特許でGO、Pokémon GO:その1では、Pokémon GOを支える技術の1つである拡張現実(AR)に関する特許出願状況について簡単にまとめてみた。
こちらでは、株式会社ポケモン、任天堂株式会社、そして任天堂の倒し方を知っていたようだけど実行するタイミングを逃してしまったグリー株式会社の特許出願状況について簡単に紹介してみる。
まずは各社の特許出願状況(直近で各社にて特許スコアが高い3分野のみ)について。
ポケモンは、注力3分野の特許出願件数が全体の6割程度を占め、主要3分野に限っては近年は出願がほとんどされていない模様。
任天堂は電気的デジタル処理が4割弱を占め、この分野だけで近年は年間1,500件程度の出願がなされている。
グリーは3分野だけで特許出願件数が全体の8.5割程度占めるなど、出願分野の絞込が行われている(ただし、近年急激に当分野への出願が増えた模様)。
電子ゲーム機分野に関しては全体の7位に位置づけられる点は大変興味深い。
グリーは他2社と比較すると、特許取得についてはさほど積極的でないことが理解できる。
次に特許の観点に基づく各社の「提携・競合」関係
ポケモンは2社(1社は任天堂)と共同研究している。
また、被牽制はないものの、4件の牽制を記録している。
任天堂は9社と共同研究し、特許出願にあたっては2,000件強も牽制されると同時に、700件強他社を牽制しているように、積極的に特許出願に取り組んでいることが理解できる(特許出願の意志がなければ他社の特許に2,000件強も牽制されない)。
グリーは共同研究の実績が現時点ではない。
被牽制件数が1,700件強と多いものの、出願に結びついたものは10件程度とまだまだ特許出願においては実績が乏しい。
各社の特許出願におけるスタンスの違いがなんとなくではあるものの見えたような気がする。
最後に、特許の観点に基づく各社の強み
ポケモンはキーボードからの入力についてのみNo1を獲得している。
任天堂は8つの分野でNo1の座を獲得している。
グリーはいずれの分野もNo1を獲得するに至っていない。
ぱらぱらとまとまった図を紹介し、「だからなんなんだ」という部分は極めて薄っぺらいけれども、とりあえずはゲーム会社と言えども、特許の出願方針などが異なるということが理解してもらえたらと思う。