自治体がネーミングライツ導入に苦戦するある理由

読売新聞佐賀支局からネーミングライツについての取材を受けた。
題目は「なぜ、最近のネーミングライツ募集は苦戦しているのか?」。
確かに、このところの各自治体のネーミングライツの募集状況は芳しくない。
募集をかけても誰も反応しない案件はザラ。
また、応募があったとしても募集条件(金額、期間など)を大きく下回るものもチラホラ。
上記の記者からの質問に対していくつかポイントをかいつまんで紹介したところ、

ボーダーゼロの(中略)は募集する自治体側の企画力不足を指摘する。「金集めにとどまり、企業が魅力を感じない。企業を宣伝できるイベントを同時に行うなど、付加価値をつける必要がある」と話す。

と紙面で紹介されていた。
確かに上記のように言ったが、これは既に様々なところでぼくをはじめ他のネーミングライツに携わる人が言っている内容だ。
ぼくは企画力不足を解消するためのアイデアについても話したが、残念ながら紙面の都合からか反映されていなかったので、ここで紹介しておきたい。
企画力を解消するにはどうするか。
なによりもネーミングライツ導入プロジェクトの担当割り振りを見直すべきだろう。
昨年、とある自治体のネーミングライツの基礎調査プロジェクトをさせてもらい、アンケート調査を行った。
既にネーミングライツを導入している施設の担当者に向けたものだ。
アンケート協力を個別に電話をかけて仰いだところ、多くの施設でのネーミングライツ担当者は当該施設の管理課(例えば、土木課や公園管理課など)に所属する人たちだった。
アンケート調査から多くの人が導入に苦労した(募集条件の決定など)ことが理解できた。
アンケートを通じて、かねてからぼくが抱いている仮説がさらに強固になった。
それは、これらの人の能力がどうかという問題ではなく、宣伝やCSRなどの視点を求められない人たちがいきなり企画力を求められるのは酷なわけで、これらの人たちがネーミングライツに携わるのであればあくまでの施設運営との兼ね合いという観点からサポート的に関わるのが理想だということだ。
本業と近しくない人たちが担当するから、どの自治体も同じような企画(付帯条件としてスタジアムを無料で○○日利用可能など)しか生まれてこない弊害もある。
むしろ、シティセールスなどPR業務などに携わる人が中心的な役割を担うことで、スポンサー候補の宣伝・CSR担当者と同じ目線でネーミングライツの魅力などを提案できる他、同じ自治体が他に新た施設でネーミングライツの導入に踏み切った時も組織内で過去のノウハウを引き継ぎやすいというメリットが見い出せる。
これまでの導入支援経験から、募集をかけてもうまくいかない自治体は担当者を変えてみることでで突破口が開けるかもと考えているのでぜひともトライしてみて欲しい。


来年度の新規導入・更新などはそろそろ着手しましょう。
必要であれば支援しますので、お声がけください
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