調査概要

調査は以下の通り実施した。

調査対象・検索意図分類

BtoB領域の主要デジタルテーマ100クエリを対象にAIOの表示有無を調査。

検索タイプ 説明 クエリ例
定義 概念を理解する検索 CRMとは
生成AIとは
整理 概念の違いを整理する検索 CRMとSFAの違い
DXとIT化の違い
比較 製品やツールを比較する検索 CRM比較
SFA比較

調査実施日

2026年3月4日(水)20:00〜22:00

調査方法

本調査では、AIOの表示状況を確認するため、当社が提供するAIO分析ツール「AIO Radar」を使用して調査を実施した。AIO Radarは、Google検索(シークレットモード・日本語環境)結果におけるAIOの表示状況や引用サイトなどを確認できるツールである。現在は、AIO Radarを用いた無料調査代行サービスを提供しているので、ご興味があれば申し込んでほしい。

AIOの表示状況をAIO Radarで確認する

調査結果

調査した100クエリにおけるAIO表示率は以下の通り。

定義検索では40クエリ中37クエリでAIOが生成されているのを確認できた。

一方、整理検索では35クエリ中11クエリ、比較検索では25クエリ中で6クエリしかAIOが確認できず、検索意図に寄ってAIOの表示率に大きな差があることが確認できた。

調査の結果、AIOの表示率は検索意図によって大きく異なり、特に定義検索で高く、比較検索で低い傾向が確認された。

検索タイプ 調査数 AIO表示件数 表示率
定義 40 37 91%
整理 35 11 31%
比較 25 6 24%
AI Overview表示率調査
定義検索91% / 比較検索24%

分析

検索意図とAI回答の関係

今回の調査では、検索意図によってAIOの表示率に明確な差が確認された。検索意図を情報探索プロセスとして整理すると

概念理解 -> 概念整理 -> 意思決定

の3段階に分けることができる。

今回の結果は、この検索意図の段階とAIOの表示傾向が関係している可能性を示している。

AI回答の構造

AIOの回答は、複数のWebページを参照しながら生成される要約回答である。しかしAI回答には構造的な特徴がある。それは、単一の説明としてまとめやすい内容を得意とする点である。

例えば

CRMとは、BIツールとは

といった検索では、概念の説明を一つの文章としてまとめることができる。

一方で

CRM比較、MAツール比較

といった検索では比較対象として

  • 機能
  • 価格
  • 評価

など複数の判断軸が存在するため、AIが単一回答を提示することが難しい可能性がある。

SEOとの構造差

従来のSEOでは、ユーザーは検索結果から複数の記事を閲覧しながら情報を収集してきた。特に比較記事やランキング記事は、意思決定を支援するコンテンツとして重要な役割を持っている。

一方AIOは、検索結果ページ上でAIが要約回答を提示するため、ユーザーが記事を読む前に概念を理解できる可能性がある。

検索体験は次のように整理できる。

検索体験の流れ
従来検索 検索 -> 記事閲覧 -> 比較 -> 意思決定
AI Overview 検索 -> AI回答 -> 概念理解

まとめると、従来のSEOは「探索と比較」を担う一方で、AIOは「理解」を担うという構造差がある可能性があるといえる。

検索ファネルとAIO

検索行動はマーケティングの観点では「検索ファネル」として整理される。

検索ファネルは一般的に

認知 -> 検討 -> 比較・選定

の3段階で構成される。今回の調査結果をこのファネルに当てはめると、AIOは特に 認知段階(定義)の検索で強く表示される可能性があることがわかった。

検索段階 クエリ例 AIO表示傾向
認知 CRMとは
生成AIとは
高い
検討 CRMとSFAの違い
DXとIT化の違い
中程度
比較 CRM比較
SFA比較
低い

上のように整理すれば、AIOは検索ファネルの上流、すなわち認知・理解段階で強く機能する可能性があると言えるだろう。