たとえば、モスクからコーランが流れてきてもこの街の人にとっては時報に過ぎないのではないか?と思わされるほど無関心であり、宗教とはもはや過去の遺産であるといっても過言ではないほどだ。
視点を変えると、厳しいイスラム教の制限がないことは非イスラム教徒にとって旅行がしやすい場所とも言え、イスラム圏への旅行がはじめてという観光客にとっては格好の観光地なのかもしれない。
イスラム教国家でも大々的にクリスマス準備
xmas tree
街中を走る近代的なトラム
tram
スーパーで積み上げられた缶ビール
beer
【日本語が妙にうますぎるトルコ人、そしてそれにうんざりするぼくたち日本人】
街を歩いていると、多くのトルコ人がぼくたちに声をかけてくる。
トルコ語でも英語でもなく日本語で。
彼らの話す日本語、はっきりいってウマイ。
話を聞いてみると、日本に行ったことのあるトルコ人、また親類が日本に住んでいるトルコ人が妙に多いことに気づく。
話が本当か嘘かはわからないものの、日本語をうまく話せる人が多いことは確か。
さらに話を突っ込んで聞いてみると、トルコ人が日本へ行く際、なんとビザは不要だとか。
ビザ申請を多くの外国人に求める日本政府でありながら、トルコ人には求めていないとは知らなかった。
確かにぼくたち日本人もトルコへ入国するためのビザは不要とは言うものの、隣国の中国人は未だにビザが必要だと言うことを踏まえるとなんとも妙に感じてしまう。
トルコ人は親日だと言われる理由は入国に際しビザが不要だということも関係しているのだろうか(トルコ人が親日だという理由は日露戦争でトルコの天敵ロシアを日本が破ったことに起因しているという説が有力)。
いずれにしても彼ら(とくにお土産屋)の日本語はうますぎ、彼らが頻繁に日本語で話しかけてくるものだから気が休まらない。
彼らは日本語同様に英語も話せるのに、欧米人に話しかけようとしないのはなぜなのだろうか。
トルコ人からお土産屋の営業をかけられるたびに次第にうんざりしていったぼくたちは、英語なのに話しかけられない欧米人が少々羨ましくも思った。
【あるトルコ人の本音】
日本語で話しかけられることにうんざりしていたぼくたちだけれども、日本語の話せるあるトルコ人との会話の中で「大変価値のある」トルコ人の本音に触れることができた。
上記の通り、トルコにおいてEUに入ることこそが多くの国民の願いであり、「EUに加盟できない」ということは想定の範囲外である。
EU加盟のためには多少の犠牲も仕方ないと別のトルコ人との会話からも嗅ぎ取ることができた。
それではぼくたちはどのような「本音」を耳にしたのか。
できるだけ忠実に本音を再現してみよう。
「わたし、日本で引越しのアルバイトをしていました。すごくしんどかったです。渋谷ではイラン人とかがテレホンカードを売っていましたが、はっきりいってああいうのはよくないですし、私たちトルコ人にも迷惑です。はっきりいって彼らと一緒にされるのがいやです。わたしたちトルコ人はもっと立派です。
EUに加盟したらトルコの物価はさらに上がりますよ。そうしたら日本の皆さんは高くて旅行できなくなるかもしれませんねぇ」。
話をしていてとにかく他の中東の国と一緒にされるのが嫌だということ、そしてEUへは必ず加盟できると信じていることがはっきりと伝わってきた。
これはたまたま話をした人の意見にしか過ぎないのだけれども、街中で多くの人が中東ではなくヨーロッパばかりに神経を注いでいる様子を見ると、多くの人が同じように感じていると推測するのはあながち的外れというわけでもなさそうだ。
とにかくEUに入ると恩恵が訪れると頑なに信じている。
物価が上昇しようが、公共投資増大に伴う増税が行われようが、EUに加盟できるのであればいかなる犠牲も厭わない。
上記の会話を交わした以外の人も、EUに加盟するためなら増税された生活へは我慢できると言っていた。
もしもトルコの加盟申請が否決されてしまったのなら…。
「失望」がこの国の空を覆い、国家の求心力が一気に低下してしまうのでは?と、不吉なシナリオがぼくの頭の中をめぐった。
【「Starbucksの存在」という指標】
旅をしていて、いろいろな国でStarbucksを目にした。
Istanbulの街中でもStarbucksの存在が確認できた。
ぼくにとってStarbucksが存在するか否かという事実はその国の経済水準を知る上での1つの基準であり、店舗を目にしたときには「この国は裕福なんだな」と理解するようにしていた。
逆に存在していないと、「この国の所得水準ではまだStarbucksのコーヒーは売れないんだな」と理解していた。
IstanbulのStarbucksの店舗には多くの顧客が入っており、決して安くはない(日本と同金額程度であり、Istanbulの物価から考えても高い)。
ただし、Starbucksが数店だけある国というのはまだ「本物」の裕福な国というわけではなくある一定の店舗数(分岐点はわからないが)を越えた時点で「本物」の裕福な国として認められるのだと解釈している。
そうするなら、トルコにはまだStarbucksが数店しか存在しておらず「本物」の裕福な国として位置づけるには時期尚早なのかもしれない。
ちなみに、2005年12月時点でStarbucksが進出している国は以下の通り(StarbucksのHPより)。
Australia
Austria
Bahamas
Bahrain
Canada
Chile
Cyprus
France
Germany
Greece
Hawaii
Hong Kong S.A.R.
Indonesia
Ireland
Japan
Jordan
Kuwait
Lebanon
Malaysia
Mexico
New Zealand
Oman
People`s Republic of China (Beijing)
People`s Republic of China (Shanghai)
People`s Republic of China (Southern China)
Peru
Philippines
Puerto Rico
Qatar
Saudi Arabia
Singapore
South Korea
Spain
Switzerland
Taiwan
Thailand
Turkey
United Arab Emirates
United Kingdom
United States
IstanbulのStarbucks
starbucks istanbul
StarbucksのほかにApple Storeが進出しているかどうかも基準の1つなのかもしれない。
【添乗員、レッドカード!】
Istanbulの観光スポットの1つ、Blue mosqueを拝観していたときの話。
多くの観光客がBlue mosqueを訪れ壁や天井のタイルを眺めていたら、大勢の日本人観光客がBlue mosqueの中に入ってきた。
そして現地ガイドの説明に耳を傾ける。
ここまではよくあるツアーの光景。
現地ガイドの説明が終わると、日本人添乗員(女性)がBlue mosqueでの滞在時間と見学後の集合場所をツアー参加者に連絡していた。
見学時間があまりにも短いのはツアーの悲しいところでありもはや驚かないものの、見学時間が短いことなんてどうでもいいような爆弾発言を添乗員がかましてくれていた。
はっきりいってこの添乗員には即刻レッドカードを出すべき。
彼女、こんなことを言っていた。
「2:25分に外で集合してください。こちらBlue mosqueでの写真撮影はOKです。フラッシュもOKです。なんでもOKです。」
この発言にぼくと妻は顔を見合わせた。
「なんでもOKです」はないだろ?
信仰心が薄く見えるIstanbulであっても一部の人は熱心にIslamの教えに従い、Mosqueの中では熱心にお祈りをしている。
そうした人たちの気持ちへの敬意はそっちのけで「なんでもOK」とはどういうことか。
フラッシュをたくことすらいかがなものかと思うぼくは堅物なのだろうか。
もう少し言い方というものがあるだろうに…。
宗教というものにはまったく関心のないぼくだけれども、他人の心のよりどころに土足で踏み込むことを容認するような発言をするこの添乗員、情けなくて仕方がない。
【トルコはEUに加盟できるか?】
ワールドカップの地区予選はヨーロッパに属しているトルコであるが、彼らはヨーロッパの一員となれるのだろうか。
財政事情など数値で定められたEUへの加盟基準はクリアできるのかもしれない。
数値上の基準は努力さえすればどうにかなるだろう。
けれども、数値ではクリアできない価値観や文化でEUにすんなりと加盟できるのだろうか。
ヨーロッパから大陸を横断してきたぼくたち夫婦の間ではトルコの人たちとそのほかのヨーロッパの人たちには価値観など考え方における相違というものが存在し、その明示しにくいハードルこそが最大のハードルとして彼らに立ちはだかるのでは?と一致した。
何が違うのか?
言葉でははっきりと表現できない。
それほど曖昧でありだからこそ、トルコ人がぼくのような回答をされたら納得いかないだろうし、納得しないどころか怒り出すかもしれない。
なぜ、トルコは中東の雄としてこの地域の安定と平和に力を注ごうとしないのだろうか。
ヨーロッパの中でしっくりこないなぁと言われるよりかは、中東の中で認められてぐいぐい引っ張ればいいのにと思ってしまう。
経済的な点、ヨーロッパへ簡単に移住できる点などがそれほど魅力的なのだろうか。
EUに加盟することを心から信じている人たちに向かって突っ込んだことを訊けなかったのでこれ以上は触れられないが、どこかしっくりこなかったことは確かだ。
旧ソ連はキリスト教国、イスラム教国がうまくいっていたかどうかはさておき、よく長い間連邦国家として成していていたものだと改めて感心してしまった。
【Istanbulへ観光に来るのであれば】
Istanbulの観光スポットはかなり限られたエリアに集中している。
これほどまでに観光スポットが凝縮しているのか?と訪れたぼくたちがびっくりしたほど行動範囲は狭い。
Blue MosqueやAya Sofiaが観光スポットの中心でありHammam(トルコ式風呂)も多い。
にもかかわらず、多くの欧米系大手ホテルチェーンはこのエリアに進出していない。
進出していないのではなく進出できないというのが正直なところだろう。
大型ホテルを建造できるほどの大きな敷地がないからだ。
そうした中、Aya SofiaとBlue Mosqueを臨む好立地にFour Seasonsが。
とりかく立地は最高!
そして、周りの環境との調和を考えて高層でないところがよい。
ツアーでIstanbulを訪れるのであれば、宿泊ホテルがどこかを確認しておくとよいだろう。
もし、ビジネスでIstanbulへ訪れるのであれば、Taksim地区にあるInterContinental、Ritz Curlton、Hiltonなどがアクセスなどの観点からオススメ。
InterContinental
interconti
【虚偽表示する店を駆逐せよ!】
Istanbulの次の訪問先はインドのMunbaiであり、当分インドの食事に悩まされると考えていたぼくたちは、栄養をつけるためにも韓国料理を食べようということに(日本料理屋は宿の近くになかった)。
ぼくたちが目指した韓国料理屋の前には、日本語で「テールスープ」、「ビビンパ」などと日本語で書かれている。
「テールスープ」がお目当てで入ったのに、メニューには載っていない。
店主に「テールスープはないか?」と訊いてみたところ「あんた、何言っちゃってんの?」って感じの顔をされる。
逆に「あんた、何デタラメを店先に表示してんの?」って言ってやりたくなるものの、言っても仕方ないのでさっさと店を出た。
さらに、ビビンパはメニューにも載っていたけれども、値段はまったく違う。
あきれたもんだ。
気を悪くしたぼくたちだけれども、妻がどうしてもテールスープが飲みたいというので、もう1軒の韓国料理屋へ。
店先の看板には「韓国料理、日本料理、中華料理」とデカデカと表示されている。
が、ここでも虚偽表示。
メニューを見たところ、日本料理はおろか中華料理もおいていない。
おいているのは韓国料理だけ。
どういうつもりで「日本料理、中国料理」と表示しているのだろうか。
客をばかにしているとしか思えない。
気分が悪かったけれども、他にアテがあるわけでもなかったのでここで食事をした。
味は、思ったとおりよくない…。
【貿易相手に隔たりある中東欧諸国だけれどもトルコは…】
ドイツへのトルコ系移民が多いことは既に書いた(「移民の多さにびっくり フランクフルト・シュツットガルト 【11/1~11/3】」参照)。
さも、トルコ経済はドイツへの依存度が高いのだろうと思って公知資料を調べてみたところ、大きくその思い込みは外れてしまった。
ドイツは最大の貿易相手国ではあるものの、中東欧諸国と比べてドイツへの依存度は大きくない。
中東欧諸国のドイツとの貿易額は軒並み30%前後を示している一方、トルコのそれはせいぜい15%程度にしかすぎない。
そういった点から見ると、トルコ経済はドイツ経済に大きく影響をうけにくいという強みが中東欧諸国と比較して存在していると理解してもよい。
貿易相手国を見ても中東の国があがってこないというのは、この国がいかに欧米指向であるかを示しているとも言えるのでは。
各国の貿易相手国データ
※データソースはCIAのThe world factbook
austria ex
austria im
czech ex
czech im
hungary ex
hungary im
poland ex
poland im
turkey ex
turkey im
【展覧会の写真】
イルハンも所属していたBesiktas
besiktash
トラムのベンチ
book bench
Coca Cola
coca cola
Samsung dominates Istanbul as well
samsung istanbul


現実は理想と掛離れたオリエンタル急行 【11/24~11/25】


BudapestからIstanbulまでの移動手段については、相当頭を痛めた。
というのも、ぼくたち夫婦は想像以上にBudapestの街が気に入ってここでの滞在を楽しんでいた一方で、滞在を伸ばすことによりIstanbulへの移動は短時間で可能な飛行機を利用しないといけなくなるからだ。
簡単に下記のようなメリット・デメリットを洗い出してぼくたちは検討した。
飛行機で移動するメリット・デメリット
メリット:短時間で疲れない
デメリット:金銭的コストが大きい
鉄道で移動するメリット・デメリット
メリット:途中通過国(ルーマニア、ブルガリア)の風景が楽しめる
     なかなか体験できないオリエンタル急行の旅が楽しめる
デメリット:時間がかかり疲れる
列車で移動する場合は24日の夕方発の列車に乗り26日の早朝にIstanbulに到着。
飛行機で移動する場合は25日の午前中の便に乗り、同日の午後にはIstanbul到着。
飛行機で移動しても結果的にBudapestで楽しめる時間に大差がないこととなかなか体験できないオリエンタル急行の旅を楽しもうということで、Istanbulへは列車で移動することに決めた。
Budapestを11/24の19:15に出発する列車(列車の名は”Balkan Express”)に乗り込んだ。
6 人がけのコンパートメントにぼくたち2人だけで、検札に来た車掌にIstanbulまでぼくたちだけなのかを問うたところそのようだったためひとまず安心した。
狭い6人向けのコンパートメントに見知らぬ人と一緒に2日過ごすというのはそれなりに疲れるし、荷物の安全などいろいろな点で不安だったからだ。
検札でイマイチ理解に苦しんだことがある。
それは車掌がぼくたちの切符をIstanbulに到着するまで預かると言ったこと。
預かる理由がイマイチわからないし、最大の問題に車掌が車掌らしくて「にせ車掌なのか?」と疑ってしまいたくなるような雰囲気を出していたのがさらにぼくたちの不安を増大させた。
列車は定刻通りにBudapestを発ち、次第に暗くなっていく闇夜をRomaniaとの国境目指して突き進む。
Budapest駅で発車に備えるBalkan Express
budapest station
ぼくたちが約2日過ごしたコンパートメント
compartment
オリエンタルエキスプレスのタイムテーブル
timetable
※Thomas Cookを参照して作成
Romaniaとの国境には列車が4時間ほど走ってから到着。
これまで通過してきたいくつかの国境と同じように、パスポート審査官が列車に乗り込んできてスタンプを押すのみ。
それ以上の手続きはない。
だいたいぼくたちはRomaniaで降りるわけでなくIstanbulまで列車に乗り続けるので、国境警備隊も特段厳しくぼくたちを審査するわけでもない。
列車はさらに走り続ける。
多くの人はヨーロッパを縦断するこの列車を豪華列車だとイメージしていることだろう。
かくいうぼくはシャーロックホームズやアガサ・クリスティーの小説に出てくるような列車をイメージしていた。
が、はっきりいってそんな豪華なものではない。
トイレは「ボットン」だし、ベッドだってフカフカではない。
6人がけのコンパートメントなので3段ベッドだ(コンパートメントにぼくたちだけだというのがここでも本当によかったと実感)。
それに2日近くも列車に乗るというのにシャワーがついていないどころか食堂車すらない。
車掌に食堂車はないのか?と訊いても「ない」と答えられたのでぼくたちはそうだと信じている。
ただ、もしかしたら食堂車はあったのかもしれない。
でも、車掌はあえて「ない」と答えたのではないかと一方で勘ぐったりもした。
なぜ、車掌はそんな嘘を言ったのか。
それは頻繁に切り離されたりくっついたりするBalkan Expressの車両に理由があるのかも。
この列車、駅に停まるたびに頻繁に車両を切り離したりくっつけたり、そして列車を牽引する汽車を取り替えたりととにかく忙しい。
この切り離し・連結作業がなかったら、もっと短時間でIstanbulまでたどり着けるのに。
頻繁な切り離し・連結のため、汽車はいろいろなデザインの車両をひっぱりさしずめ多国籍軍の隊長といった趣とも捉えられる。
途中の駅で売り子がやってくるかと思いきや、一向にそのような気配はない。
商売っ気がないといえばそれまでだけど、随分とおいしいビジネスチャンスを逃しているなぁと思ってしまった。
仕方がないのでぼくたちは大量に買い込んでおいた水、お菓子を頼りにIstanbulまで過ごすことにした。
翌日、Romaniaの首都Bucharestに到着。
時刻表によればこの駅に3時間も停車するらしい。
降りて食事でもできるか?と車掌に訊いてみても「ダメだ」と至ってシンプルな回答。
この駅で、Beogradへ向かう列車が切り離されて先に出発。
残されたぼくたちは発車時刻までホームで待っているのか?と思いきや、ぼくたちの車両だけ切り離されて車庫のような場所へ引っ張っていかれるでは。
これほどまでに車両が切り離されると車掌が「食堂車はない」と言った理由がわからなくもない。
Bucharestの駅で停まっているとさすがヨーロッパと思わされる車両を目にした。
「寝台車」という単語をいろいろな国の言葉で壁に書いている。
多国籍寝台車
sleeping car
“Schlafwagen”、”Sleeping car”など書かれている
車窓から見た範囲で言うなら、Bucharestのさびれ具合は他の東欧の国と比較しても飛びぬけていた。
旧ソ連が東欧諸国を牛耳っていた時代に建てられたであろう集合住宅が塗装のはげたまま建ち並び、Bucharestの人たちには街の景観をよくしようという余裕が一切感じられない。
チャウシェスクが支配していた時代を懐かしんでいるのだろうか。
Bucharest駅周辺
bucharest
列車はBucharestを後にし、Bulgariaとの国境を目指す。
RomaniaとBulgariaの国境に流れる川沿いは工業地帯として発展し、Bulgaria側には多くのトラックが長い列を作って国境審査に並んでいる様子が伺えた。
Bulgaria側の工業地帯を望む
border
Bulgaria側の入国審査を受けているとき、ようやく売り子に遭遇。
売り子は車内にいる外国人のぼくたちを見つけると駆けつけて「お腹は減っていないか?サンドウィッチはどうだ?」と売り込んでくる。
2つで5ユーロ。
高い!
でもどちらかというと売り手の立場のほうが強い。
ぼくたちは細かいユーロは持っていないという弱みもあった。
10ユーロ紙幣しか持っていないのだ。
おつりを貰おうにも相手は持っていないと言う(一応レジへ確認に行っていたが)。
仕方がないのでペットボトルのミネラルウォーターを買って10ユーロにしてもらった。
10ユーロという随分高い買い物をしてしまったものの、思いのほか売り子の感じがよかったので悪い気はしなかったというのが正直な気持ち。
どうせぼられるのなら気持ちがいいほうが良い。
ぼられて後味が悪いほど最悪のことはない。
サンドウィッチの味はというと、意外にもおいしい。
さすがBulgaria、サンドウィッチのソースにヨーグルトをふんだんに使っている。
スパイスも多く使われていて、ヨーロッパというよりもトルコの味に似ていていよいよトルコに近づいているんだなと実感。
2つで5ユーロもしたサンドウィッチ
sandwitch
食事をして満足したぼくたちを乗せた列車はTurkeyとの国境を目指して走る。
ダイヤ通りに走っていた列車だけれどもBulgariaに入ってからそのダイヤは次第に乱れ始めた。
そしてTurkeyへの入国審査を受ける駅Kapikuleに到着したとき、時計は既に夜中の3時をゆうに過ぎていた。
Kapikuleでの審査はこれまで行われてきた車内審査ではなく、乗客は全員駅で降りて国境警備所へ向かうというもの。
夜中に入国審査を受けるものだから乗客たちは随分迷惑そうな様子。
ぼくたちと同じような旅行者も入国審査の列に並んでいた。
ここで、ぼくたちは日本のパスポートの恩恵をまたもや受けることに。
どうも大半の欧米人はTurkeyへの入国に際してVisaが必要らしい。
なので、入国審査を受ける前に彼らは国境警備所の裏でVisaを申請するようにと言われていた。
入国審査の列ではぼくたちよりも前に並んでいた欧米人たちはVisaの申請をしないといけなかったため結果的にぼくたちよりも後にすべての審査を終えていた。
そして、Visaの申請が不要なぼくたち日本人は羨望のまなざしを受けていた。
TurkeyはEUへの加盟を希望しているのにEUの人にVisa申請を要求しているのは不利なのでは?とぼくたち夫婦は思ったのだけれどもどうなのだろう。
ちなみに、アメリカ人のVisa申請費が最も高かったのは皮肉だ。
世界の平和を維持している(自称?)というのに、Visa申請費が高いとはまるで歓迎されていないようだ。
実は彼ら、多くの国で高額のVisa申請費を請求されている。
乗客全員の入国審査は終わったはずなのに列車は一向に発車する様子を見せない。
ダイヤでは夜中の2時20分に発車するはずなのに、実際に列車は発車したのは夜が完全に明けた8時過ぎ。
列車はIstanbul目指してダイヤの乱れを取り返そうとするわけでもなくひた走る。
車窓から見る風景にぼくたちは驚いた。
Bucharestは目でないほど洗練されている。
寒々しさがないからかもしれないが、とにかく明るく線路脇に立つ住宅もきれいに塗装されている。
そして、町全体がカラフルだ。
Istanbulという街への期待を抱き、ぼくたちはダイヤよりも5時間以上遅れて到着したIstanbul駅を降り、宿を目指した。
バラバラな車両の色
train3
知らない間にたくさんの車両が連結されていた。
BudapestからIstanbulまで
運賃:34040Forint(2等)
   ※Euroとの為替相場によって変動する可能性あり
距離:1,669km
時間(予定):約37時間
時間(実質):約42時間
経験;Priceless


評判上々 ブダペスト 【11/18~11/24】


チェコに続いて旧東欧諸国2カ国目の訪問先にあたるのがハンガリー。
ウィーンから列車に3時間ほど揺られて到着。
隣国まで列車に揺られて3時間で到着するのだからヨーロッパは狭い。
列車の中でパスポート審査が行われる。
あまりにもあっさりと通過してしまうものだから、国境を越えた実感はまったくない。
列車内を見渡すと国境越え同時に乗客の多くは携帯電話のSIMカードを入れ替え、この光景こそがこれからの国境越えを実感させる新たなイベントとなるのかもしれないと勝手に納得してしまった。
【スズキがハンガリーで大躍進】
Budapestの中心地で、Budapest市民の間でどのメーカーの車が最も売れているかを調べてみた。
調査場所はBudapestの中央市場近くにある教会前の駐車場。
調査の結果、なんと、Berlinでショールームが充実していたOpelが12台と最も多く停まっていた。
ダントツ。
2位は日本のスズキと韓国のDaewoo(大宇)でともに4台。
日本車でスズキが健闘しているのはいささか意外かもしれないが、実はスズキ、ここハンガリーでの2005年9ヶ月間における販売台数シェアナンバーワンだそうだ(『月刊ハンガリージャーナル』より)。
そのシェアはというと20%にものぼり、2位にOpel(11.3%)、3位にSkoda(シェア不明)がつけている。
『月刊ハンガリージャーナル』でまったく触れられていなかったDaewoo(大宇)がぼくの調査で4台も数えられたのはこれまた意外。
これまでいろいろな国を旅してきたけれども、これほどまでにDaewooの車を見たのはBudapestが初めて。
一方で、Daewoo(大宇)と同じ韓国メーカーのHyundai(現代)、比較的積極的に看板広告を展開しているKia(起亜)の車はあまりお目にかからなかった。
もう1つ驚いたこと。
それはLexusが教会の前に停まっていたこと。
Lexusがハンガリーで販売されているとは…。
12台:Opel
4台:スズキ、Daewoo(大宇)
3台:Ford
2台:Peugeot、Renaukt、SEAT
1台:トヨタ、Lexus、日産、VW、Skoda、FIAT、Citroen
今回の旅に先駆けて、大前研一『東欧チャンス』を読んでいたのでスズキが健闘していることは知っていたものの、これほどまでに躍進しているのはなんとも気分がよい。
SuzukiのHP
地下鉄車内のスズキの広告
suzuki ad
スズキのショップ
suzuki shop
【温泉街Budapest】
Budapestは温泉が多い。
Budapestに限らず、比較的中・東欧は温泉が多いことは有名。
街の中には多くの温泉があり、滞在中ぼくたちは2つの温泉に足を運んだ。
ぼくたちが行った温泉は男女混浴だったので水着を着用して入浴。
シャワーを浴びる時間が短い欧米人であっても温泉は別のようでみんなおとなしく浸かっているのが妙に印象的。
洋の東西は問わず、「温泉」は人気があるようで。
学生時代に訪れたエクアドルのBanoという街(※Banoとはスペイン語で風呂を示す)にも温泉が湧いていて、ラテンの人たちもおとなしく暖かいお湯に浸かっていたなぁ。
これほど温泉が多いのだから日本の都市と姉妹都市提携をしているのか?と思っていたらどうやら小田原市が姉妹都市らしい。
姉妹都市小田原市
relation japan
日本政府はYokoso! Japanと観光誘致に向けた活動をしているが、どうもその取り組みが他の国と比較しても中途半端なのではないかと旅をしていて激しく思った。
Budapestとせっかく姉妹都市提携を結んでいるのだから、温泉で気持ちよくなっているBudapest市民、その他旅行者に対し小田原市など日本の温泉地を紹介する取り組みをしたらどうだろう。
多少なりとも興味を持ってくれそうに思うのだが。
Yokoso! Japan
【Samsungの露出がとにかく多くて多くて】
ヨーロッパに移動して最も多く目にしているのがSamsungの広告。
日本では一時期ビジネス雑誌をにぎわせた韓国企業だけれども、消費者からの認知はイマイチ高くないというのが事実だ。
けれども世界に目を移してみるとSamsungはもはや世界でもトップランクに位置づけられる総合家電メーカーに躍り出ている。
ブランドコンサルティング会社Interbrandが毎年発表しているBrand rankingによると、直近のSamsungのブランド価値はSonyも超えて世界で20位にまであがった(Sonyは28位)。
そしてその価値はさらに上がり続けると思う。
その理由の1つにPremier Leagueに所属するChelseaのユニフォームスポンサーに今シーズンからSamsung Mobileがついたことを挙げる。
世界最強ともいえるチームのユニフォームスポンサーについたことは露出機会の増大を意味する(Champions Leagueを勝ち進むなどで)。
それ以外にも、Samsungがこれまで頭を悩ませてきた「安物」というイメージ払拭にも大きな役割を果たすだろう。
なんといってもChelseaは世界でも有数の金満チーム(=Rich)であり、近年のくすぶりから復活(=右肩上がり)したことでサッカー界でも注目の的なのだ。
「Rich」と「右肩上がり」とはなんてうらやましいキーワードなのだろう。
まさにSamsungが求めていたイメージキーワードなのかもしれない。
Samsungがブランドランキングの10位以内にランキングされる日も遠くない?
Samsungにとって日本の1億人ほどの市場(今後少子化でさらに減少の見込み)は捨ててヨーロッパの5億人の市場を狙うほうが容易でありなおかつ効率的だと認識されているのかもしれない。
ぼくがもしSamsungの経営者なら、日本で大々的に展開する前にヨーロッパやアメリカでの地位を確立してからそれなりの市場ポテンシャルが残っている日本を攻めるだろう。
BudapestのSamsung看板広告
samsung budapest
Samsung mobileの広告
samsung mobile
この広告はヨーロッパ中で展開
【Hungary人への印象はよいらしい】
Budapestの街中を歩いていると日本からの観光客が多いことに気づく。
多くはツアーに参加したおばちゃん。
時期が時期なだけにぼくと同世代かもう少し若い学生たちの姿は目にしなかった。
場所は中央市場。
中央市場と聞いて「東京卸売市場(築地)」をイメージして楽しみにしていたぼくだったけれども、訪れてみてがっかり。
ただの観光スポットであり市場が持つ独特の緊張感には触れられなかったからだ。
観光スポットであるだけに、ツアーに参加したおばちゃんも多くやってきていた。
おばちゃんたちは大きな声で話すものだから、何を言っているのかすべてわかる。
そして何を言っていたのか。
「こっちの人はあの国の人と比べて感じええねぇ。結構丁寧にサービスしてくれるしな」と関西弁で。
おばちゃんたちがどの国の人と比較しているかはわからなかったけれども、「感じええ」という部分にぼくたち夫婦も大いに同意。
買い物をしていても決して押し付けがましいわけではなく、一方できちんとこちらの意図を汲んで提案をしてくれる。
フリーマーケットへ行ったとき、バスを降りる場所がわからずにいると、乗客が「ここで降りるのよ」と教えてくれたりもした。
この街の人との相性がよかったこともあり、ぼくたちは予定よりも2日ほど長くこの街に滞在した(個人的にはあと2日ほど滞在したかったほど)。
【添乗員の怠慢?】
中東欧で最大とも言われるフリーマーケット、エチェリに行った帰りの話。
フリーマーケットでの買い物を終えて(ぼくは相変わらず買い物せず)、バスに乗り込むと数人の日本人観光客が同じバスに乗り込んできた。
どうやら彼ら、バスの乗り方がわからないらしい。
Budapestでは事前にバスやメトロの乗車券はキオスクなどで買っておき、乗車のたびにバス・メトロの入り口に設置された改札に通さないといけない。
彼らはそういった仕組みも知らず、「あれ、お金払うとこないなぁ(←またも関西弁!)。ま、ええか。ばれへんやろ」と大声で。
「ええわけないやん!」とぼくと妻は心の中で叫ぶ。
彼ら、ツアーに参加した観光客で自由時間を使ってエチェリへやってきたらしい。
当然、添乗員は同行していない。
ぼくはツアーに参加して海外旅行をしたことないので、どのような仕組みで旅をしているかについては知らないけれども、すくなくとも上記のような「ま、ええか」というようなことをなくすよう添乗員・旅行代理店は努めるべきだと思う。
たとえば、自由行動で利用するような情報(バスの乗り方など)を詰め込んだパンフレットというように。
件の日本人観光客、幸い検札に合わず罰金を取られることはなかったけれども、もしも罰金を取られようものなら「添乗員が教えてくれへんからやんかぁ」と言いかねない雰囲気だったし、彼ら自身もせっかくの楽しい旅行がトーンダウンしてしまいかねない。
パンフレットなんてものは一度作ってしまえばコピーするだけなので、ぜひとも用意してあげてほしい。
【場所がわかりにくいRed Bus Hostel】
Budapestの駅に着いて、Red Bus Hostelを目指した。
観光するには最高の立地にある。
だが、大きな看板が出ているわけでもなくさらにHostelの入っている建物に足を踏み入れてもどこが入り口かわかりにくかった。
お陰で、間違って同じ建物に住む人の住居のドアを開けてしまうことに…。
14 Semmelweis Utca Budapest V.
Tel/Fax: +36(06)1-266 0136
キッチンあり
インターネット有料(日本語入力不明)
宿泊費:3,000Forint(ドミトリー・朝食つき) 7,900Forint(ダブル・朝食つき)
hostel budapest
【展覧会の写真】
BudapestにもCasino
casino budapest
Budapest市内にもCasinoが乱立。
ここも流行っていない。
Budapestの地下鉄
metro budapest
Londonの地下鉄の次に歴史の深いBudapestの地下鉄。
地下深くを走っており、そのためかエスカレーターは異様に早かった。
ドナウ川を臨むKonika Minolta
konika minolta
BudapestでもYogaの広告
yoga budapest
Fruit Soup
fruit soup
Hungary料理の1つ、Fruit Soup。
夏限定らしいけれども、ぼくが足を運んだレストランでは出していた。
Soupよりもジュースといったほうが近しい。
ぼくは好きではない。


Bill Gates、Bangaloreに参上


MicrosoftのBill Gatesが12/6~12/9の4日間、インドを訪問している。
そしてその模様は連日テレビ、新聞にてヘッドラインで報道されており、インドのIT事業に対する関心の高さをうかがわせる一幕でもある。
今ぼくはBangaloreに滞在しており、この原稿を12/9に書いている。
Bill Gatesのインド滞在最終日にあたる日だ。
昼頃にテレビのスイッチをつけると、Bill GatesがChennaiを訪問している様子が映されていた。
まだBangaloreを訪れていない。
ぼくはBangaloreを訪れるに違いないと踏んでいた(新聞を後で読み返してみるとBill GatesがBangaloreを訪れることが明記されていた…)。
なぜなら、ここBangaloreでは12/9~12/11の3日間にかけて、”DIGITAL Lifestyle 2005“が開催されるからだ。Microsoftのプレゼンスをアピールするには絶好の場所であり、Bill Gatesが講演するとなれば多くの人が会場を訪れ、各種マスコミを通じてMicrosoftのビジョンが伝わることが期待できる。
オートリキシャーに乗り、”DIGITAL Lifestyle 2005″が開催されているPalace Groundへ向かった。
Bangalore Palaceの側にあるグラウンド(空き地)であり砂埃が舞うインドらしさ漂う場所でもあった。
Palace Groundの門には”Welcome Bill Gates”の垂れ幕がたなびいており、これを目にしてBill Gatesが会場にやってくることを理解できた。
敷地の中に体育館程度の大きさの建物があり、その中で”DIGITAL Lifestyle 2005″が開催されていた。
“DIGITAL Lifestyle 2005″の会場入り口
entrance
入場料は49Rs(約130円)。
Webを通じて事前申し込みをしていたのなら無料だったかもしれないが、有料でも130円程度とはさすがインド、物価が安い!
日本で同じようなテーマの展示会が開催されるのであれば少なくとも入場料は1,000円かかってしまうだろう。
スタッフにはこの展示会のために作ったであろうTシャツが用意され、運営は滞りなく行われていた。
さて、会場に足を運んでみると、会場のサイズが小さいことから参加企業の数も限られている。
せいぜい20社程度だろうか。
参加している企業の大半が外資系企業(アメリカ、日本、台湾)であり、彼らが会場の大半の場所を占めておりインド企業のプレゼンスは驚くほど小さかった。
なお、参加している主な企業は、
Microsoft、HCL、Sony、Canon、NEC、Epson、Lenovo、Acer、Intel、Sansuiなど。
金曜日の午後だったこともあり来場者数は決して多くなくどこか盛り上がりに欠けるところがあったことは事実だ。
来場者のほとんどすべてがインド人の業界人であり、黄色人種のぼくは異色だった(白人はゼロ)。
幕張メッセで同様の展示会を開催すれば自社のマーチャンを配ったりイベントコンパニオンが来場者に声をかけてアンケート協力を依頼するシーンを目にするものの、こちらBangaloreにおいてはマーチャンを配るわけでもなくイベントコンパニオンでなく各社の営業担当者自身控えめに来場者へ声をかける程度だった。
街中を歩いていると押しの強いインド人に面食らうことが多いのに、この会場にいる営業マンは至って静かでありインドらしくない点でもあった。
展示内容に目新しさがなかったのが何よりも残念だった。
各社、薄型ディスプレイやノートPC、デジカメの展示にとどまっており、”DIGITAL Lifestyle””のテーマに魅力を感じて訪れたぼくにとっては少々物足りなさを感じずにはいられなかった。
それでも来場したインド人の間ではデジカメが人気らしく、Sonyのブースに用意されたCyber shotへは人だかりができていた。
Braviaへは人だかりはできていなかったが。
Sonyのブース
sony bravia
他に人の入りがよかったのはComputre Kitchenという会社の展示。
手書き入力のソフトを紹介しており、インド人が書く癖のあるアルファベットにも対応できることをアピールしていた。
ただし、この会社の商品もぼくが期待した、”DIGITAL Lifestyle”にはほど遠い内容であったことは間違いない。
“DIGITAL Lifestyle”というテーマに対して、もっとも正面から応えようとしたのが展示会のメインスポンサー企業でもあるMicrosoft。
メインスポンサーというポジションを活かし、自社だけ特別にブースを囲い他社との差別化に努めていた。
そして、ブース内にはベッドを置くなど「生活」とITとの融合に向けて努めていくという姿勢が感じられたが、具体的なソリューションについては紹介されていなかった。
そして最も目を引いたのが、彼らの、”DIGITAL Lifestyle”に対する認識を示すキーワード。
“Have more fun”、”Get more done”、”Stay in touch”。
他社では残念ながらキーワードによるコミュニケーションにインパクトがなかったので、Microsoftのこのキーワードが目立ってしまった格好だ。
Microsoftブース内のキーワード
microsoft bangalore
手ブレが激しくてスミマセン。
インドでの所得レベルが各社の提供できるソリューションレベルに対応できていないのか、展示全体を通じて”DIGITAL Lifestyle”によって何が実現できるのかという踏み込んだ部分への提案に欠けていたように思える。
幕張メッセで5年ほど前に開催された展示会のほうが先を進んでいた。
まだデジカメ、薄型テレビなど「モノ」を売るというレベルにあるのがインドという市場が持つレベルなのかもしれない。
そして「ソリューション」を売る時代はいつ訪れるのか。
このポイントこそ各社の戦略転換点であり、今後のインドでプレゼンスを保つためのスタートポイントでもあるのかもしれない。
Bill Gates
billgates1
講演が終了すると拍手が鳴り止むまもなく車に乗り込んだ。
出待ちをしているユーザーに手を振るというシンプルなサービスでもすればMicrosoftへの評価も随分変わると思うんだけど。
Steve Jobsとの大きな違い。
billgates2
Bill Gates来印に関する連日の報道内容(”The Times of India”)
※各日付は新聞発売日でありイベントが起こった日ではない。
12/7
 2006年1月、Bangaloreにイノベーションセンターを開設することを発表。
12/8
 Infosysの会長とテレビで対談
 インドに17億ドル投資することを発表
 x-boxを18ヶ月以内にインドで発売することを発表
12/9
 ChennaiにあるTB Sanatorium(AIDS ワクチン研究所)訪問