この記事の要点

今回のBtoB100クエリ再調査では、AIO本文量が増えても、引用機会が増えるとは限らない傾向が見られた。

  • BtoB領域の100検索語句のうち、3月・6月ともにAIOが表示され、引用件数の変化が大きい28クエリを対象に分析した。
  • 最も多かったのは「本文増・引用減」のパターンで、対象28件のうち17件、60.7%を占めた。
  • AIO本文が詳しくなっても、引用元として表示されるサイト数が同じように増えるとは限らない。
  • AIO対策では、表示有無や引用件数だけでなく、AIO本文がどのような構造で作られているかも確認する必要がある。

1. AIO対策では、表示有無だけでなく本文量も見る必要がある

AI Overview(AIO)対策では、まず対象キーワードでAIOが表示されるかを確認する必要がある。
しかし、AIOが表示されるかどうかだけを見ても、AIO対策の全体像は分からない。

前回のレポート(「AI Overviewの引用件数は増えたのか」)では、AIOが表示されたクエリ数は増えている一方で、AIO内に表示される引用件数の合計は減少していることを確認した。
つまり、AIOが表示される検索語句が増えたとしても、それがそのまま「引用される機会の増加」を意味するわけではない。

では、引用件数が減った場合、AIO本文そのものも短くなるのだろうか。
本レポートでは、AIO本文の文字数と引用件数の関係に注目する。
AIO引用件数が減っても、AIO本文が短くなるとは限らない。
むしろ今回の調査対象では、引用元が減る一方で、本文量が増えているクエリが多く見られた。

この結果から、AIO対策では「AIOが表示されるか」「自社サイトが引用されるか」だけでなく、「AIO本文がどのような情報量・構造で作られているか」まで確認する必要があると考えられる。

2. 調査概要:引用件数の変化が大きい28クエリを対象に比較

本レポートでは、BtoB領域の100検索語句を対象に、2026年3月時点と6月時点のAIO表示状況を比較した。
そのうち、3月・6月の両時点でAIOが表示されていたクエリを抽出し、さらにAIO引用件数の増減が4件以上あった28クエリを対象に、AIO本文文字数とAIO引用件数の変化を確認した。

なお、本レポートはAIO本文の全文比較ではない。
今回はAIO本文文字数、AIO引用件数、6月時点のAIO本文構造を中心に分析している。

抽出段階 内容 件数
調査母集団 BtoB領域の100検索語句 100件
比較対象 3月・6月ともにAIO表示あり 52件
本レポート対象 AIO引用件数の増減が4件以上 28件

対象28件の内訳は、定義系20件、整理系5件、比較系3件である。

タイプ 件数
定義系 20件
整理系 5件
比較系 3件
合計 28件

本レポートでは、この28件について、AIO本文文字数が増えたか減ったか、AIO引用件数が増えたか減ったかを組み合わせて分類した。

3. AIO引用件数が減っても、本文が短くなるとは限らない

今回の調査対象28クエリを、AIO本文量とAIO引用件数の増減で分類すると、最も多かったのは「本文増・引用減」のパターンであった。

AIO本分量と引用件数の変化パターン
AIO本文量とAIO引用件数の変化パターン。調査対象28クエリでは、「本文増・引用減」が17件、60.7%で最多となった。

「本文増・引用減」とは、6月時点でAIO本文量は増えている一方で、AIO内に表示される引用件数は減っているケースである。
該当したのは17件で、調査対象28件の60.7%を占めた。

この結果は、AIO本文が詳しくなっているからといって、引用元として表示されるサイト数も同じように増えるとは限らないことを示している。
むしろ今回の対象クエリでは、AIO本文量が増える一方で、引用元の数は絞られているケースが多く見られた。

ここで重要なのは、AIO本文量の増加を、そのまま引用機会の増加と見なせない点である。

AIOがより詳しい回答を生成するようになっても、その回答内で引用元として表示されるサイト数は減る場合がある。
したがって、AIO対策では「AIOが表示されるか」だけでなく、「AIO本文がどのように構成され、どのサイトが引用元として残っているか」まで確認する必要がある。

4. 少ない引用元で、長い回答を構成するパターンが見られる

「本文増・引用減」の代表例を見ると、AIO引用件数が大きく減っているにもかかわらず、AIO本文文字数が増えているクエリが複数ある。

クエリ AIO本文文字数の変化 AIO引用件数の変化 見えたこと
機械学習 とは +175 -10 引用元は大きく減少したが、本文量は増加
生成AI とは +119 -10 注目領域でも、引用元を絞りながら長い回答を構成
CDP 比較 +246 -7 比較系でも、少数引用で長い回答になるケースあり
カスタマーサクセスツール 比較 +418 -5 比較系で本文量が大きく増加
DWH とは +157 -7 定義系でも、回答量が増加

たとえば「機械学習 とは」では、AIO引用件数は16件から6件へ10件減少している。
一方で、AIO本文文字数は324文字から499文字へ175文字増加している。

また、「生成AI とは」でも、AIO引用件数は17件から7件へ10件減少したが、AIO本文文字数は336文字から455文字へ119文字増加している。

これらの結果だけで、Googleが引用元を絞り込む方向に進んでいると断定することはできない。
しかし、少なくとも今回の調査対象では、AIO引用件数が減っても、AIO本文の情報量が減るとは限らないことが確認できた。

AIO対策では、単に「引用枠が何件あるか」だけを見るのではなく、そのAIO本文がどのような情報で構成されているかを確認する必要がある。

今回の結果は、AIO本文が充実すれば引用機会も増える、とは限らないことを示している。
AIOがより長く、詳しい回答を生成するようになっても、その回答内で参照される引用元の数はむしろ絞られる場合がある。
したがって、AIO対策では、本文量の増加を単純に機会拡大と捉えるのではなく、どの情報がAIO本文に取り込まれ、どのサイトが引用元として残っているのかを確認する必要がある。

5. 引用件数が増えたクエリでは、本文量も増えるケースがある

一方で、AIO引用件数とAIO本文文字数がともに増加したクエリもあった。

今回の28件では、「本文増・引用増」は5件であった。

クエリ AIO本文文字数の変化 AIO引用件数の変化 見えたこと
業務DX とは +229 +9 本文量・引用件数ともに大きく増加
API とは +52 +5 回答量と引用元がともに拡張
BIツール 比較 +9 +5 引用件数は増加したが、本文量の増加は小さい
CDP とは +84 +4 定義系で本文量・引用件数がともに増加
ERP とは +237 +4 本文量が大きく増加

「業務DX とは」では、AIO引用件数が12件から21件へ9件増加し、AIO本文文字数も294文字から523文字へ229文字増加している。
このようなクエリでは、AI Overviewがより多くの引用元を参照しながら、回答本文も拡張している可能性がある。
ただし、「BIツール 比較」のように、引用件数が増えていても本文文字数の増加が小さいケースもある。

このことからも、AIO引用件数とAIO本文文字数は、必ずしも単純に連動するわけではないと考えられる。
AIO対策では、引用件数、本文量、回答内容を分けて確認する必要がある。

6. 6月時点のAIO本文に見られる回答構造

ここまで、AIO本文文字数と引用件数の変化を見てきた。
では、実際のAIO本文はどのような情報で構成されているのだろうか。

6月時点のAIO本文を見ると、AIOは単に用語を一文で説明しているだけではない。
検索語句に応じて、定義、機能、メリット、関連概念との違い、比較・選定観点などを組み合わせて回答を構成している。

たとえば「SFA とは」では、冒頭でSFAを「『Sales Force Automation』の略称であり、日本語では営業支援システムと呼ばれるもの」として定義している。
そのうえで、顧客情報、商談の進捗状況、営業担当者の活動履歴などを一元管理・分析し、営業活動の効率化や売上アップを目的としたITツールであると説明している。

さらに、AIO本文内では、SFAの主な機能、導入メリット、CRM・MAとの違いにも触れている。

クエリ AIO本文に含まれる要素 回答構造
SFA とは 定義、管理対象、目的、主な機能、導入メリット、CRM・MAとの違い 定義 → 管理対象 → 目的 → 機能 → メリット → 関連概念との違い
生成AI とは 定義、特徴、活用例、注意点など 定義 → 特徴 → 活用例 → 補足・注意点
CDP 比較 比較対象、選定観点、ツール比較など 比較対象 → 選定観点 → 候補整理
BIツール 比較 ツールカテゴリ、比較観点、導入時の見方など 比較観点 → 主な候補 → 選び方

このように、定義系クエリであっても、AIO本文は単なる用語説明にとどまらない場合がある。
「SFA とは」のようなクエリでも、機能、導入メリット、CRM・MAとの違いまで含めて回答が構成されている。
そのため、AIO対策では、冒頭に短い定義文を置くだけでは不十分である。

AIO本文に使われるためには、定義、役割、機能、メリット、関連概念との違いなど、回答を構成する情報をページ内で整理しておくことが望ましい。

7. AIO本文で使われやすい情報の特徴

今回の結果から、AIO本文で使われやすい情報にはいくつかの特徴があると考えられる。

AIO本文に使われやすい情報 ページ側で用意すべきこと
短い定義文 冒頭に「〇〇とは」を1〜2文で明確に書く
主な機能・役割 何ができるのか、どの業務で使うのかを整理する
メリット・効果 導入や活用によって何が改善されるのかを示す
関連概念との違い CRM・SFA・MAなど、混同されやすい用語との違いを説明する
比較・選定観点 比較系では評価軸や選び方を明示する
活用例・利用場面 実務でどのように使われるのかを具体的に示す

AIO対策では、単に記事の文字数を増やせばよいわけではない。
重要なのは、AIOが回答本文を構成するときに使いやすい形で情報が整理されているかである。

特にBtoB領域では、定義だけでなく、役割、導入目的、関連ツールとの違い、選定観点などが重要になる。
たとえば、CRM、SFA、MAのように混同されやすい用語では、それぞれの違いを整理しておく必要がある。
また、BIツールやCDPのような比較系クエリでは、単なるツール一覧ではなく、比較軸や選定観点が重要になる。

AIO本文に使われやすい情報を用意するには、検索語句ごとに「AIOが何を回答しようとしているのか」を確認することが欠かせない。

8. まとめ:AIO対策では、表示・引用・本文構造を分けて見る必要がある

第1弾では、BtoB100クエリにおいて、AIOが表示される検索語句が増えていることを確認した。
第2弾では、AIO表示が増えても、AIO内の引用件数が同じように増えるとは限らないことを確認した。
そして、今回の第3弾では、AIO引用件数が減っても、AIO本文が短くなるとは限らないことが見えてきた。

AIO引用件数の増減が4件以上あった28クエリを分類すると、最も多かったのは「本文増・引用減」の17件であった。
これは、少ない引用元で、より長い回答を構成している可能性を示している。

AIO対策では、AI Overviewが表示されるか、自社サイトが引用されているかだけでなく、AI Overview本文がどのような情報量・構造で作られているかを確認する必要がある。

検索順位だけでなく、AIO表示有無、引用件数、本文構造を分けて見ること。
それが、AI Overview時代の検索対策で重要になる。

BtoB100クエリ再調査シリーズ

BorderZeroでは、BtoB領域の100検索語句を対象に、2026年3月時点と6月時点でAI Overviewの表示有無・引用件数・本文構造などを比較している。

本シリーズでは、AI Overviewの変化を6つの切り口で整理する。

テーマ 概要 状態
第1回 AI Overview表示率はどう変化したのか AIOが表示される検索語句は増えているのかを分析。 公開中
第2回 AI Overviewの引用件数は増えたのか AIO内に表示される引用元の数がどう変化したかを分析。 公開中
第3回 AI Overviewの回答量と引用構造はどう変化したのか AIO本文文字数と引用件数の関係、回答構造の変化を分析。 公開中
第4回 どのドメインがAI Overviewに引用されているのか 引用されやすいサイト・ドメインの傾向を分析予定。 公開予定
第5回 SEO上位とAI Overview引用は一致するのか 検索順位とAIO引用のズレを分析予定。 公開予定
第6回 どのキーワードからAIO対策すべきか AIO対策の優先度をキーワード単位で整理予定。 公開予定

自社の重要キーワードでも確認してみませんか

本レポートでは、BtoB検索100クエリにおけるAI Overviewの表示傾向を整理しました。 ただし、実際に確認すべきなのは、自社にとって重要な検索テーマでAIOが表示されるか、 どのサイトが引用されているかです。

AIO Radarでは、指定クエリのAIO表示有無と引用元を確認できます。 SEOでは表示されているのにAIOでは引用されていない場合は、AIO-SEO Gap Checkでズレを確認できます。

自社サイトのAIO状況を確認したい方へ

AI Overviewが表示されない場合も、AI Overviewに自社サイトが引用されない場合も、 まずは対象クエリごとに状況を切り分けることが重要である。

AIO Radar

対象クエリでAI Overviewが表示されているか、自社サイトが引用されているか、 どのドメインが引用元になっているかを確認する無料診断。

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AIO Insights

AI Overviewに引用されない理由を整理し、 次に何を変え、何を見送るべきかを判断するための詳細分析。

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9. よくある質問

Q1. AIO本文文字数が増えていると、AIO対策上は良い状態なのか?

必ずしもそうとは限らない。
AIO本文文字数が増えている場合、回答に含まれる情報量が増えている可能性がある。
一方、自社サイトが引用されていなければ、その回答構造に自社情報が使われていないということでもある。
本文量だけでなく、自社サイトの引用有無や、本文に含まれる情報の種類を確認する必要がある。

Q2. AIO引用件数が減っている場合、引用される機会は減っていると言えるか?

引用件数が減っている場合、AIO内に表示される引用元の枠は減っている可能性がある。
ただし、今回の調査では、引用件数が減っていてもAIO本文文字数が増えているケースが多く見られた。
引用枠の数だけでなく、どのような情報がAIO本文に使われているかを確認することが重要である。

Q3. AIO本文に使われやすいページを作るには何を意識すべきか?

冒頭の定義文、主な機能、利用場面、メリット、関連概念との違い、比較・選定観点を整理することが重要である。
特にBtoB領域では、単なる説明ではなく、実務上の役割や他のツール・概念との違いまで整理されているページが、AIO本文に使われやすい可能性がある。

Q4. AIO対策では、まず何を確認すべきか?

まず、対象キーワードでAI Overviewが表示されるかを確認する。
次に、AIO内でどのサイトが引用されているか、自社サイトが引用されているかを確認する。
そのうえで、AIO本文にどのような情報が含まれているかを確認すると、改善すべき情報構造が見えやすくなる。