今回のBtoB100クエリ再調査では、AI Overviewが表示される検索語句は増えた一方で、AIO内に表示される引用件数は全体では減少した。
- BtoB100クエリを3月と6月で比較すると、AI Overviewが表示される検索語句は増えた一方で、AIO引用件数は全体では減少していた。
- 定義系・整理系ではAIO引用件数が減少し、比較系ではAIO引用件数が増加していた。
- AIO対策では、AI Overviewが表示されるかだけでなく、その中で引用される余地があるかを分けて確認する必要がある。
Google検索では、AI Overview(AIO)が表示される検索と、表示されない検索がある。
「AI Overview表示率はどう変化したのか|BtoB100クエリ再調査レポート」では、BtoB100クエリを対象に、AIOの表示有無が2026年3月から6月でどう変化したかを確認した。
その結果、AIOが表示される検索語句は増加していた。
一方で、AIOが表示される検索が増えたとしても、そこに引用されるサイト数が同じように増えるとは限らない。
たとえば、ある検索語句でAIOが表示されていても、引用元として表示されるサイト数が少ない場合がある。
また、SEOで上位表示されていても、AIO内で引用されないケースもある。
そこで今回は、前回と同じBtoB100クエリを対象に、AIO内に表示される引用件数が3月から6月でどう変化したかを確認した。
ここでいう「AIO引用件数」とは、各クエリでAIO内に表示された引用元数を集計したものである。
・AIOが表示されるか。
・どのサイトが引用されているか。
・自社サイトが引用されているか。
この3つを分けて見ることで、AIO対策で優先すべきキーワードや改善すべきページが見えやすくなる。
1. AIO表示率だけではAIO対策の実態はわからない
AIO対策では、まず対象キーワードが検索結果画面でAIO表示されるかを確認することが重要である。
しかし、それだけでは十分ではない。
AIOが表示されていても、そこに自社サイトが引用されるとは限らない。
さらに、AIO内で引用されるサイト数が少ない場合、限られた引用枠を競合サイトと取り合う構図になる。
たとえば、ある検索語句ではAIOが表示されても、引用元が数件しか表示されないことがある。
この場合、SEOで上位表示されていたとしても、AIO内で引用されなければ、検索結果上での見え方は大きく変わる。
そのため、AIO対策では以下を分けて見る必要がある。
| 確認項目 | 見るべきこと |
|---|---|
| AIOが表示されるか | そもそもAIO対策の対象になるか |
| どのサイトが引用されているか | 競合・メディア・比較サイト・公式サイトのどれが引用されているか |
| 自社サイトが引用されているか | SEO上位とAIO引用が一致しているか |
今回の調査では、これに加えて、AIO内の引用件数が増えているのか、絞られているのかも確認した。
AIOが表示されていても、引用枠が少ない場合は、限られた引用枠を競合サイトと取り合う構図になる。
2. 調査概要:AIO引用件数の比較方法
今回の調査では、BtoB領域の100検索語句を対象に、2026年3月時点と6月時点でAIOの引用元数を比較した。
なお、「AIO引用件数」とは各クエリでAIO内に表示された引用元数を集計したものを指す。
対象クエリは、前回の表示率調査と同じく、以下の3タイプに分類している。
| タイプ | クエリ数 | 例 |
|---|---|---|
| 定義系 | 40 | CRMとは、DXとは、生成AIとは |
| 整理系 | 35 | CRMとSFAの違い、AIと生成AIの違い |
| 比較系 | 25 | CRM比較、BIツール比較、AIツール比較 |
AIOの表示内容や引用元は、検索時点・検索環境・検索地域などによって変動する可能性がある。
本調査は、特定時点における観測結果として整理している。
3. 全体ではAIO表示ありクエリは増加、一方で引用件数は減少
前回レポートで確認した通り、AIOが表示されたクエリは、3月時点の54件から6月時点では63件に増加していた。
なお、AIO表示有無の詳しい増減については、前回レポート「AI Overview表示率はどう変化したのか|BtoB100クエリ再調査レポート」で整理している。
今回注目したいのは、AIOが表示されるかどうかではなく、そのAIO内でどれだけの引用元が表示されているかである。
AIO内に表示された引用件数を合計すると、3月は689件だったのに対し、6月は645件に減少していた。

つまり、AIOが表示される検索は増えている一方で、AIO内で引用される枠が同じように増えているとはわけではないということである。
もちろん、この結果だけで、すべての検索において引用機会が減っているとは言えない。
しかしながら、AIO対策では「AIOが表示されるか」と「そのAIO内でどれだけ引用機会があるか」を分けて見る必要があることは大きな注目点である。
今回の調査では、定義系・整理系では引用件数が減少し、比較系では引用件数が増加していたのは、注目できる特徴の1つだろう。

このことからも、AIO内の引用機会はクエリタイプによって広がり方が異なる可能性がある。
定義系:AIO表示は定着したが引用件数は減少
定義系クエリでは、AIO表示がほぼ前提になりつつある。
3月時点でも定義系クエリの多くでAIOが表示されていたが、6月時点では対象40クエリすべてでAIOが表示された。
一方で、引用件数は58件減少していた。
これは、定義系クエリではAIOの表示自体は定着しつつあるものの、引用元の数は必ずしも増えていないことを示している。
たとえば、「CRMとは」「DXとは」「生成AIとは」のような検索では、AIOが表示される可能性は高い。
しかし、そこに引用されるサイト数は限られる場合がある。
定義系クエリでは、単に「わかりやすく説明する」だけではなく、AIOに引用されやすい短い定義文、根拠、構造化された説明を用意する必要がある。
整理系:AIO表示は微増、引用件数は限定的
整理系クエリでは、AIO表示はやや増加した。
3月時点では35クエリ中11件でAIOが表示されていたが、6月時点では13件に増加している。
一方で、引用件数は22件減少していた。
整理系クエリとは、「CRMとSFAの違い」「AIと生成AIの違い」「DXとIT化の違い」のように、概念の違いを理解したい検索である。
このタイプでは、AIOが表示される検索は少しずつ増えている。
ただし、引用元数は限定的であり、すべての整理系クエリで引用機会が広がっているわけではない。
整理系クエリで引用されるためには、違いを文章で説明するだけでなく、比較軸を明確にすることが重要である。
| 見るべき観点 | 例 |
|---|---|
| 比較軸 | 目的、対象データ、利用部門、導入目的 |
| 結論文 | 両者の違いを一文で説明できるか |
| 表形式 | 違いを一覧で確認できるか |
| 実務上の使い分け | どちらを選ぶべきかまで説明しているか |
比較系:AIO表示・引用件数ともに増加
比較系クエリでは、AIO表示とAIO引用件数の両方が増加していた。
3月時点では25クエリ中6件でAIOが表示されていたが、6月時点では10件に増加している。
さらに、AIO引用件数も36件増加していた。
比較系クエリとは、「CRM比較」「BIツール比較」「AIツール比較」のように、製品やサービスの比較検討を行う検索である。
まとめ:AIO対象タイプの拡大
今回の調査では、この比較系で引用件数が増加していた点が特徴的である。
これは、AIOが単なる定義回答だけでなく、ツール選定や比較検討の検索にも広がり始めている可能性を示している。
BtoBマーケティングにおいて、比較系クエリはリード獲得に近い検索である。
そのため、比較系クエリでAIOが表示され、そこに競合サイトや比較メディアが引用される場合、自社サイトの見え方に影響する可能性がある。
4. AIO引用件数を見るときは、表示有無の変化を分けて考える
今回の調査では、クエリ単位でのAIO引用件数にも変化が見られた。
ただし、引用件数の増減を見る際には注意が必要である。
3月時点でAIOが表示されておらず、6月時点で新たに表示されたクエリでは、引用件数は0件から増える。
一方、3月時点ではAIOが表示されていたが、6月時点では表示されなくなったクエリでは、引用件数は0件まで減る。
そのため、AIO引用件数の増減は、単純な増減ランキングとして見るのではなく、まず以下のように分けて確認する必要がある。

特に、AIO引用件数の変化を正しく見るには、3月・6月の両方でAIOが表示されているクエリに注目する必要がある。
AIOが新たに表示されたクエリや、表示されなくなったクエリを同じランキングに混ぜると、引用件数の変化なのか、表示有無の変化なのかがわかりにくくなる。
したがって、AIO対策では、次の順番で確認するのがよい。
- そのキーワードでAIOが表示されるか
- 3月(前回)と6月(今回)で表示有無が変わったか
- 表示が継続している場合、引用件数が増減したか
- 自社サイトや競合サイトが引用されているか
AIO引用件数は重要な指標である。
ただし、表示有無の変化と切り分けて見なければ、誤った判断につながる可能性がある点は注意したい。
5. 自社キーワードで確認すべきこと
AIO引用件数を見る際は、対象キーワードごとに以下の点を確認する必要がある。
| 確認項目 | 見るべきこと |
|---|---|
| AIOが表示されるか | そもそもAIO対策の対象になるか |
| どのサイトが引用されているか | 競合・メディア・比較サイト・公式サイトのどれが引用されているか |
| 自社サイトが引用されているか | SEO上位とAIO引用が一致しているか |
特に重要なのは、SEO順位とAIO引用を分けて見ることである。
SEOで上位表示されていても、AIOに引用されていない場合がある。
逆に、SEO順位が必ずしも最上位でなくても、AIO内で引用されるケースもある。
そのため、AIO対策では、検索順位だけでなく、AIOの表示有無と引用元をセットで確認することが重要である。
6. まとめ:AIO表示とAIO引用は分けて確認する必要がある
今回の調査では、AIOが表示される検索語句は増えている一方で、AIO内に表示される引用件数は全体では減少していた。
つまり、AIOが表示される検索が増えたとしても、その中で引用されるサイト数や引用機会が同じように増えるとは限らない。
特に、定義系・整理系ではAIO引用件数が減少し、比較系ではAIO引用件数が増加していた。
この結果からわかるのは、AIO対策では「AIOが表示されるか」だけを見ても不十分だということである。
確認すべきなのは、少なくとも次の3点である。
・対象キーワードでAIOが表示されるか
・AIO内でどのサイトが引用されているか
・自社サイトがAIO内で引用されているか
SEOで上位表示されていても、AIO内で引用されているとは限らない。
また、AIOが表示される検索であっても、引用元が少ない場合や、特定の競合サイト・比較サイト・メディアに引用が集中している場合もある。
そのため、AIO対策では、検索順位だけでなく、AIOの表示有無と引用元をキーワード単位で確認することが重要である。
第一弾の「AI Overview表示率はどう変化したのか|BtoB100クエリ再調査レポート」では、BtoB100クエリにおけるAIO表示有無の変化を確認した。
今回の第二弾では、その中で引用件数がどう変化したかを確認した。
今後も、AIO本文の変化や引用ドメインの傾向などを継続的に見ていくことで、AIOに引用されやすい情報構造やコンテンツの特徴を整理していく。
BtoB100クエリ再調査シリーズ
BorderZeroでは、BtoB領域の100検索語句を対象に、2026年3月時点と6月時点でAI Overviewの表示有無・引用件数・本文構造などを比較している。
本シリーズでは、AI Overviewの変化を6つの切り口で整理する。
| 回 | テーマ | 概要 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | AI Overview表示率はどう変化したのか | AIOが表示される検索語句は増えているのかを分析。 | 公開中 |
| 第2回 | AI Overviewの引用件数は増えたのか | AIO内に表示される引用元の数がどう変化したかを分析。 | 公開中 |
| 第3回 | AI Overviewの本文量と引用件数はどう変化したのか | AIO本文文字数と引用件数の関係、回答構造の変化を分析。 | 公開中 |
| 第4回 | どのドメインがAI Overviewに引用されているのか | 引用されやすいサイト・ドメインの傾向を分析予定。 | 公開予定 |
| 第5回 | SEO上位とAI Overview引用は一致するのか | 検索順位とAIO引用のズレを分析予定。 | 公開予定 |
| 第6回 | どのキーワードからAIO対策すべきか | AIO対策の優先度をキーワード単位で整理予定。 | 公開予定 |
自社の重要キーワードでも確認してみませんか
本レポートでは、BtoB検索100クエリにおけるAI Overviewの表示傾向を整理しました。 ただし、実際に確認すべきなのは、自社にとって重要な検索テーマでAIOが表示されるか、 どのサイトが引用されているかです。
AIO Radarでは、指定クエリのAIO表示有無と引用元を確認できます。 SEOでは表示されているのにAIOでは引用されていない場合は、AIO-SEO Gap Checkでズレを確認できます。
自社サイトのAIO状況を確認したい方へ
AI Overviewが表示されない場合も、AI Overviewに自社サイトが引用されない場合も、 まずは対象クエリごとに状況を切り分けることが重要である。
AIO Radar
対象クエリでAI Overviewが表示されているか、自社サイトが引用されているか、 どのドメインが引用元になっているかを確認する無料診断。
AIO Radarを見るAIO Insights
AI Overviewに引用されない理由を整理し、 次に何を変え、何を見送るべきかを判断するための詳細分析。
AIO Insightsを見るよくある質問
AIOが表示されれば、自社サイトも引用されやすくなるか?
必ずしもそうではない。
AIOが表示されていても、引用元として表示されるサイトは限られる場合がある。
AIO対策では、表示有無だけでなく、どのサイトが引用されているかを確認する必要がある。
SEOで上位表示されていれば、AIOにも引用されるか?
SEO上位とAIO引用は一致するとは限らない。
SEOで上位に表示されていても、AIO内では別のサイトが引用される場合がある。
AIO引用件数が減っている場合、対策の優先度は下がるか?
一概には言えない。
引用件数が減っている場合、引用枠が絞られている可能性がある。
そのため、むしろ引用されるためのページ構造や根拠情報の整備が重要になる場合がある。
比較系クエリでAIO引用件数が増えているのはなぜ重要なのか?
比較系クエリは、製品やサービスの検討段階に近い検索だからである。
そこでAIOが表示され、競合や比較メディアが引用される場合、リード獲得に影響する可能性が高い。
自社キーワードのAIO引用状況はどう確認すればよいか?
対象キーワードごとに、AIOの表示有無、引用元、SEO上位サイト、自社サイトの有無を確認する必要がある。
継続的に確認することで、SEOとAIOのズレを把握しやすくなる。
